公園として整備され、観光客で賑わう金沢城公園。実は、金沢城公園は整備されてまだ20年ほどしか経っていない。というのも、この金沢城公園、以前は金沢大学のキャンパスだったのである。
金沢城公園にある石碑。「金沢大学誕生の地」と記されている。
城郭全域を大学のキャンパスにするのは大変珍しく、金沢大学以外ではドイツのハイデルベルク大学ぐらいであったそうだ。そもそも、金沢城公園は時代とともに宗教・政治・軍事・学術の拠点として移り変わってきた歴史を持つ。幕藩体制が終わりを告げ、明治に入ると、金沢城跡には陸軍第九師団司令部や歩兵第七連隊などが第二次世界大戦終戦まで置かれた。
戦後は昭和二十四年(1949)に金沢大学の丸の内キャンパスとなり、お城の大学として親しまれていた。
その後金沢大学は、丸の内のほか、小立野地区に点在していた学部と併せて角間地区に総合移転することが決定し、平成元年(1989)の法学部・経済学部・文学部の移転を皮切りに、1995年には「お城のキャンパス」は完全に姿を消した。
1996年には石川県が金沢城跡を国から取得、以降金沢城跡は公園として整備され、復元事業も進むことになった。
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