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Last Update 2004/02/06

哀悼

辻内鏡人さん

1954-2000

ひきつづき情報を求めています

Email 中野聡

電話 歴史共同研究室

042-580-8918


Amstud(辻内ゼミ)ホームページ

ひきつづき辻内さんへの弔いのメールをお受けします

 


2000.12.20

ビラ配布行動のしめくくりにあたって

2000.12.20

辻内さんの人柄を伝える朝日新聞・多摩版9段抜きの記事

2000.12.10

辻内さんの死を悼む全ての友人の皆さんへ

2000.12.7

 辻内さんが亡くなられたことについてのお知らせとお願い 社会学研究科長・事務長の声明(社会学研究科HP)

2000.12.10.

辻内さんの死を悼む

全ての友人の皆さんへ

一橋大学社会学研究科の中野聡です。このたびは、辻内鏡人さんの不慮の死に際して、弔いのメールあるいは様々のお便りをいただきました。僭越ですが故人に代わり、深く感謝申し上げます。ご家族には御通夜の席にてお伝えしましたが、その後も続々といただいている弔いのメールにつきましても、私から必ずお伝えいたします。

遠方のご参会になれなかった方も多くメールを寄せてくださいましたので、この際、ご報告申し上げます。2000年12月8日、明月の夜、国分寺市東福寺むさしの斎場にて、辻内鏡人さんの通夜が無宗教にて営まれました。ご参会者は1000名を超えました。12月9日、穏やかで暖かい小春日和の青空の下、同じくむさしの斎場にて告別式が営まれました。同様に多数のご参会者に辻内さんを送っていただきました。辻内さんの不慮の死の理不尽さへの怒りと深い喪失の悲しみに震えるひとりひとりを優しく腕に抱きとるような好天でした。

9日午後、辻内さんは、ご家族・ご親族そして多くの友人たちに見守られて、灰と、そしてとてもきよらかな骨に還りました。

衣子さん、千織さん(17)、彩さん(13)は、本当に気丈に振舞われていました。葬儀は職場の仲間、院生・学生たちの素晴らしいチームワークで、滞りなく行うことができました。

本当に僭越ですが、私の若干の感想を述べさせてください。辻内さんとは、1983年に私が(一橋)大学院サブゼミとして本田創造先生の東中野の自宅で行われる自宅でのゼミに通い始めて以来の付き合いでした。それ以来、彼の存在感とその印象は、私の中で全くブレることがありません。本当に「気持ちの良い」先輩であり、仲間であり、同僚でした。私は彼が、私のような者のためにも、そして誰のためにも、それが正しく必要なことだと思えば、本当に私心なく戦ってくれたことを知っています。そしてどんなに戦っていても、辻内さんのほがらかな印象は崩れることがなかった。彼は論敵に愛される批判者でした。

私は彼の人間と学問とを深く愛する人々からの多くのメッセージを受け取り、仲立ちさせていただきました。だからこそ、私にはもう何もつけ加えて申し上げることはありません。私のような者にも労わりのメッセージを多くの方からいただきました。感謝します。偶さか彼の同僚であることによって、彼の死をめぐり様々の仕事をさせていただいていることを、私は本当に誇らしく名誉なことだと思っています。こうして立ち働いていることが、今このとき、私には本当の喜びです。

突然の訃報に接した4日の深夜から、今の今まで、私の頭の中では、辻内さんの、心地よく、温かい、いつも上機嫌の美声が鳴り響いています。悲しみを和らげるためにこの社会が発明したのだろう葬祭のあれやこれやに「てんてこまい」に駆けずり回っている、私や、同僚や、助手の皆さん、学生の皆さんと一緒に、まるで彼も軽口をたたきながら「伴走」してくれているような気がします。もちろん、本当に彼がすぐ私の隣にいたら、私が今いちばん彼に言いたいのは「辻内さーん、この忙しいときに!」の一言なんですが。こんな言い方ができるのも同僚の特権と知っています。

さて、多くの方が、これからのことを心配されていると思います。事件の捜査のこと、ご家族の今後、彼が残した仕事のこと、院生・学生のこと、その他多くのこと。

今、言えることは、すでにこれら全てについて私たちが作業を始めており、これから皆さんに伝え、お願いすることがたくさんあるだろうということです。しばしお待ちください。

今は、どうか皆さんも、難しいことかもしれませんが、しばし心を穏やかにして、故人と気持ちの良い心の対話をしてみてください。私も、つまらない談笑の記憶、そして葬儀をつつんでくれた小春日和と彼が幼少を過ごした串本の潮風の香りを観想して、心の平和を取り戻したいと思っています。

2000年12月10日

中野 聡

著作権等の情報

 
186-8601 国立市中2-1
一橋大学社会学研究科
中野 聡