Mary Black ('99/12/12@東京・ガーデンホール)
たった一日しかない東京公演に行ってきました。
私は整理番号171番で、普通ならステージ前3列目以内に行ける番号でしたが、『Mary Blackでスタンディングなら入るのが遅くても半分より前になる』(アメリカ帰りで30分遅れて入った前回の経験より)と思ってCD販売所等寄り道したのは考えが甘かった。中に入ると椅子が用意されていて(Jewelの初来日公演を思い出す)、一番前のブロックは既に全て埋まってしまっていました。しょうがないので2ブロック目の一番左のブロックに座って開演を待ちます。中に入ってすぐに気がついたのは観客の年齢層の高さ。私より年齢の高い人の方が多い。中には横山ノックや田中角栄に似た人までいた(失礼)。そのためかコンサート中はクラシックコンサートのように非常に落ち着いた反応をしていて、演奏が終わった後は物凄い拍手が湧くけど、演奏中の声援、手拍子はまばら、といった感じでした。観客にはあの中川五郎さんもいました(終演後に発見)。客席は開演時にはもう満杯で、立ち見の人もたくさんいるほどで、最近のアイリッシュ音楽の人気のほどを確認することができました。
6分程遅れてバンドメンバーに続きボドランを持ってMaryは登場しました。バンドはMaryの他は5人で、ドラム、ギター、キーボード、ダブルベース、あと曲によってフィドル、アコーディオン、タンバリンが加わりました。
コンサートは最新アルバムの1曲目のTurning Awayで始まり、その後名作、Babes in the Woodのタイトル曲が演奏され、歌った曲の紹介と日本のファンへの感謝の言葉、コンサートの構成の概略等についてMaryから話がありました。
演奏したのは途中休憩15分を挟んでの本編(9+8)曲+アンコール2*2曲で以下のようなセットリストです:
(Part1)
Turnning Away
Babes in the Wood
Still Believing
By the Time It Gets Dark
Speaking with the Angel
Broken Wings
Message of Love
Columbus
Carolina Lua
(Part2)
Bright Blue Rosse
Summer Sent You
Moments
Songs for Ireland
Big Trip to Portland
Katie
I Will Be There
Don't Say Okay
(Encore1)
Fall at Your Feet
Past the Point of Rescue
Thorn upon the Rose
Flesh & Blood
構成としては最新アルバムから8曲、前作Shineから1曲、Holy Groundから2曲、Babes in the Woodから4曲、No Frontiersから3曲、By the Time It Gets Darkから2曲、Collectedから1曲となっていました。
最初の4曲が終わったところで、椅子に座って2曲、キーボードとギター、ベースのみの演奏で2曲を歌った所が、躍動感のある曲が多かった前回のツアーとの違いを感じさせます。Maryはふんだんに腕を動かして、軽く踊りながら明るい表情で丁寧に歌っていきます。特に前半は曲に入る前に曲紹介やソングライターの紹介などを努めてしており、Linda Ronstadtのように積極的に他の人の曲を取り上げて紹介してきた彼女の、音楽に対する姿勢も感じることができました。自分では曲を書かないアーティストを軽んじる人もいますが、シンガーに徹することで逆に自分のスタンスを明確にしている良い例がMary Blackだと改めて感じました。
本編終わり近くのI Will Be Thereでは後半メンバー紹介も兼ねたソロ大会となり、バンドメンバーのひとり一人がしっかりした演奏を聞かせてくれました。特にダブルベース担当の人と、ドラムの人のソロは聞き応えがあり、ドラムソロの後は一気にアイリッシュならではの明るい演奏に変わってステージも明るくなり、会場からもこの時はさすがに手拍子が起こり一気に盛り上がりました。そのまま最後の曲に突入して盛り上がった状態で本編は終了。その後アンコールを求める手拍子に答えて2曲ずつのアンコールを2回やりました。
開演前から『Mary Black関連商品を本日お買い上げの方は終演後サイン会に参加できます』とのアナウンスがあり(貼り紙もあった)、その効果あって用意されていたCD(ミュージックプラント扱いの全種類?)、ビデオ類はほとんど売り切れていました。A4大のMary Black Songbookとかマニアックなものや、ミュージックプラント扱いの関連アーティスト(デ・ダナン等)もたくさん売れていた様です。
終演後は約束通りサイン会が開かれ、参加するためにCD2枚を買った私はどうせまだ始まらないだろうと開演時同様タカを括っていたら列のほとんど最後尾になってしまいました(;_;)100人は超していただろうと思われるファンに対して、Maryはひとり一人にサイン、握手を笑顔でしていたのが印象的でした。中には一昨日の大阪にいって、明日の名古屋に行くという人もいました。
"I'm very old" とコンサート中におどけてみせたMaryですが、十分な声量で見事な歌唱を聞かせてくれ、アイルランド最高のシンガーの実力を存分に披露してくれたと思います。休憩を入れて2時間を超えるボリュームのあるコンサートは、終演後心地よい余韻を残してくれる非常に満足度の高い素晴らしいコンサートでした。
*これを手直ししたコンサートレポートがMary Blackの日本でのオフィシャルページ(ミュージックプラント内)に掲載されました。
こちらで読むことができます。
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