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雑 記 帳  |
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荒海や 佐渡によこたふ 天河 |
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1689年8月18日、松尾芭蕉が出雲崎で詠んだ句である。
出雲崎は生まれ故郷柏崎のとなり、良寛誕生の地でもある。
「佐渡と越後は竿さしゃ届く」と歌われるほどの佐渡ではあるが、佐渡島が鮮明に見えたという記憶がない。
記憶にある佐渡島は薄ぼんやりとしている。
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この句はちょっと不自然なところがある。詠まれた季節は夏である。夏の日本海に「荒海」はにあわない。
台風などがない限り小さな子供でも海遊びができるおだやかな海である。
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天の川はよこたわない。
この点を問題にしたひともいるようだ。この句を詠んだ8月の中頃、天の川が佐渡の近く輝くのは朝方であり、しかも、天の川は佐渡に突き刺すように垂直にみえるという。このことから芭蕉は本当は星空を見ていなかった。
「佐渡島」「日本海」「天の川」からイメージされた句だというものである。
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