2.持続都市の変容 |
次に,日本測地系のデータにもとづく分析によって,1970年から2005年までの間,比較的人口の増減が少ない持続都市に分類された都市地域の,2015年と2020年のデータを加えた世界測地系による分析の結果について見ていきたい.27あった持続都市のうち,やはり人口の増減が見られなかった都市が14,人口が増大した都市が5,人口が減少した都市が8であった.
人口が増加傾向に転じたのは,高崎,四日市,久留米,宮崎,沖縄の5つである.
これにたいして,人口が減少傾向に転じたのは,山形,新潟,高知,別府,呉,横須賀,宇治,佐賀の8つである.
このうち,横須賀,宇治,佐賀の3つは,大都市圏周辺の都市であり,人口が頭打ちないし減少に転じた拡大都市と同じ立地である.
また,山形,新潟,高知については,それまで人口を維持してきた地方中核都市であり,いよいよ人口の維持が困難になってきたと思われる.
その他,人口の増減が少なく持続都市として維持されている14の都市地域には,盛岡,長野,高松,金沢,鹿児島などの地方中核都市や,静岡,浜松,豊橋などの東海地方の都市,鎌倉や京都,さらに若干人口を回復しつつあるが,大阪神戸などの都市地域が含まれている.
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放送大学 教養学部
社会と産業コース
玉野和志
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