キンキイタチシダ(オオイタチシダ)(オシダ科オシダ属)  大鼬羊歯
          Dryopteris hikonensis

(特徴) 常緑性。根茎は短く斜上。葉柄は褐色、下部で暗褐色、基部に線状披針形、黒色〜黒褐色の鱗片がつく。葉身は卵状楕円形の3回羽状複葉、光沢がある濃緑色の硬い紙質で、先端はやや急に細くなるがホコ状にならない。最下羽片の後側第一小羽片は大きく有柄で、小羽片先端の辺縁に小さい鋸歯があり、羽軸裏に鱗片基部が袋状のものがほとんどなく、扁平のものが多い。胞子嚢群は小型で、小羽片の中肋と辺縁の中間か、やや辺縁寄りにつく。低山地から山地の林縁で見られる。ナンカイイタチシダによく似ており、葉柄基部の鱗片が黒褐色、葉身は光沢のある深緑色、葉身先端はホコ状にならない点で区別ができるが、ナンカイイタチシダと殆ど同じものもある。 山麓から山地までの林縁の斜面で普通に見られる。種内変異型としてツヤナシオオイタチシダアオニオオイタチシダがある。
(撮影・2018年2月26日、堺別所)
 最近の堀清鷹氏の研究でオオイタチシダ中に三つの遺伝子型が確認さ、いずれも雑種起源で、キンキイタチシダ(ナンカイイタチシダ×モトイタチシダ)、イワオオイタチシダ(ナンカイイタチシダ×モトイタチシダ×イワイタチシダ)、ベニオオイタチシダ(ナンカイイタチシダ×モトイタチシダ×ハチジョウベニシダ)の3種類に分けられた。
(お断り)オオイタチシダの名前がキンキイタチシダに変更となるが、検索の混乱を避けるためオオイタチシダとする。また、過去に遡って種の特定できない観察テクテク記内の表記には広義のオオイタチシダを使用している。


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