シリーズ無実  6

 

 石川さんは語っています。「刑事さんの言うまま書いた」と。カバンの発見現場の図面というか地図というか、警察が「地図」と言っているものについてです。警察が誘導して(何も知らない石川さんに強制して)書かせたのです。そして筆圧痕の問題です。筆圧痕とはペンなどで書いた紙に残る線の痕のことです。弁護団の鑑定で、石川さんが書いたとされる図面から発見されました。何を意味するかと言えば、警察が書いた線の痕を石川さんがなぞったと言うことです。そんなものが「自発的に書かれた」と言えないのは当然です。

 発見されたカバンは被害者のものと似ていますが、全く違うものでした。材質が違うのです。しかし、警察は被害者のものと決めつけ、裁判では警察の主張を鵜呑みにしたのです。こんな理不尽があるでしょうか。狭山事件の裁判は、多くの証拠に基づいて判決が出されたかに見えますが、虚構の上に成り立った砂上の楼閣です。まともな裁判がなされていないのです。暗黒の差別裁判です。

                                                           

 

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