エルサレムからのHOT NEWS
−イスラエル・パレスチナの紛争の解決を願って−

この記事はイスラエルより発信されている「NONVIOLENCE (非暴力)」のホームページより、製作者 ラエド・アブサリア神父様の許可を得て「聖地のこどもを支える会」で翻訳したものです。


オリーブ・ブランチ NO.195
2003年3月18日 火曜日

アブサリア神父のメッセージ
「インタビューシリーズ ― バーナード・サベラとのインタビュー」
「心配するパレスチナ女性」 サミア・コウリー
「レイチェル コリィの死の真相」
トワーヌ・ファン・テーフェレンによるベツレヘムだよりNO.50

親愛なる友人、兄弟、姉妹の皆さん、
 イラクの戦争について、次の日には何が起こるのかと大きな心配で見守っておられると思います。遠く離れていてもここでもみんなが心配しています。重大な結果を私たちに及ぼすだろうと多くの人々が心配しているからです。なぜ? 私たちは3つのことが起こるかもしれないと非常に恐れています。
― 第一次湾岸戦争の間の40日間に行ったパレスチナ地域全体に対する占領
― もしイラクがイスラエルを攻撃しイスラエルが反撃したら起こるであろうこの地域全体における混乱
― ヨルダンへ、またはどこかへの部分的な移動の可能性も含めて、パレスチナの人々へのイスラエルの攻撃のエスカレート
この最後の点は、世界がイラクで忙しい時にイスラエルはこの出来事から利益を得るだろうということを意味します。イスラエルは軍事的攻撃を増大させるでしょうし、望んでいる目的を達成するでしょう。パレスチナの人々を移動させる計画があります、この協議事項を盛り込んだ派閥がイスラエルKnessetにあります。シャロンは、ヨルダンがパレスチナ人のもう一つの国であり母国だといつも言っているのです。海から川(ヨルダン川)までの間に純粋なユダヤ人の国を持つ、という夢のあることを決して忘れないでください。しかし、パレスチナの人々は最近はもう少し目覚め、1948年と1967年に行ったような事をするつもりのないことを私は確信しています。その時は人口の半数がこの国から流出し、現在あらゆるアラブ世界の66の難民キャンプに住んでいるのです。

 戦争はまもなく始まるでしょうし、それを阻止しようとするあらゆる努力は風と共に去りました…。それを最後の瞬間に阻止出来る唯一の人はヨハネ・パウロ二世であると私は今も考えていますし、教皇がバグダットかワシントンへ行き、これは不必要な戦争であるとブッシュとサダムに納得させてほしいと思っています。今日、一人のフランス人議員が人間の盾として教皇にバグダッドへ行ってほしいと言ったのを聞いて驚きました。ドイツ人の友人の一人が、彼は弁護士ですが、この同じ動きでの何らかの特別な成果を得るために今日ローマへ行きました。それには遅すぎると彼に言いましたが、それでも私は彼を励ましました。

 サダムが戦争を避けるため、また国の破壊と多くの罪のない市民の命を守るためにイラクを離れる可能性を私は考え続けています。もし私が彼なら、世界のどこか特にスイスで休養を取り、楽しむためにその申し出を受け入れるでしょう。それは彼に隠れ場を提供するかもしれません。25年もの間、殺されるか捕らえられるか亡命するかという同じ問題の中に彼はいるのですから。サダムを歓迎したイタリアの町の市長という思い付きを私は気に入りましたが、もしサダムがそこに行かずにタイベに隠れ家を提供してこの地域に滞在したいとすれば…、と考えました。ここは旧約の時代に隠れ場の町で、そのためイエスご自身がユダヤ人の反目を感じて死の前にここへ来られたのですから。しかし、この提案を彼は受け入れるでしょうか?もし彼が受け入れたとして、イスラエルは彼が来るのを許すでしょうか?

 ともあれ私は、ここ3日間タイベにカッロ・マリア・マルティーニ枢機卿をお迎えする喜びと名誉をお話したいのです。枢機卿は先週の週末を私たちと過ごされました。ここのフランス人シスターの黙想を指導され、私たちはここの共同体に話をしていただく機会を得たのです。彼はヨハネ11章54節のタイベ/エフライムにおけるイエスとその弟子たちの滞在について短い注釈を行われました。

 わたしはアメリカ人が今イラクに対してしているように、何故イスラエルに何もしないのか分かりません。世界における初めての超権力のこれは二重標準政策なのでしょうか?! 世界の主な問題…パレスチナ・イスラエル紛争の問題を分析するために十分な時間を使ってほしいと思います。世界のあらゆる不安定性の核心がここにあるのです。

 この恐ろしい戦争がまもなく始まるというあらゆる徴候が見えたとしても、始まらないことを願います。もし起これば本当に大惨事です。私たちがほしい最も価値ある贈り物は「平和」であり、特にこの聖地の平和、すべての地域の平和、世界の平和なのです。
この危険極まりない日々に平和を祈りましょう。
タイベより                  

ラエド・アブサリア神父



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