岩ケ崎城 いわがさきじょう

南北朝時代に岩切合戦の功で富沢郷を拝領した富沢道祐によって岩ケ崎の北に広がる丘陵上に築かれた城で、富沢氏代々の居城。伊達家の所領になってからは政宗の子息の居城になり、その後は伊達家の家臣の居城となって幕末まで続いた。

▼遺構や見所

■ 本丸 ■

城跡の丘陵で最も高い場所にあるのが本丸で、郭の広さも城内で一番広い。本丸内は城址碑があるだけだが、南西部に階段状の郭が付随しており、ここに虎口の跡が確認できる。


■ 堀切 ■

城跡の各郭間は空堀で区切られており、画像は本丸と二の丸の間の堀切。本丸の西側の堀切や二の丸と三の丸間は車道が通っているため当時の状況は分かりづらい。他、北側の小規模な郭で堀切が確認できる。


■ 二の丸 ■

本丸の東側の一段低い場所に二の丸があり、本丸とここで城の中枢を形成している。昔来た時は雑木林だったが、2017年4月の訪城時は公園として整備中なのか雑木林は無くなり、新たに桜の苗木が植えられていた。


■ 竪堀と畝 ■

二の丸と三の丸間は距離が離れており、元々鞍部だった場所の斜面に竪堀が数本設けてあった。二の丸と三の丸の間の斜面が緩い為に補強するために設けたものだろうか。


■ 三の丸 ■

二の丸の東側のやや離れた場所の低いピークに三の丸が設けてあり、三の丸から堀切を挟んで北側にさらに郭が展開している。


■ 蛭子館 ■

三の丸からさらに東にある一段低い郭が蛭子館で、この辺りは館山公園とは別に蛭子公園とも呼ばれている。名前の通り蛭子様を祀っている郭のようで蛭子様の石像が鎮座している。伊達宗綱が居城とした頃の後見人の茂庭綱元の居所だと伝わる。


■ 城跡からの景色 ■

本丸と二の丸からの眺めは絶景で、眼下には栗駒の街(城下町の岩ケ崎)が見え、その向こうに田畑や山々が見る光景はなかなかのものだった。


■ 桜の馬場 ■

城の馬場自体は麓にあったようで、旧栗駒駅前から少し北の場所に桜の馬場の標柱が建っていた。馬場の北側は武家屋敷が立ち並んでいたようで、武家門の残る民家などがあり、そのさらに北の現在栗駒小学校がある場所が千畳敷と呼ばれる石母田氏以降の城主の居館跡。


■ 円鏡寺山門 ■

円鏡寺の山門は城から移築されたとの言い伝えがあり、城主が伊達宗綱の頃の城門だという。実際、瓦は伊達家の紋になっている。市指定有形文化財。

▼歴史

▼詳細情報

最終訪城日 2017年4月24日
別名 鶴丸城、鶴丸館、岩ケ崎要害
前身 -
普請開始 14世紀後半
築城完了 14世紀後半
築城者 (設計者) 富沢道祐
分類 連郭式中世丘城
規模 東西650m×南北400m
標高 標高:100m、比高:約70
文化財指定 「円鏡寺山門」は市指定有形文化財
現存建造物 -
復元建造物 -
模擬・復興建造物 -
遺構 土塁、空堀、堀切、郭跡
標柱・説明板 桜の馬場、栗駒小学校前、館山公園駐車場等に説明板あり。本丸跡に城址碑。
現状 館山公園、蛭子公園
イベント -
注意事項 -
場所 宮城県栗原市栗駒岩ケ崎

▼アクセス

 石越駅前からバスで

JR東北本線「石越駅」前から市民バスの「細倉」行きに乗り、「栗駒」で下車。そこから徒歩15分で城跡の「館山公園」。

 有壁駅前からバスで

JR東北本線「有壁駅」前から市民バスの「栗駒」行きに乗り、「栗駒」で下車。そこから徒歩15分で城跡の「館山公園」。

 仙台駅前からバスで

JR「仙台駅」前から高速バスの「栗駒」行きに乗り、「栗駒」で下車。そこから徒歩15分で城跡の「館山公園」。

 駐車場

「館山公園」に無料の駐車場あり。
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