Eddi Reader @ ラフォーレミュージアム六本木 (March 20, '02)


来日公演最終日となった今日のコンサートは、昨日の公演とはその趣がだいぶ異なりましたが、昨年のツアーの最終日のようにバラエティ豊かでとても楽しく開放的で、昨日と甲乙つけ難い、忘れ難いコンサートになりました。

今日は外は風が強かったせいか開場前はホール隣の待合所に通されて待っていましたが、昨日よりは開場前に到着している人が多かったです(特に20番以内の出席率が良かった)。私は先行予約で取ったがためか116番と全然よくない番号だったので、今日は3列目、BooとEddiの間くらいの席を確保。昨日は周りをほとんど見回さなかったから気づかなかっただけかもしれませんが、入ってから中をうろついていると何人か評論家の方達もお見かけしました。Boo, Colinもロビーを歩き回ってましたね。そして今日はNHKのテレビカメラが入ってた(昨日は意識してなかったけど、見かけた人いますか?)ので、そのうち放送されるのではないでしょうか(あとスカパーのあの番組でも期待)。

今日もセットアップ等には特に問題なく、7時半のちょっと前にBooが登場、と思ったらギターを置きに来ただけでしたが、少し拍手が起こった時にはBooもはにかんだような笑みを見せながら小さく手を振ってました。こういう状況でBooに気づく人はこれまでほとんどいなかったので、これは進歩ですね;-)

その後今日も定刻通りにColin Reidが登場してスタート。Colinが一人で3曲演奏したのち、Booが登場、1曲演奏した後「発表があるんだ」と言って、5月に来日してコンサートを行うことをすこしはにかんだ感じで:-) 、自分の口から発表してました。59yrdsのあと、昨日とは違って自発的にEddiが登場(今日のEddiの衣装は昨日と同じ)、昨日同様にWorld's End, Never Going Back Againを演奏しました。

(セットリスト - Colin Reid
1. (不明)
2. The Spanish Man
3. Music for a Found Harmonium

(セットリスト - Boo Hewerdine)
1. Murder in the Dark
2. 59yrds
3. World's End *Eddiとデュエット
4. Never Going Back Again *Eddiがリードボーカル

約30分の休憩をはさんで8時半にEddi達が登場、本編がスタートしました。今日は選曲的には1日目、2日目をミックスしたような感じでしたが、順番も曲の並びもまったく異なり、昨年のツアーでは歌われて今回は歌われていなかった曲も復活、これが本来のセットリストと思わせるようなバランスの取れた構成になってました。

(セットリスト - Eddi Reader)
1. I Felt A Soul Move Through Me
2. Holiday
3. Kiteflyer's Hill
4. Prayer Wheel
5. Patience of Angels
6. Wolves
7. (Colin Reidのソロ)
8. La Vie En Rose/Candyfloss
9. Wanting Kind
10. Allelujah
11. The Birds Are Leaving *Boo with Eddi
12. Scarecrow *BooとEddiのデュエット
13. Paper Wings
14. Footsteps Fall
15. Find My Love
16. Wings on My Heels
(Encore 1)
17. Semi Precious
18. Perfect
19. Hummingbird
(Encore 2)
20. Moon River
21. Prodigal Daughter
22. The Right Place ~ Everybody's Talkin'
23. Clare (アカペラ)

「Helloを日本語でなんて言うのか分からないけど、とにかくHello」と言って始まった1曲目は昨日同様I Felt A Soul Move Through Meでしたが、今日は立ったまま、ギターも脇に置いたままだったためかこれまでよりもソウルフルな歌唱で、これまでで一番の出来でした。「次の曲は隣に住んでいるAngieの為に書いた」との紹介の後演奏されたのは、今回が初披露となるHoliday。この曲ではEddiもギターを弾きながらの演奏。コーラス部の最後の所ではかん高い声でかけ声が入ったのには少しびっくり。声色も全体的にアルバムよりも明るくかなり聞きやすかったです。

そして3曲目は昨日は最後に歌われたKiteflyer's Hill。ここからはまたしばらくギターを置いて立ったまま歌い込むことが多くなり、雰囲気的には1日目に近い、開放的な感じになりました。このあと「気に入ってもらえるといいけど」との言葉に続いてPrayer Wheelが演奏されましたが、この曲とアコースティック・ギターとの相性はかなりのもので、やっぱりライブの方が断然いいですね。この曲の演奏後「今日が最後のショーだから、うちに帰って子供の面倒見なきゃ」などとのMCが入り、観客に感謝の言葉を述べた後Patience of Angelsが演奏されました。

次にWolvesが演奏されたのですが、コーラス部に入るところでEddiが鼻がむずがゆそうにしていたと思ったらいきなり「ハックチューン」(”シュ”よりは”チュ”という感じでした)と大きなくしゃみをして場内からどっと歓声が。Eddi自身も笑いが止まらなくなって、脇にあった丸テーブルにあったタオルを顔に当ててくしゃみを抑える仕種をして会場を笑わせていました(笑)。でも横にいたBoo, Colinはびっくりした表情を見せつつも冷静に演奏を続けてました。気を取り直して歌い直したあとも、途中くしゃみをするマネをしたり、狼が猫(今年は羊じゃなく猫でした)を狙っている様子を鳴き声で表現したりして笑いを取ってました。

Colin Reidのソロをはさんで演奏されたのは昨年のツアーでとても味わい深い演奏を聞かせてくれたCandyfloss。昨年の東京公演初日のように、冒頭ではLa Vie En Roseを歌ってましたが、その時ほど派手に歌い上げるという感じではなく、スムーズにCandyflossに繋がっていきました。後半はまた別のフランス語のフレーズ(曲名は?)をくちずさんだりもしてました。演奏後プロモーターやレコード会社の人達に感謝と祝福の言葉を述べた後、Wanting Kindが演奏されました。ただ演奏はもちろん良かったのですが、観客の反応が悪かったのは少し残念でした。今日の観客は演奏が終わった後の反応は今回のツアーの中では全般的に一番良かったですが、この曲に関しては昨日の方が手拍子も大きく反応が良かったですね。Eddiのソロキャリアを代表するようなアップテンポ・ナンバーだと思うし、去年のツアー(Driftwood国内盤に収録されてますね)ではもっと反応良かったので、次回演奏されることがあったらもっと盛り上げましょうよ。Wanting Kindでの反応が悪かった分?、次のAllelujahは最初から盛り上がり、Wanting Kindが好きなだけに最初は「そんなにFairground Attractionの曲が演奏されるのが嬉しいか」と卑屈に感じていた私ですが(A Smile in A WhisperやAy Fond Kissが演奏されるなら私も同じ反応になるんですが)、今日のAllelujahは最高でした。ソロになってから歌った中では一番と言えるくらい良かったです。今日のベストトラックの一つですね。

「Booと出会えてラッキーだった」とのEddiのコメントの後、BooのThe Birds Are Leaving、Scarecrowと続きましたが、ScarecrowはどちらかというとBooがリードを取ったデュエット状態で歌われたためよりアコースティック感が強く、大阪での軽快感溢れる演奏とも微妙に違った感じで、かなり印象的でした。

「お酒についての歌なのよ」とEddiが言った後始まったPaper Wings, Footsteps Fallと”聞かせる”ナンバーが続いた後、Eddiが「リクエストある?」と聞いてきたのでいくらか声が上がったのですが(私はDimming of the Dayをリクエストしました、もともとBooも一緒に演奏していた曲なので良いと思うんだけど)、この場ではEddiの心の琴線に触れる曲名が出なかったのか、Find My Loveが演奏されました。例によって盛り上がったFind My Love(後半Eddiは「感謝します」と何回も連呼していた)の余韻を残して演奏されたWings on My Heelsで本編は終わったのですが、この日のWings on My Heelsは今回のツアーで最も印象的な演奏でした。この曲はいつもここぞというところで演奏されるので、Eddi自身もこの曲を大事に思っているのでしょうね(私もEddiのソロキャリア屈指の曲だと思ってます)。ここまでで昨日とほぼ同じく、約1時間20分。

アンコールは3人一緒に登場し、Eddiが「時計もってないんだけどいま何時?終電は何時なの?」と言ったのですが、これに対して会場からは"Never Mind"(私も小声でこう言った)とか"Eight Thirty"(こう返したのはPB氏です、たぶん)との言葉が帰ってきたのにEddiは安心したようでした(^^)。そしてここでもリクエストを受け付け、いくつか曲名があがったのですが、Eddiが決めかねているところで私がリクエストしたSemi PreciousにEddiが反応、演奏してくれたのはとても嬉しかったです(こういう経験は'98のツアーの大阪公演でOn A Whimを歌ってくれた時以来)。私にとっては間違いなく今日のコンサートで最高の一瞬でした(笑)。この曲は昨年のツアーでは歌われなかったため(BooのソロコンサートでEddiが登場した時は歌われましたが)、Eddi自身のコンサートで聞きたいと思い続けていた歌です。おまけにBooのコーラス付きで忘れられない1曲になりました。この曲の後、Perfect, Hummingbirdと演奏されて観客全員総立ちのうちにアンコール一回目が終了。退場時にはプレゼントを渡している人が何人かいたので私も紙袋持ってステージ前に行ったのですが、"See you later"と言って、Eddiは受け取らずに退場してしまいました(_ _);;

登場時に各メンバーが花束をプレゼントされて始まった2回目のアンコールでは、まず”みなさんに送る歌”としてMoon Riverが、そして今日はもうやらないかと思っていたProdigal Daughterが演奏されて聞き惚れていると、続いて演奏されたのは今回のツアーではこれまで演奏されていなかったThe Right Place。今日のEddiはゆっくりと、わざと崩したような歌い方をしていて、これまでとは違う印象を与えてくれました。やっぱりこの曲が一番ですね。この曲が終わって「もう最後に違いない」と思った私はステージ前にダッシュ!しようと思ったらEddiがBoo, Colinを紹介し始めたので踏み止まり、紹介が終わったところでダッシュしたのですが今度はEddiがBooの5月の来日公演のことを紹介し始めたところで、その腰を折ってしまいました。。。すいません。。。そしてBoo、ごめんなさい。しょうがないのでモニタースピーカーの横に置いておきましたが、退場時にEddiはすっかり忘れて回収せずにいってしまいました。。。無事Eddiの手に渡ったんでしょうか、あの荷物。。。そして「最後にもう一曲歌うわね」との言葉に続いてEddiが一人でClareを熱唱して、約2時間のコンサートが終わりました。退場時には無事花束とかメッセージカードとか渡せてる人が何人もいました。。。

今日のコンサートは、スロー系で私がEddiを象徴すると思っている曲(Track Indexesのところで三ツ星つけてる曲です、ただしThe Girl〜は無理だと思うのでここでは除外)が揃って歌われた初めてのコンサートとなり、陽気な面からロマンチックな面までEddiの持つ様々な顔を見せてくれた、楽しく充実したコンサートでした。演奏中も演奏後もEddiが何回も「感謝します」と言っているのもとても印象的でした。

終演後しばらくロビーで待っていると、案の定Boo, Colinが出て来て、さらに少しするとEddiも出て来て、会場のスタッフが「時間ですのでお帰り下さい」とせかす中、多くのファンのサイン等の要望に答えていました。会場のスタッフの人も、そんなこと言いながら閉館時間の11時になっても、みんながサインを無事もらえるまで待っててくれました :-)。私も3人のサインをチケットに、Eddiには"Live"の裏ジャケにもサインをしてもらい、先ほどはかなわなかった握手もしてもらいました。サインしてもらう時にEddiに「いつかThe Girl with the Weight of the World in Her Handsを歌って」とリクエストしておきましたが、次回とかに歌ってくれるでしょうか。。。?私の近くでサインを待っていた人で、Fairground AttractionがFirst of A Million Kissesのレコーディングを行ったChipping Norton Studiosへ行った時の写真を見せてる人(世の中にはこれくらいのファンの人が他にも何人もいるということですね)がいて、Eddiが丁寧に受け答えしている姿も印象的でした。

でもあっという間に終わってしまったという感じで少し寂しいです。また遠くないうちにたっぷり見たいです。


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