さまざまな症状で精神が不安定なとき、その絶望と孤独感は
人にはわからない、ものすごい負のエネルギーとなって襲ってきます。
 癌になったのがその人のせいでも努力がたりないのでもなく
自らが命を存続させていくがための、体の最終的対応であるように
精神の病もけっして努力がたりないからではないのです。
心がなんとか生き延びようと、自らの手で命の綱を断ち切らないよう
懸命にがんばっている、生きのびるための対応なのです。
 精神的なものほど、人の心からの理解は得られにくいものです。
人の心の内ほど、つかみどころのない雲みたいなものはないのですから。
周りからみれば本人が怠けているように映るかもしれません。
でも、がんばりが足りないとか努力や意気地がたりないという発言は
心が病んいでる人の気持ちを、尚一層深く刺し、傷つけることになるのです。

 大切なことは症状を抑え、封じ込めることではなく、はき出していくことです。
そして自らが、家族が、周りにいるかたがたが
ひとつひとつ認知して受け止めていくことです。
包み込んで、心から情をもって優しく見守ってあげることなのです。
 自分自身が今の症状をなんとか改善したいと願うならば、
自分の体に、生まれながらにして備わっている
本能、生命カン、自然治癒力を絶対に死滅させないことです。
「病は気から」 生命のカンをもってこそ心が、気持ちがすこやかに
なれるのです。病を治すための第一歩になるのです。
 心がバランスを崩しているときにも、体は一生懸命生きようとしています。
今の自分の姿を否定するのではなく、あるがままを受け入れ
自分自身がまず放棄しないで見守っていくことです。
 不眠も、倦怠感も躁鬱感もみんなつらく大変なことばかりです。
音楽を聴いたり、リラックスできるお茶を飲んだり、
気のおけない信頼できる先生に体を整えてもらったり、、、心安らげる人と
会話して過ごしたり、自然にふれたり、、、そんな無理のない
何気ない時間を過ごしながら、心の病と向き合い共存していきたいものです。

 人間の心には、ほんの少しのあそび、ゆらぎの部分が必要です。
ゆらぎの部分がない張りつめた心の糸は、いつか必ずプツンと
音をたてて最後には切れてしまうものです。
心と脳は深い関わりをもっています。心と体はひとつにつながっているのです。
心の糸、命の綱、脳の血管が断ち切れてしまわないように
今、自分にできる一歩から少しづつゆっくり、共に歩んでまいりましょう。。。
             
          2002年 11月21日    記:内田多美子
    トップページへ          疲れているかたのためのページ(食品館)   

   女性にやさしい食材(食品館)  夜尿症のページ(子ども介護用品店)