佐治君のバリ島日記 
日本人ばっか!でも、ウブドは素晴らしい!




準備&出発

年に2回の海外旅行!という目標があるため、10月末にスペインに行った(「5都市歩きっぱなしスペイン日記」)にも関わらず、年明け早々から次の計画を立て始めた。今度は長い休みは取れないため、一昨年のプーケット旅行の再現を狙ってアジアンリゾートに絞り、最終的にバリに行くことに決定!マレーシアのランカウイ島なども候補には挙がったのだが、やはり1日中リゾート気分でのんびりというより、前回のプーケットと同じように昼も夜も遊び尽くしたいという意向から、ある程度夜でも遊べる繁華街(騒げる場所)がある場所を選択。ということで、今回はバリに行くことに決めた。
肝心の相棒はもちろん前回(「超ラッキー!プーケット日記」)と一緒の彼(さかも)。最初は仕事で都合がつかなかったのだが、急遽OKになったため、即 計画を実行に移すことにした。
ちょうどHISがキャンペーン中であり、かつ、話を聞きに行ったときに飛行機の空席が残り4席とのことだったので飛び込むような形で申込み。ちょっと唐突すぎるかと思ったが、金額的にも内容的にもこの時点で文句はなかったし、いざとなればまだ出発1ヶ月前でキャンセルもできるので、とりあえず申込みだけでもしておくことにした。
日程は3月15日(木)出発→3月20日(火)帰国で現地完全フリー。ツアー代は、送迎、イルカウォッチング付きで72,000円である。
個人的にHISは好きじゃないし、信用してないのだが、今回は、「ホテルが予定とは違う場所だった」なんて程度のミスがあったぐらいで(今回のツアーのホテルは値段重視だったためDクラスであり、そもそも全く期待してなかったのでどこでも良かった)、特に大きなトラブルもなく、出発日を迎えることが出来た。
事前の情報収集はBALI HEATという現地の旅行会社のHPを参考にして、メールでいろいろ質問しながら集め、ついでに前回、現地でバタバタした教訓を生かし、向こうでのオプショナルツアーも事前に申込んでおいた。


出発当日 3月15日(木)

8:30成田空港に集合なので、5:00過ぎに家を出る。1週間前ぐらいはまだまだ寒かったのだが、この日は大分暖かい。トレーナーだけで十分暖かかったので、かさばるコートを持っていかずに済み、荷物的にかなり助かった。
普段は日暮里からスカイライナーを使うのだが、今回ははじめて相模大野から高速直通バスを利用。昔、渋滞で痛い目にあっているのでバスは心配だったのだが、これが大正解。相模大野から成田まで約2時間。心配だった渋滞も平日の早朝だったからかもしれないが、全く引っかかることなくスムーズだった。もちろん、ずーっと座って寝て行けるのでかなり楽。
成田につき、チェックインをし、出発前恒例のそばを食い、暇潰し用の雑誌を買って搭乗。卒業旅行シーズン&3連休前ということもあって、機内は満席。特に若い人達が多かった。
今回の飛行機はガルーダインドネシア航空、11:00発の便。ツアーの利用航空会社の中にはシンガポール航空もはいっていたため、航空会社は選べないにも関わらず、「シンガポール航空でお願いします」と担当者にしつこく頼んでおいたのだが、そう上手くはいかなかった。
機内では前回同様、昼間っからビールを数本飲みハイな状態。ただ機内食は美味しいと聞いていたウナギがなく、かなり不満。映画も何がやっていたかを忘れるぐらいカスな映画をやっていた。

ジャカルタを経由して、デンパサールへ。到着時刻は22:00過ぎ。早速、HISの現地スタッフに送迎してもらいホテルへと向かう。
夜22:00とはいえ、やはりじめじめと蒸し暑い。雰囲気的には、場所は違えど同じアジアンリゾート。プーケットと同じ匂いがした。
今回泊るホテルは“アディ・ダルマ・コテージ/Adhi Dharma Cottages”というホテル。場所的にはレギャン地域にあり、そこのメインストリートである“レギャン通り”沿いのマクドナルドの向かい。出歩くには抜群のロケーションだ。
ホテルそのものについては、ちょうど去年このホテルに泊った友達がいて「Dクラスと言ってもロスメン(安宿)より全然上」と聞いていたので、それほど不安はなかったのだが、実際に着いてみるとプールもあるし、部屋も奇麗だし、十分満足のいくものである。気にしていたヤモリやゴキブリも、さすがに外の天井や壁にヤモリは見かけるものの、ゴキブリは全く目にしない。もちろん、部屋の中は全然問題なし。(公式HP
「安い宿だと、部屋の中にまでヤモリやゴキブリがいて気になって寝れない」などと聞いていおり、少々不安だったが、これで安心してぐっすり寝ることが出来そうだ。

荷物を片づけて、一休みしてから、飯を食いにレギャン通りをぶらつくことにした。
まだ0:00だったので十分賑やかだろうと思いきや、結構人はまばら。閉まっている店も多く、ホテルに戻る客目当てのタクシーだけが目立つばかり。しょうがないのでホテルの前の店に入り、簡単に飯を食って明日に備えることにした。
といいつつ、簡単に終わる訳がなく、2人でビール大瓶を6本+かなりの量の飯を注文。結局2:00近くまで長居してしまった。ただ、代金は2人で約10万ルピー。ホテルに戻って計算すると、日本円で約1000円。あまりの安さにびっくりした。

ホテルに戻った後は朝が早かったのと、長いフライトのため疲れており、すぐに爆睡した(画像下の左はホテルのバルコニー、右は室内)。

 




2日目 3月16日(金) 

今日はさかもの強い希望もあり、朝から海釣りの予定。オプショナルツアーを組んでいたので、朝7:00にフロントへ。さすがに疲れが取れておらず、結構きつい...
ヌサドゥアのビーチまで主催会社の車で行き、早速小型のボートに乗り込む。どうやら、2人のスタッフが付き添ってくれるらしい。
重りを挙げて即出発。天気もいいし、海も静かですごく気持ちいい。肝心のポイントまではかなりの距離があるらしいのだが、まあそれもよしとしよう。
約1時間かけて移動した後、ようやくポイントに到着。すぐさま釣竿を借りて、えさをつけて、糸を垂らす。
俺は今回が海釣り初体験(というか、釣り自体あまりやったことがない)なので、えさをつけるのすらなんだかぎこちない。あまり忍耐力がある方でもないので、ほんとに釣れるのか?と最初は半信半疑だったのだが...
糸を垂らして5分もしないうちに、当たりが来た!ほとんどやったこともないので、でかいんだか、小さいんだかは分からなかったけど、ズシッという感触が手に残って、何とも言えないいい感じ。釣りにはまる人の気持ちが少し分かったような気がした。
実際あげてみると、思ってたよりも大きい。
この辺りの海ではカワハギやタイなどが釣れ、たまにカサゴなども釣れるらしい。ちなみに今回釣ったのは中ぐらいのタイだった。
その後30分の間に俺、さかも共に2匹ずつ釣ってかなり快調なでだし。いやいや釣りって結構簡単じゃん!と早くも有頂天。
がしかし、調子がいいのはここまで。スタッフの2人がこれでもかと釣っている傍ら、その後1時間全く俺らに当たりはない。ポイントを移動しても、移動しても、最初の快進撃はどこへやら?という感じで釣れる気配すらない。しかも、釣れなくなり集中力が切れると、今まで全然気にならなかった舟の揺れが気になり始め、ゲロを吐きたくなる始末。おまけに、えさをつけようと下を向くと、気持ち悪さが倍増である。
このままじゃいかんと思い、無理矢理テンションをあげたのだが、集中力がないため、ボーッとしてしまい、引いてることにすら気付かない。そのうちえさだけ取られ、またえさをつけ、さらに気持ち悪くなりと完全に悪循環。ただ、無意味に時間だけが流れて行く...
ようやく何十分ぶりに当たりが来て、2匹連続でタイとカサゴを釣ったのだが、ちょうどえさがなくなり終了。
結局2人で仲良く4匹ずつという結果に終わった。(ちなみにスタッフ2人は2人で30匹ぐらい)

心身ともに疲れ切り、帰りの舟は2人揃って爆睡。用意してくれていた昼食もそこそこにホテルへと送ってもらった。
ホテルに戻ってからも(14:00ぐらい)眠いのと疲れてるのと酔ってるので、体が動かない。結局、そのまま夕方まで爆睡してしまった。

16:00頃ようやく復活。全くへばっていないさかもは、俺が爆睡してる最中、クタのビーチに行って現地の兄ちゃんと仲良くなってたらしい。
とりあえず、飯をどこで食おうか考えた結果、ジンバランのシーフードレストラン(「リア・カフェ」)に行くことにした。日本でその店のHPを見つけ、割チケ&送迎チケをプリントアウトして持ってきていたので、早速電話して予約。1時間後にピックアップしてもらうことにした。
18:00過ぎに迎えに来てもらい、18:30に到着。日没まではまだ時間があるらしく、空はまだ明るい。
シーフードレストランと言っても、店自体は海の家のようなものだ。この辺り一帯が同じようにシーフードのお店を経営してるらしく、ここのお店もその一角にある。
店内をそのまま通り抜けて、ビーチに案内された。テーブルとイスをビーチにセットしてくれるのである。しかも、俺らの席は最前列に用意してくれた。目の前は誰もいない、海だけである。
とりあえずドリンク(もちろんビール)を頼み、お通しのガーリック味のピーナッツ(これがめっちゃおいしい!)を食べながら、超くつろぎモード。おまけにちょうど陽が沈み始め、すごく奇麗な景色だ。
陽が沈み切るとテーブルの上にあるロウソクに火をつけてくれてる。これが、とてもロマンチックで、ほんとにムードたっぷり。ただここでお互い隣りを見ていつもの台詞。「はぁ〜、隣りが女だったらなぁ〜...」
肝心の料理の方はというと、自分達で水槽に行き、食材を選んで調理してもらう。俺らはロブスター、車エビ、バラクーダという白身魚、それと貝を選んだ。
シーフードBBQのお店なので、選んだもの全てがグリルされて出てくる。そのまま焼いてレモンをかけて食べるもの、ソースが絡めてあるもの。どれも日本人に合う味で、かつ一緒に出てくる白いご飯(もちろんタイ米)との相性は抜群だった。
結局、これだけじゃ食い足らずさらに魚とエビを注文。相当腹一杯になり、心身ともに大満足。2人で占めて確か5000円前後。バリの物価にしては高いのかもしれないが、こんなもんだろう。日本人にすれば十分安い。
帰り際にお店のオーナーさんとその奥さんと話す機会があったのだが、なんと奥さんは日本人。バリと日本を行ったり来たりしてるそうである。HPも奥さんが管理しているらしい。日本語のサイトだったのも納得である。

結局、最後(閉店時間は23:00)まで残っていた客は俺らだけ。お店の人にホテルまで送ってもらい、近くのコンビニで買い物をして部屋に戻った。
部屋に戻ってからは、それほど遅い時間ではなかったのだが、次の日も早いのでさっさと寝ることにした。



3日目 3月17日(土) 

今日は俺の希望で1日かけてウブド観光。自分達でタクシーを拾ってぶらぶらするのも良かったのだが、キンタマーニ高原やブサキ寺院といったウブドから離れた場所も行きたかったので、事前に「BALI HEAT」という現地旅行会社のオプショナルツアーを頼んでおいた。

8:30にガイドさんにピックアップしてもらい、ウブドに出発。まずはウブド近郊の“芸術の村”と呼ばれる村に向かった。
ここでは、銀細工の職人さんと、絵描きさん達の仕事ぶりを見学。まあ簡単に言えば俺の嫌いな“○○工場見学”みたいなものだが、これが意外と楽しかった。当然、見学後は同じ敷地内にあるショップに連れて行かれ、「これはどう?あれはどう?」と買い物してして攻撃を受けたのだが、まあそれも良しとしよう。

1時間ほど見学した後は象の洞窟“ゴアガジャ”へ。ここは頭が象、体が人間の形をしたヒンドゥー教の神様?が祭ってある寺院である。とりあえず、ガイドさんの説明を聞きながら一回りし、写真を撮る(小さいけど右が俺、左がさかも)。そうそう、前回のスペイン旅行の写真があまりにも出来が悪く、ついに我慢し切れなくなってニコンの一眼レフを購入。今日がデビュー!なのである。出来は現像してみないと分からないが、シャッターを切るときの“カシャッ”っていう音がとても気持ちいい。

“ゴアガジャ”を見学した後はライステラス、キンタマーニ高原とバリの自然を満喫。特にライステラスの規則正しい美しさにはびっくり。さらに、この規則性が全く人間の手を加えていないものだと聞いてびっくりした。ただここの物売りには要注意。かなりしつこいし、相当うざい。
キンタマーニ高原に着いたのが13:00過ぎだったので、ここでランチ。インドネシア料理のビュッフェだったのだが、さすが観光客用のレストラン。ナシゴレン(インドネシア風チャーハン)もミーゴレン(ヤキソバ)もサテ(鳥、羊などの串焼き)も全然美味しくなかった。

この後はブサキ寺院へ。バリ島一大きい寺院だそうだが、確かにでかい。山の中腹?に建てられているので、そのバックを含めた全体の景色は奇麗だったが、それ以外は特にこれといったものはなかった。

ブサキ寺院を見た後は、クルンクンという街に行き、王宮跡などを見学してウブドへと戻る。ウブドに戻った後は楽しみの1つだった舞踊を見ることにした。
今回俺らが見た舞踊は“ケチャダンス”と呼ばれるもの。大勢の男が「チャッ、チャッ」と掛け声を掛け、それに合わせて踊るのが特徴である。この“ケチャダンス”にはストーリーがあり、それにそって進行していく。まあ、ダンスと言うよりはミュージカルと言った方が近いかもしれない。ストーリーの内容は、いわゆる勧善懲悪もの。水戸黄門と白雪姫を足して割ったような感じだった気がする...(というか、あんまり覚えてない)
上演時間は確か2時間ほど。結構集中して見ていたので、あっという間に時間が経ってしまった。
まあこの手の物を見るといつも思うのだが、その国特有の文化に触れるということは、すごく興味深いことだと思う。スペインでフラメンコを見たときもえらく感動したが、今回のケチャダンスも俺的にはすごく面白かったし、見て良かったと思った。

ダンスが終了したのが20:30頃。まだ、夕飯を食べてなかったので食ってからホテルに戻ることにした。今回はどうしても食べたいものがあり、ガイドさんにお願いして美味いお店に連れていってもらった。
どうしても食べたかったものというのは、“バビグリン”というブタの丸焼き。逆さに吊るされ、丸焼きにされたブタの肉を切って皿にとって出してくれる。味の方はというと、肉はまあまあ美味しいが、一緒に出てくる皮は相当脂っこい。結局、皮だけは全部食い切れず残してしまった。

ホテルに戻ってきたのは22:00頃。朝から出ずっぱりだったので、さすがに疲れた。けど、目的が果たせたので満足満足。
フロントの前でガイドとドライバーとお別れ。2人ともいい人だったおかげで、すごく充実した1日がおくれたと思う。感謝感謝である。
しかし、ウブドという街はとても雰囲気のいいところだ。クタやレギャンとは全く違い、のんびりしていて、とてもリラックスできる。バリへのリピーターは最終的にウブドに落ち着くというが、これは非常に納得できる。
まあ、ただ今日はウブドの街自体をゆっくり見て廻れなかったので、時間があれば明日にでももう1度行って見ようと思う。

部屋に戻り、少し休憩した後はバリに来て初めて繁華街へ飲みに行くことにした。
実は今回、同じ時期に従妹が友達2人と3人でバリに遊びに来ており、ホテルも俺らのホテルから歩いて3分という近さにあるので、一昨日の時点で連絡を取り、飲みに行こうと約束をしていた。
部屋で少しくつろぎながら、従妹に電話をすると部屋まで迎えに来いとのこと。しょうがないので、ホテルまで迎えに行き、そのままレギャン通りへ出て、飲める店を探すことにした。この後、俺の海外旅行史上もっとも最悪な出来事に遭遇することになるのだが...

従妹は(その友達も)俺より4or5歳下で、どっからどう見ても正真正銘の非の打ち所のないギャルである(本人は違うと言い張るが)。当然のことながら、見た目も派手だし、うるさいし、とにかく目立つ。友達も右へ習えだ。
店を探しながらレギャン通りを歩いていると、サーファーっぽい日本人のおにーちゃん達に先を歩いていた従妹の友達2人が案の定声をかけられた。その時、俺は全く気付いていなかったのだが、相手はどうやら相当酔っ払っていたらしく、声をかけるというよりは絡むという感じだったらしい。
それに気付いたさかもがツカツカツカと歩いていき、軽く払いのけてその場はそのまま通り過ぎた。
しかし、しばらくするとそいつらがごみ箱を持って追っかけてきたのである。全く状況を把握してない俺は全然訳がわかんなかったのだが、しばらく様子を見ててようやくことのあらすじを理解することができた。
相手は男4人。相当酔ってるらしく、大通りのド真ん中にも関わらずギャーギャーわめいている。とりあえず、冷静に話して、適当に謝っておけば、外国に来てまでトラブルを起こすほど相手も馬鹿じゃなかろうし、大事にもならんだろうと思い、割って入ったのだが、相手は俺の想像以上に馬鹿だった...
割って入った俺もあれよあれよという間に絡まれる始末。周りにはたくさんギャラリーが集まってきてるし、従妹達は泣き始めるし、もう最悪の状態。どうやったらこの場を脱出できるか頭をフル回転させるが、相手側に冷静に話せる奴がいないのでほぼお手上げだ。隣りのさかもを見ると、こいつにしては良く我慢してるが、そろそろ限界のような気がする。手を出したりでもしたら、それこそ収拾がつかないだろう。
「はぁ〜、俺はバリに来てまで何をやっているんだろう。しかも日本人同士で。おまけに、すげー見世物になってるし...」とあまりの恥ずかしさにブルーになり始めたその時、現地の人が間に割って入って止めてくれた。すぐ近くで見てるのは気付いていたのだが、見るに見かねてという感じだったのだろう。俺的には「間に入るなら、もっと早く入ってくれ!」という感じだったのだが、まあそれは贅沢ってものである。
なにはともあれ、最悪状況からは脱出できた。助けてくれた人には素直に感謝である。それと、最後までキレずに我慢してくれたさかもにも。

とりあえず、雨も降ってきたのでお店に入り、お酒を注文。気持ちを切り替えて楽しく!という訳にはいかず、雰囲気は暗いまんま。さかもは怒りでワナワナしてるし、俺もとてもはしゃぐ気分にはなれず、少し飲んでホテルに戻った。

常識のないバカ達のおかげで、思いもよらない思い出を作るはめになってしまった。ウブドの余韻なんてどこへやらである。
かなりむかついてしょうがなかったのだが、明日も早いし、相当疲れていた(させられた)ので、忘れる意味も込めてさっさと寝ることにした。



4日目 3月18日(日)

今日は朝からイルカウォッチング。HISのツアーに始めからくっついていたもので、最初は魅力がなくキャンセルしてたのだが、やっぱりもったいなくなって参加することに決めた。
さすがに昨日の今日ということでイライラは治まらなかったのだが、引きずってももったいないだけなので、なるべく気にしないようにした。

主催会社が2日目に釣りを頼んだ会社と全く同じだったので、釣りの時と同じようにヌサドゥアビーチまで移動し、そこからボートに乗り込む。参加者は全員日本人で20人ぐらい。
前回のボートより倍ぐらい速いスピードで移動。30分ほどでイルカの見れるポイントに到着した。
スタッフが急に「左、左」と言い始めたので左を向くと、5,6匹のイルカの群れが見える。一瞬「おぉー!」と思ったのだが、あまりにも簡単に見つけることが出来たので拍子抜けしてしまった。しかも小さい。高知でクジラを見に行ったときの方が全然感動した気がする...
せっかくだし、写真を撮ろうと思いカメラを構えるのだが、イルカのスピードに合わせてゆっくり船が動くため、船酔いをしてしまい写真を取るどころではなかった。(俺の前の女の子は海にゲロを吐いてた)
そんな状態が何分か続くと、もうイルカどころじゃなく、早く陸に戻ってくれという感じ。今にも昨日のバビグリンが出てきそうになったのだが、何とか我慢できた。
イルカウォッチング自体は1時間ちょっとで終わり、午前中のうちにホテルへ。やっぱりキャンセルしたままにしておけば良かったと少し後悔...

午後からはもう1度ウブドへ。昨日はウブドの街自体そんなに見てないし、お土産もほとんど買わなかったので、今回はその辺が目的。
ホテルで休んだ後、13:00頃にタクシーを呼んで出発。移動中、ものすごいスコールが降ってきて、ほんとにこれで廻れるのか?と心配になったのだが、ウブドに着く頃には大分小雨になり、少し歩いているうちにすぐ止んでしまった。
とりあえず、昼飯を食ってなかったので、まずはランチ。3日目にしてようやくちゃんとしたナシゴレンを食べたのだが、すごく美味しかった。
一休みした後は自転車を借りてウブドの街を廻ることに。今回は地図をさかもに渡して、彼に全てを任せることにした。大丈夫だろうか?と少し心配...
まずは、昨日の移動中に写真を撮りたいと思っていた田園風景を見るために、中心部から少し外れ、それを見てからぐるっと廻って戻ることに。
写真を撮り終え、さて一回りして戻ろうと坂を登る。地図によれば途中で交差点があり、そこを左に曲って中心部に戻る予定だ。とりあえずさかもについて自転車をこぐ。
最初のうちは「眺めはいいし、いい運動だ」と思いながら快適に走っていたのだが、いくら登ってもその交差点が現れない。30分走っても、40分走っても全然なし。おまけに坂はきつくなるわ、見たことのある風景だわで(昨日、キンタマーニ高原からブサキ寺院に行くのに通った道だった)、さすがに1時間坂を登り続けたときは半ギレ状態。
ようやく途中で休憩していた白人に道を聞き(田舎の現地人は英語が一切通じないため、道を聞こうにも聞けなかった)、そんな交差点などとっくに通り越していることが判明。(キンタマーニ高原の近くまで来ていた)さらに、自転車を返す時間が迫ってきてることに気付き、結局登ってきた坂をそのまま下るという、無駄な時間を過ごしてしまった。
2時間近くかけて登った坂が、帰りは30分ちょっと。さすがにこれは虚しかった...
最終的に返す時間には間に合ったのだが、ものすごいスピードで自転車をこいでいたので、もう半端じゃなく汗だく。しかも借りた自転車には泥除けがついてなかったため、俺の背中はさっき降っていたスコールのせいもあり、泥だらけになっていた。この時点でもかなりご立腹。まあ、前半は楽しかったし、確かに地図はかなり分かりずらかったので、さかもに対してキレてた訳じゃないのだが...

当初の予定としては、この後はゆっくりお土産を買って、昨日とは違う舞踊を見るはずだったのだが、舞踊の時間が迫ってきていたため、お店で少し休んだ後、急いでお土産を買って舞踊の会場に向かった。
今回見る舞踊は“レゴンダンス”。楽器を使ったガムランというバリの音楽に合わせて踊るダンスで、ケチャダンスとは趣向が全然違う。
全体的な印象としてはワンパターン気味で途中で飽きてしまいそうな感じだが、やはり音楽があると迫力があり、魅き付けられる。途中で席を立つ客(特に白人)も少なくなかったが、俺は最後まで楽しんでみることが出来た。確かに見終わった後はケツが痛かったが...
見終った後は昨日のオプショナルツアーの運転手さんが迎えに来てくれて、ホテルまで送ってくれた(もちろん有料。でも、安かった)。
レギャンに戻ると、俺らがウブドにいる間、こっちでは豪雨だったらしく道路が浸水。強引に突っ切ると、車体の半分ぐらいまで水に浸かり、エンジンが止まってしまった。しょうがないので、外に出て押し、後ろの車にバンバンクラクションを鳴らされながらも、どうにかエンジン復活。今回の旅はほんとにいろんなトラブルにあうもんだと改めて思った。

朝から晩まで、まるでリゾート地にいることを感じさせないハードワークのおかげで、夕飯も食いにいく気にならない。とにかく疲れており、動く気にすらならない状態だ。そんな訳で、俺は風呂、さかもはさすがに腹が減ったらしく、俺が入ってる間に目の前のマックに飯を買いにいった。
風呂から上がって、ベッドでゴロゴロ。すぐにでも寝てしまいそうである。だが、目の前に買い物に行ったさかもがなかなか帰ってこない。そのうち戻ってくるだろうと思っていたが、1時間が過ぎ、2時間が過ぎ...なんだか嫌な予感がする。
さすがに心配になって探しに行こうかと思ったのだが、鍵は奴が持ってるし、出るに出られない。
もうこれ以上はやばいだろうと、出ようとしたその時、奴が何事もなかったように帰ってきた。しかも「心配した?」などと呑気なことを言ってる。この後、何やら一生懸命、帰って来れなかった説明をしていたが、ムカッと来ていたのと、ホッとしたので、半分以上は聞いていなかった。
とりあえず説明し終えるとさかもはまた外へ。一体なんなんだ?とその時は思ったのだが、後でゆっくり聞いたところによるとこういうことだったらしい。
外に出たさかもは急に誰かに呼び止められた。その方向を見ると、昨日助けてくれた現地人がいて、呼んでいる。昨日のお礼を言うために近づいていくと、その彼の他に俺らと同じ歳ぐらいの女の子2人組も一緒にいて(現地人の奥さんが日本人でその知り合い)、昨日のことを話してたら、そのまま盛り上がって飲み始めてしまったということである。
それならそうと、俺をさっさと呼びに来ればいいのだが、なんか知らんがその場を離れられない状況だったらしい。そうは言っても、2時間も心配しながら待たされた立場とすると、納得できないものがあるのだが...
助けてくれた彼は、実はバリでホテルを5,6軒経営する “裏のドン”みたいなすごい人なのだそうである。彼いわく、「最近、日本人観光客、特にサーファーらしき人達のマナーがかなり悪い。」とのことだった。やはり、韓国を抜いて渡航先No.1ともなると、そういう人間も増えるのだろうか?とりあえず、俺も近いうちにもう1度バリに(特にクタ・レギャン)来る気にはなれない。

結局、次の日にその彼、女の子達と一緒に海に行くことになったらしい。まったくちゃっかりしてる。まあ、さかもが帰ってきたときは俺はもうすでに半分意識がなかったのだが...



最終日&帰国 3月19日(月)

とうとう最終日。今日の夜にはバリを出発である。
今日は昨日の約束どおりみんなでビーチへ。8:30過ぎにホテルまで迎えに来てもらい、ヌサドゥアのビーチへと向かう。実は、昨日ろくに話を聞いてなかった俺は、一緒に行く2人が女の子だとこの時初めて知り、かなりびっくりした。
今日は最終日ということもあり、ビーチでの目的は日焼けと昨日までの疲れを取ること。それから午後からはマッサージに行き、1日中リラックスする予定を立てていた。
ビーチにつき、早速デッキチェアーに寝転んで日焼け。寝不足もたたり、早くもうとうと気味である。
このまま昼までゆっくりしたい気分だったのだが、どうやらそういう雰囲気ではないらしい。純粋な好意なのか?半強制なのか?はよく分からないが、連れて来てくれた彼が「マリンスポーツ何やる?安くしてやるから。」と言ってくる。マリンスポーツなんぞ、全くやる気がなかったのだが、ここまで連れて来てもらった訳だし、それになんと言っても一昨日の借りがあるので、とても断ることはできない。嫌な不安が的中って感じだったのだが、しょうがないので値切れるだけ値切って、俺がウェイクボード、さかもがジェットスキーをやることにした。
十数分後に準備完了ということで、早速開始。ウェイクボードとはスノボのような板をつけてボートに引っ張ってもらい、水面を滑るというスポーツである。
かれこれスノボ歴6年だが、当然ウェイクボードは初体験である。でも、スノボと勝手は違いながらも(重心のかけ方など)立つ自身はあった。
実際に板をつけてスタート。思った以上に引っ張られる力が強かったのだが、1発で立ち上がることに成功。その後も無難にこなすことが出来た。インストラクターのにいちゃんも、ボートに乗ってるその他のにいちゃん達も「おぉーっ!!」と驚きの声。「どうだ見たか!俺様の実力を!!」と早くも天狗。だが、調子に乗ってたのもほんのつかの間。カーブでバランスを崩し、すぐさま放っぽり出された。
大量に海水を飲んだが、すぐさま2回目。今回も立ち上がるのは無難にこなし、後は重心のかけ方とバランスに注意して滑る。途中からコツがつかめてきて、今回はカーブも上手く曲がることが出来た。ただ、調子に乗ってジャンプしたところで大転倒。やっぱり何ごとも基礎が大事ということらしい...
3回目。すでに握力がなく、引っ張られてるだけでも辛いのだが、安定して、多少余裕が出てくると、すごく気持ちいいし、めちゃめちゃ楽しい。最後は腕の力がなくなって前に重心がかかってしまったところで転倒。これ以上は板を外すことすらできないぐらい握力がなくなっていたので、終わりにすることにした。
初めての体験だったが、めちゃめちゃ楽しかった。インストラクターのおにいちゃん達も、「初めてにしてはびっくりするぐらい上手いよ。」と(お世辞かもしれないけど)誉めてくれたし、俺自身も初めてでここまで普通にできたスポーツは久しぶりだった。
まあ、結果オーライはそのとおりなのだが、今回は運が良かったということで、よしとしよう。

運動した後は昼までゴロゴロしたり、海に入ったりとリラックス。そろそろ、マッサージに行きたく、何気なく言ってみたのだが、「あんなもん高いだけ。ここでもちゃんとできるよ。」とのことで却下。ほんとはシャワーを浴びて、ちゃんとしたマッサージを受けたかったのだが、「はい、お先」と帰る訳にもいかず、結局ビーチのマッサージで我慢することにした。何だかいいんだか、悪いんだかである...
一応、専属のマッサージ師がいるらしく、2人がかりでオイルマッサージをしてくれる。体についた砂がこすれてちょっと痛いけど、気持ちいい。1時間たっぷりやってくれて、確か500円ほど。かなり安い。
まあ、確かに安くて、気持ち良かったけど、ちゃんとした店だったらどうだったか?やっぱ体験してみたかった。

15:00近くまで海で過ごし、ホテルに戻った(右の画像はホテルの外観)。
仲良くなった女の子達とは家が近いこともあり、アドレスを聞き、帰国後連絡することを約束。連れていってくれた彼にも、もう1度、一昨日助けてもらった分を含めてお礼を言い、別れた。
部屋に戻りとりあえず休憩。しかし、チェックアウトは17:00、ピックアップの時間は18:00なので、意外と時間がない。帰り支度は何にもしてないので、速攻でシャワーを浴び、片づける。

支度を終え、チェックアウトをし、ピックアップの時間まで暇を潰してから空港へ。
空港に着き、搭乗時間まで時間を潰すのだが、どうやら日焼けをし過ぎたらしく強烈に寒気がする。まあ、サンオイルも塗らず、あれだけ直射日光を浴びれば当然なのだろうが、ちょっと迂闊すぎた。周りは半袖の世界なのに、俺はトレーナーを着て、ホットティーを頼む始末。頭がボーッとして、熱があるみたいだ。とにかく早く席に着いて眠りたい。
時間になり搭乗。早速、毛布を2枚もらって、機内食(やはりウナギはなかった)を食べることもなく日本に着くまで寝続けた。
エコノミーの狭い席で、十分休むことが出来たとは言えないが、とりあえず十分温かくして寝た甲斐があって、日本に着く頃には熱も下がり、寒気も治まった。

成田についた後はバスの発車時刻まで時間潰しをし、帰宅。そういえば、ちょうど俺らが成田に着いたとき、サッカー日本代表がフランスとの親善試合で渡仏するために成田に到着したところで、ロビーはマスコミやファンでごった返していた。(俺の赤いトレーナーがその日のニュースで写っていた)
地元についた後は、食欲はなかったが飯を食ってさかもと別れた。


今回の旅は、さすがさかもとの旅だけあって、いろんな出来事があった。ただ、楽しい思い出、いい出会いがあった反面、悪い思い出の数としては今までで最悪である。これだけむかつくことが多かった旅も今までに記憶がない。まあ、全てはあの絡んできた日本人のせいなのだが。
予期せぬトラブルのため、バリに対してはネガティブなイメージを持ってしまったが、純粋にリゾートとしてのバリを見ると、十分行く価値はあると思う。飯はうまいし、物価も安い。ビーチもヌサドゥアなんかはすごく奇麗だった(伊豆七島の方が奇麗だったが)。それになんと言ってもウブドが素晴らしい。クタやヌサドゥアなどのビーチにはあまり思い入れがないが、ウブドにはじっくりもう1度行ってみたいという気持ちがある。
ただ、やはり日本人が多すぎる。単にリラックスしたいというだけならいいのかもしれないが、これだけ周りに日本人がいると、雰囲気も何もない。海外に来ているという実感もあまり沸かないし、楽しみも半減だ。おまけに現地だけじゃなく、飛行機の中でのマナーも最悪に近い(着陸間近で携帯の着信音を鳴らしてる奴がいた。まだこんな馬鹿がいるのかとびびった)。そんなものに気を使うのはほんとにバカバカしい。今回、そのことがほんとによく分かった。
次回はやはり大好きなヨーロッパに行きたい。それか、時期をずらして近場のアジアか(管理人注:佐治君は結局10月初旬にドイツとオーストリアに行きました)。

余談
焼き過ぎたと思っていた日焼けだが、やはり洒落にならなかった。1週間近く風呂に入るのは辛かったし、あまりの黒さに親には「ラッツ&スターみたい」、友達には「AV男優じゃん」と言われる始末。おまけに、会社に行く途中で周りの目線を感じつつも、リクルートスーツを着たねーちゃん達に指差して笑われたのにはかなりへこんだ...
まあ、その黒さも2週間後にはほとんど元の色に戻っていたのだが...



このHP内のバリ島日記

スパ、ラフティング等々バリ島満喫てんこ盛り日記、OL3年生ちえちゃんの
「バリ バグース!!」4ページ、99/9

バリ3回目、新人サラリーマン菊池君の
「親孝行バリ島リピーター日記」2ページ、99/10