1歳半で阪神大震災で天国へ旅立った息子と生きていてくれた娘のために

 

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2004/1/17 ◆サイトリニューアル 以前のページへ

〜出版前の想い〜

出版を目の前にして色んなことを考えました。

私がきょうだいを亡くした子供たちの心のことを
声に出している事で優ちゃんに余計な感情を
植え付けているような気がしてなりません。
いわば、眠っている子を起こすという状態です

きっと、ゆうちゃんも心の奥底には色んなものを
抱えて生きていてるけれども
「それを出せない苦しさ」さえも今は感じていいないとすれば
このように正面からそのことを突きつけられて
苦しさを無理やり押しつけているような気がしています。

今の日常の生活のまま母親として色んなことをしてあげるほうが
優ちゃんのためにいいんじゃないかなって思いはじめています

ある子供の心のケアの講習会を受けたときに言われました。
『本当に傷ついている心の中を本当に癒すのは
(心の奥底の感情をひきさすためには)母親じゃ無理だ』と・・・。

今後もし、いろんなことが表面化してきたときのために
きちんとした相談の窓口を作ってもらう必要があるのかもしれません


わずか10歳の優ちゃんはどんな思いで
これを受け止めていこうとしているんだろうって
考えている今日この頃です


昨日「積み木くずし」を書いた穂積さんのお嬢さんが
なくなったというニュースを見ました
穂積さんがインタビューで言っていました

『娘の事を書いた「積み木くずし」が売れたことで有頂天になって、
教育評論家と称してテレビなどで語っている父親を見ていた娘が、
実際の生活と『積み木くずし』の本の間で苦しみ、
有頂天になっている父を困らせるために覚せい剤などを使用し、
その結果として体を壊してしまい35歳の若さで人生を終わらせてしまった。
娘の死は私の責任です、』と。
その話を聞いて心が痛くなりました。

今、私がやっていることやろうとしていることは
優ちゃんのためにと思ってやっているけれど
本当はどうなんだろうって・・・

結局は自分が、震災で生き残ってしまったこと
その後も、将君のもとへ行くことができず生き続けている
そんな自分が将君に申し訳なくて
生きていることを正当化したくて、生きていることの言い訳として
「人生をどう生きていくかを見つけることが
自分の生きる方法だ」と思い頑張っている
それだけなのような気がしています。

自分の中でこれをすることが優ちゃんのためになると
勝手に信じてがんばってやっている今、
そのことでテレビや新聞の取材を受けて、その波に乗って進めていく事が
優ちゃんにとっていいことなんだろうかと考えています

でも、もうその船は進み始めているんですよね

考えても仕方ないのかもしれない
やり始めて気がついたことをその時その時で
訂正して方向を変えていく勇気も持ちながら
やっていくしかないのかもしれません


メディアの力を借りないとできない事はたくさんあるし
上手に借りる事で前に進める事もあると思うけれど
自分を見失わないようにしないといけませんね

自分だけじゃ、足元が見えなくなってしまうから
その足元を見ることができる光りを
みんなが照らしてくれるそんな関係でいられる仲間が必要です

結果は、時間が経たないと出ない、だから試行錯誤しながら、
少しでも子供のために考えてあげなくちゃって思っています

ああ。。。これって考えすぎ?本当はもっともっと力を抜いて
やっていけばいいのかもしれないね

2003年9月4日

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