Anything Box


'90s Favorite Albums Top 10
1. Sheryl Crow - Sheryl Crow
2. Change of Season - Daryl Hall John Oates
3. Angels & Electricity - Eddi Reader
4. Precious Burden - Sophie Zelmani
5. Silje - Silje
6. 0898 - The Beautiful South
7. Unplugged...and Seated - Rod Stewart
8. Listen Without Prejudice Vol.1- George Michael
9. Babes in the Wood - Mary Black
10. The Dance - Fleetwood Mac

1. Sheryl Crow ('96) - Sheryl Crow
間違いなく'90sで一番多く聴いたアルバム。
初来日公演で曲自体に対しての印象こそ好転したものの大好きとは言い切れないTuesday Night Music Clubから劇的な変化を見せたこのアルバムはそれだけに取っ付きにくかったが、ある瞬間にその壁を超えてからはもう離れられなくなった。
聴くものを勇気づける歌詞が秀逸。冒頭のMaybe Angelsのように歪んだギターを聞かせる曲があると思えば、Redemption Dayのようなミディアムテンポでじっくり聞かせる曲もあり、表現の幅は大きく広がった。彼女の真摯な音楽的姿勢を強く印象づけるアルバムで、将来ロックの殿堂入りする器であることを確信させてくれる。

2. Change of Season ('90) - Daryl Hall John Oates
彼らの遅れてきたファンである私が、リアルタイムに聴いたもので最も早く、深く好きになったアルバム。この作品で彼らはいち早く"Unplugged" スタイルに取り組んでいるが(CDにこの言葉を使ったのは彼らが最初)、これはMariah Carey, Eric ClaptonによりUnpluggedが大ブームを迎える2年前で、彼らが再び時代の先を行っていることを実証した。まさに語りかけてくるように聞こえるサウンドが心に響く。

3. Angels & Electricity ('98) - Eddi Reader
Eddi Readerで一枚というと2枚目と迷うが、着実な歌唱力の向上と楽曲の深さからこちら。たぶん'98後半〜'99前半に一番聴いた回数が多いのはこのアルバムでしょう。
ここでのEddiは2枚目の時ほどコマーシャリズムを意識することなく、しかしアコースティックで親しみやすい音楽を作ることに成功している。必ずしも歌わなくても細かな感情表現が出来るということを改めて教えてくれる。

4. Precious Burden ('98) - Sophie Zelmani
一般的には良く売れたファーストの評価が高いが、あえて地味なこちらを挙げる。
ここで聴かれる楽曲にアップビートなものはなく、一聴しただけでは暗く地味なアルバムという印象を受ける。しかし歌の面でのSophieの表現力の向上、丁寧に作り込まれたサウンドに気付くと印象は大きく変わる。歌詞の面での成長も著しい。簡潔な表現であるのは変わらないが、その言い回しに深い考察を感じさせる。個人的にはThe First of A Million Kissesに似た意味を持ったアルバム。

5. Silje ('91) - Silje
忘れ去られた傑作アルバム。多分'90s前半で最も聴いたアルバムではないだろうか。
'90に発表したデビュー曲でFMで大ヒットを飛ばした人だが、その翌年発表されたこのアルバムはその完成度にも関わらず、地味なファーストシングルの影響でほとんど無視された。しかしデビュー作と比べてそのサウンドの組み立て方、アルバムの構成、個々の曲の完成度、どれをとっても大きく確かな成長を感じさせた。SupremesやCarpentersにも通ずる良質のポップスの伝統がここにはある。A-haのMorten Harketが参加していたのも話題の一つだったが、あくまでも最大のポイントは彼女自身の音楽性の豊かさ。個人的には女性ボーカルの歴史に残る作品だと思っている。

6. 0898 ('92) - The Beautiful South
Brianna Corrigan 在籍時の第1期 The Beautiful Southの音楽を完成させたアルバムで、勢いで突っ走っていた前作(それでも好きですが)より曲に深みが加わり大きな進歩を感じさせた。3人のシンガーが織り成す歌は変化に富んでおり、現在他に並ぶものはない。
ジャケットだけでなく1曲1曲に対しても個性的なイラストがつけられており、一種のコンセプト・アルバムでもある。

7. Unplugged...and Seated ('93) - Rod Stewart
Rod Stewartのシンガーとしての魅力を私に改めて認識させた1枚。古いレパートリーを中心に、丁寧に気持ちを込めて歌っているRodの歌は感動的。この後のツアーも素晴らしく良かった。一連のUnpluggedもので一番の収穫はこのアルバムだったと思っている。

8. Listen Without Prejudice Vol.1 ('90) - George Michael
George Michaelがその才能を存分に発揮した作品。前作Faithは世界的な成功を収めたが、一部歌い方にハナにつくところがあり、アプローチも未消化な部分を感じさせるところがあった。このアルバムでは歌から余分な力が抜け、サウンド的にも幅を広げつつもすっきりした形で表現できている。その後の展開に大いに期待を抱かせる内容だっただけに、この後レコード会社との争いで創作活動を停止してしまったのが残念だった。

9. Babes in the Wood ('91) - Mary Black
No Frontiersで知った後初めて聞いたMary Blackのアルバムで、CD店の店頭で試聴してすぐに引き込まれた。アイルランドのソングライター達の書いた曲自体もいいのだが、やはりMaryの歌のうまさが最大の魅力。それ以前のアルバムと比較すると楽曲のバラエティも広がっており、退屈すること無しに聞ける。

10. The Dance ('97) - Fleetwood Mac
これを涙の復活作と言わずして何と言おう。ついに彼らのライブを生で見ることのかなわなかった私は、ビデオを初めてみた時は本当に涙が出た。このときのツアーのチケット発売開始日にアメリカから帰国せざるをえなかったのが今でも悔しい(ツアー日程告知の広告は今でも持ってる)。
全員50代で一緒に人前で長時間演奏するのは14年振り(?)にも関わらず確かな演奏を聞かせてくれるのが嬉しい。久し振りにStevieが輝いて見えたしね。



Anything Box トップに戻る
Homeに戻る