日本における過去の飲料水中フッ素の検討 (文責 杉田)

 

日本においてフッ素による代表的な被害地域である宝塚市、上水道にフッ素を添加した京都市山科地区、及び三重県朝日町について検討を試みた結果以下のことが言えそうである。

1)飲料水フッ素濃度が 0.5ppm程度を超えると、斑状歯の重症度が増す。

2)飲料水フッ素濃度が0.3〜0.4ppm程度以下については明らかでないが、0.8ppm前後に閾値があるという傾向は見られなかった。

3)飲料水フツ素濃度が齲蝕に対して、生活習慣より大きな影響を持っているわけではないこと。

4)0.6ppmの上水道フッ素添加では第一大臼歯のう蝕羅患をやや低下せしめたようであるが、白濁様歯牙の発現もやや増加せしめたようである。

5)0.6ppmの上水道フッ素添加では第一大臼歯の重度の齲蝕が少なくなっていく傾向が認められた。

 これらの点から飲料水フッ素濃度が0・5ppm程度を超えると、斑状歯の重症度が増し、0.6ppmの上水道フッ素添加では齲蝕の抑制効果は顕著に認められないことになる。すなわち、斑状歯の発生を抑え、齲蝕抑制を期待する上水道フツ素添加濃度は存在しないことになる。

1.宝塚市における斑状歯間題

2.京都市山科地区

3.三重県朝日町