3.三重県朝日町

 1967年11月から1971年9月までの3年9ケ月間、試験的上水道フッ素化(0.6ppm)が行なわれた。その後、学校保健法に示す方法に従って行なわれた資料を基に調査が行なわれた。

検討項目は以下の2点で

 @ 7歳児の乳臼歯の齲蝕羅患の状態

 A 第一大臼歯の齲蝕罹患状態。

 対象人員は@に関してフッ素添加地区89名、対象地区432名、Aに関してはフッ素添加地区145名、対象地区593名であった。考察は『くり返すことのできない、限られた条件下の状態から、能う限りの有益な情報を得るように努力する責務も課せられている』という観点から述べている。

 そして、結論として

 @ 乳臼歯う蝕羅患状態についてはdf歯所有者率、1人当り平均df歯には差はみとめなかったが、df所有者の内5〜8歯を所有する者の割合が対象地区に比べて少なくなっていく傾向をみとめた。

 A 第1大臼歯う蝕羅患状態についてはDMF歯所有率、1人当り平均DMF歯には差をみとめなかったが、フッ素化地区はDMF歯中およびD中のC3+C4歯の割合が、対照地区に比べて、少なくなっていく傾向にあることをみとめた。

 B フッ素化が持続されていれば、さらにこれらの傾向が明瞭になって来るであろうと考えられた。白斑については今回は調査・分析しなかった。