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021/1966年に発表されたアルバム「Blues Breakers John Mayall with Eric Clapton」に収録されている「Have You Heard」 「Blues Breakers John Mayall with Eric Clapton」はブルース・ロック史上に燦然と輝く名盤だ。ここでのEric Claptonのギタープレイがロックミュージック原点だと言われている。 初めてギブソンレスポールをマーシャルアンプに繋ぎ大音量でプレイして原点の音を作り上げた。もちろん音色だけでなく基本となるフレーズの数々が詰め込まれており、そしてロックにおけるギターの位置づけを確立したアルバムでもある。 その中から「Have You Heard」。若いClaptonの素晴らしいプレイが聴かれる。オブリガードだけでも聴き応えがあるのに、3分25秒からのソロ。シャープで勢いがあるが気負ってなくタメが効いて、とても21歳の若者が弾いているとは思えない、ツボを押さえたプレイだ。 因みに2003年、John Mayall70歳記念のコンサートでClaptonはゲスト参加してこの曲を共演している。 |
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022/2004年6月29日、ニューヨーク・マジソンスクエアガーデンでの「I Shot The Sheriff」 2004年6月4-5-6日に開催された第2回目のクロスロードギターフェスティバルを終えたEric Claptonはアメリカツアーを行っている。マジソンスクエアガーデンでは6月28日29日30日と3夜連続公演、その中日29日の「I Shot The Sheriff」がカッコイイ。 ポコポコした変なリズムで始まったアウトロソロ、やがてしっとりした静かなプレイに変わり、徐々にハードなプレイにと盛り上がっていく。この流れは通常だが、後半のハードなプレイがこの日のものは秀逸。 いつも以上にアヴレッシブ。ハイポジションでのラン奏法が続く箇所は鳥肌が立つ。タメの効いた高音域への移動もClaptonならでは。 YouTubeで「I Shot The Sheriff Live MSG 2004」検索するとヒットする。 |
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023/1967年9月4日のCreamアメリカンツアー前半ロサンゼルスのクラブWhisky a Go Goでの「Steppin’ Out Whisky a Go Goでの音源はサウンドボードではないものの、臨場感たっぷりの迫力あってそこそこクリア。 ここでのプレイはいずれもが凄まじく圧倒されるものばかり。この頃の音源が少ないので比べようがないので、この日が上出来なのか、もしくはこの頃のライブはすべてにおいてハイレベルなのかわからない。しかしツアー最終日のデトロイトでの音源も非常に素晴らしいものであること、またこのツアーは初めての単独ツアーでCreamの存在を全米に知らしめる良い機会であり張り切っていただろうこと、さらに3人の仲も良かったなどということから想像するに、毎回毎回クオリティの高い演奏が繰り広げられていたのだろうと考えられる。 「Steppin’ Out」はClaptonのギターメインのナンバーであり、現存する音源ではいずれもが名演に値するもので、正直このバージョンが飛び抜けての名演というわけではない。「Cream Live volume2」でのバージョンもいいが、この臨場感、生々しさという点でこのバージョンを選んでみた。 Claptonのプレイは、数々のフレーズでグイグイ押して、長い演奏にもかかわらず既聴感がない(既聴感って言葉があるのかどうか知らないけれど)。その1音1音やフレーズは選んでプレイしているものでなく、直感的にあふれ出てくるものでセンスの良さを感じさせられる。 YouTubeで「Whisky a Go Go Cream」と検索するとこの日の音源が多数ヒットする。 |
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024/1990年4月12日USAハートフォードでの「Cocaine」 1990年ジャーニーマンツアーでの前半はわたしの好きなツアーのひとつ。各ナンバーで非常に力強くかつ美しい長めのソロを弾いており、ブルースナンバーが少ないもののカッコイイClaptonが聴ける。Clapton史上一番ロックしているツアーといってもいいだろう。 というわけで「Layla」「White Room」「Cocaine」はじめロックナンバーでのプレイは名演が多いように思う。 このツアーで最もアメイジングなのは4月2日のニューヨークMSGでのものだとわたしは確信しているが、4月12日もなかなか良い。特にここでの「Cocaine」。 力強いプレイで始まる長めの気迫のソロで、2度聴くことのできるチョーキングビブラートが素晴らしい。1度目のものは特に難易度が高く、1音半チョーキングでビブラートをかけて途中からビブラートをかけたまま半音下がる。この美しさと正確さ、それをアドリブで何気なくやってしまう、やっぱりClaptonのチョーキングビブラートは天下一品である。 YouTubeにて「eric clapton cocaine 1990 hartford」でヒットする。 |
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025/1974年7月19日、USAロングビーチアリーナでの「Have You Ever Loved A Woman」 「Have You Ever Loved A Woman」といえば名演に決まっているといえるほど、Clapton十八番のプレイが聴けるナンバー。 1974年の復活ツアーでのハイライトでもあり、ギターソロがたっぷり聴ける曲。 その1974年のツアーよりオフィシャル発売されている、7月19日のカリフォルニア州ロングビーチでのプレイが秀逸。 イントロからいきなり、ピッキングハーモニクスを交えたり、時にはゆったりメローに時には激しく早引きしたりと、感情が込められたソロで始まる。この日のClaptonの調子の良さがうかがえるイントロだ。 オブリガートも非常に良く、間の取り方、空間の取り方が素晴らしい。 中間部のソロはGeorge Terryのギターから始まり、途中からClaptonが絡んできてバトル状態となるが、2人を比べるとやはりClaptonの表現力が勝っているのがよくわかる。同じフレーズの応酬の部分など顕著だ。ちなみに乾いて軽く聞こえる方がGeorge Terry。 全般にわたり非常にシャープなプレイが光る素晴らしいバージョンであると思う。 このバージョンはオフィシャルの「E.C. Was Here」「Crossroads 2」などに収録されている。 |
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026/1999年6月30日にニューヨーク・マジソンスクエアガーデンで行われたクロスロードコンサートでの「Layla」 「クロスロードセンター」のためのベネフィットコンサート「クロスロードコンサート」でのプレイはいずれもが名演といってもよい。以前はこの中から「Old Love」を紹介したが、今回は「Layla」。 ライヴでの「Layla」は1994年恒例の新春ロンドン・ロイヤルアルバートホール公演以降、ずっとアンプラグドバージョンで演奏されてきた(1994年から1995年にかけてのブルースツアーではセットリストに入らず)。例外的に96年5月9日のDr.Johnとのセッションライブでのシャッフルバージョンや、同12月31日のアンプラグドアレンジのエレクトリックギター演奏のバージョンといった変則的なものはあったが。 もう「Layla」のエレクトリックバージョンはプレイしないのかとも言われていた。 そしてこの「クロスロードコンサート」。「Wonderful Tonight」の演奏が終わってClaptonが弾きだしたのはキーDのアドリブイントロ。何か期待させるものが。30秒ほどの重いイントロの後、4弦と5弦の開放と3フレットを使ったあのリフが。そう、みんなが期待していたエレクトリックバージョン「Layla」が始まったのだった。Nathan Eastがわざとらしく大げさに驚いて後ずさりする。 久しぶりのエレクトリックバージョン「Layla」は、テンポがゆっくりめだったが力強く観衆が沸く。David Sanbornのサックスも加わり新たなイメージになっている。 そしていよいよソロ。これが素晴らしい。短いがハイテクニックのプレイ。なんといってもチョーキングが素晴らしい。1音半のチョーキング連発、1音半チョーキングで止めというのもあり、指が疲れそうなプレイだ。非常に「Layla」っぽい勢いある感情露わなソロとでも言おうか。 続く後半もいままでの演奏とは違ったアレンジ。ゆったりとメロディーラインをサックス他でのユニゾンで奏で、Claptonのギターも途中から2弦でハモるように弾く。これは全く新しいパターンだ。なかなかソロに入らないがこれもまたよい。その後短いソロからエンディングを迎える。 この模様は「Eric Clapton and Friends In Concert」として映像がオフィシャル発売されており、YouTubeでも「Eric Clapton Layla 1999」と検索するとトップでヒットする。 |
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027/1990年4月2日、ニューヨーク・マジソンスクエアガーデンでの「Old Love」 この日のライヴはEric Claptonのライヴ史の中でも頂点に近い素晴らしいものだ。 通常「Pretending」から始まり2曲目に「No Alibis」というセットリストのJourneyman Tourだが、この日は2曲目が「Before You Accuse Me」という変則的なもの。これは「No Alibis」でDaryl Hallがゲスト参加したため。いきなりのゲストとうのも何だから「Before You Accuse Me」と入れ替えてうしろに持って行こうかというものだろう。 その「No Alibis」が終わり大歓声の中Daryl Hallが去って行く。その歓声さめやらぬ中、静かに始まる「Old Love」。 スタジオ盤よりテンポが遅くゆったりしっとり聴かせる。オブリガートもなく静かに進んでゆく。 そして間奏、長いチョーキングから始まる。音数少なく非常にノビがあって艶やかなソロだ。徐々に音数も増え、メリハリのついた聴かせるプレイ。 これだけでも十分聴き応えがあるのに後奏のソロが最高。弾きまくる。後半に行くほどさらに激しくなる。ハイポジションでのラン奏法を含んだ息をつかせぬ音の嵐は、Claptonの感情がギターに乗り移ったプレイ。 勢いに任せての雑なプレイではないのは、エンディングでのゆっくり弾く長い1音に現れている。 間奏との対比も素晴らしいし、早引きと1音を大事に弾くプレイとの緩急のつけ方が天下一品だ。 こんな演奏を目の前で聴けたニューヨークのオーディエンスが羨ましい。 1990年以降も「Old Love」はライヴでは頻繁に演奏され、コンサートのハイライトとなる曲で名演も多い中、一般に名演と言われている1999年6月30日のクロスロードコンサートのものにも勝るものだとわたしは思う。 とにかくこの日のプレイは本当に冴え渡っている。 YouTubeで「eric clapton 1990 MSG」と検索するとオープニングは欠けるが、この日のコンサートのものがフルで見られる。音は悪いけど。 |
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028/1968年発売のThe Beatles通称ホワイトアルバムの中の「While My Guitar Gentry Weeps」 Eric Claptonの名演としてこれを外すわけにはいかない。 当時Creamの一員だったClaptonに、親友であるGeorge Harrisonが自分の曲でギタープレイをしてくれと頼んだもので、The Beatlesの他のメンバーは当初ゲスト参加に難色を示していたが、Claptonのプレイを聴き惚れて即採用を決定した?とも言われている。 そのプレイは今さら言うまでもなく、Clapton史上というよりロック史上燦然と輝く名演奏として知られている。 タイトル通りのいわゆる泣きのギターに心打たれる。23歳の若者が弾く演奏とは思えない、もう人生の酸いも甘いもわかっている人間の感情が込められたように弾く。 ビブラートの強弱、チョーキングビブラートを徐々にチョーキングダウンする、キメの1音半チョーキング、オクターブグリッサンド、演奏的にも聴く以上に難易度が高い。譜面で見る限り難易度は高くないように思えるが微妙なニュアンスがなかなか難しい。 この曲は楽曲の良さとClaptonのギターで成立しているものなので、Claptonが参加しているライヴでの演奏もどれもが素晴らしい。 1971年のバングラデシュ難民救済コンサートでのプレイは精細さを欠くが、1987年のプリンシストラスト、1991年のジャパンツアー、George没後のPaul McCartneyらとプレイしたクイーンズコンサート、コンサートフォージョージのものどれもが名演である。 ちなみにこのホワイトアルバムではJohn Lennon作の「Yer Blues」にもClaptonが参加したとされているが、聴く限り度のパートを演奏しているのかわからないし、少々疑わしい。 「Yer Blues」はThe Rolling StonesのロックンロールサーカスでJohn Lennon, Keith Richards, Mitch Mitchellらと組んだ即席バンドThe Dirty Macでのライヴ演奏でClaptonは素晴らしいプレイを披露している。 |
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029/1989年2月3日ロンドン・ロイヤルアルバートホールでの「Wanna Make Love To You」 恒例化しつつある新春のロンドン・ロイヤルアルバートホール連続公演。その最終日2月3日の「Wanna Make Love To You」がなかなかよい。 アルバム「August」から惜しくも外れてしまったこの「Wanna Make Love To You」は、楽曲もよくライヴ映えもするいい曲だと思う。 ゆったりテンポでも力強い、こういった曲でのClaptonのソロはいつも見事。ここでの後奏はその中でも優れたソロだと思う。基本ラン奏法を交えた早引き中心の激しいソロだが、合間合間ゆったり伸びやかに弾き緩急をつける。このメリハリこそClaptonの真骨頂。緊張感とリラックスムードの連続が長いソロであっても飽きがこない理由。ソロの2分少々という時間があっという間に過ぎエンディングとなるがもっと聞いていたいと思わせる。 ちなみに、この日が1987年からセカンドギタリストとしてツアーメンバーだったMark Knopfler参加の最終日にもなっている。この後セカンドギタリストはPhil Palmerとなり、非常にロックなツアーとなるジャーニーマンツアーで名サポートをみせる。 YouTubeで「EC 1989 Wanna Make Love To You」検索。 |
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030/2006年12月6日の「Little Wing」 2006年12月6日東京武道館、「Got To Get Better In A Little While」が終わった後の4曲目になんと「Little Wing」が突如演奏された。これには驚いた。 わたしは実際に武道館にいたわけではないが、ネットでライヴレポを見て目を疑った。実にツアーでは1975年のジャパンツアー以降全く演奏されていなかったからだ。 1999年のクロスロードコンサートや同年のSheryl Crowのコンサートではゲスト参加して「White Room」とともに演奏された(「White Room」のみCD「Sheryl Crow and Friends Live from Central Park」に収録)というイレギュラー的なものはあったが、これはSheryl Crowからのリクエストだったという噂もある(クロスロードコンサートでもSheryl Crowがゲスト参加して一緒に歌っている)。 Claptonはこの曲を何らかの理由で封印していたか、あまり自身で好んでいなかったかの理由でライヴ演奏してこなかったのかなとも思っていた。 それが前日までの「Old Love」に変わってこの曲が演奏されたのである。「Old Love」といえばコンサートのハイライトの一つでもあり、Claptonの泣きのギターが全般に響き渡る名曲である。それに変わっての「Little Wing」。 野球で例えるなら、いきなりの4番バッターに起用されたようなもの。それも32年間ベンチ入りさえしていなかった選手が。だから驚いた。 ただその前兆がなかったかと言えばそうでもない。2006年のジャパンツアーほどツアー中にセットリストが変化していったという事は今までにあまりなかった。(1974年から77年頃にかけては毎日のセットリストがコロコロと変わったがそれは変化していったものではなく気まぐれ的なもの。)2006年-07年のツアーではご存知のようにツアーメンバーとしてDerek Trucksが参加していた。Duane Allmanの再来かと言われた彼の参加に触発されてか、このツアーではDerek & The Dominosの曲が多くセットリストに入っていた。 2004年からは幻の「Got To Get Better In A Little While」が演奏されいたし、「Key To The Highway」「Nobody Knows You」「Anyday」「Layla」に加えて、これも驚きだったがこのツアーでは「Tell The Truth」の復活ということもあった。だから「Little Wing」も復活してもおかしくはなかったわけだが。 さて前置きが長くなってしまったが、このナンバーは「Old Love」に変わってのセットリスト入りと言うこともあって、非常に聴かせるソロとなっている。 1974年〜75年のプレイは、はっきり言って精細に欠くちょっと間の延びたような印象を受けた。それが1999年のクロスロードコンサートでの演奏では、これも名演といえるほどシャープで素晴らしいものに生まれ変わっていた。 そしてそれから7年、Claptonのプレイはもとよりバンド全体としても、クロスロードコンサートをも凌ぐ素晴らしいものとなっている。 ノビのいいメロディアスな泣きのプレイ、高音域でのラン奏法を含む音数を増やしたプレイ、どれをとっても名演に値するものとなっている。 12月6日8日9日と武道館で3夜のみ演奏されたが、どれもが甲乙つけがたいほど素晴らしいものとなっている。6日の間奏ではEric Clapton, Doyle Bramhall II, Derek Trucksそれぞれ1コーラスずつだったソロが、8日のものはそれぞれ2コーラスずつとっておりこれもまたよい。 この模様はYouTube検索で「little wing 2006 japan」と入力するとヒットする。 |
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031/1968年10月19日の「Sitting On Top Of The World」 これはオフィシャル盤の「Goodbye Cream」に収録されているバージョンで、フェアウェルツアー10月19日ロサンゼルスのフォーラムにて収録されたもの。 ちなみに「Goodbye Cream」は解散後に「Wheels of Fire」での未発表曲3曲と1968年10月19日のライヴ音源3曲の寄せ集め盤。 後期クリームのライヴでは珍しく短い演奏であるが、Claptonのプレイが光るブルースナンバー。 非常に切れのあるプレイのイントロから始まる。間奏では始まってすぐにピックアップを切り換え、シャープで聴き応えのあるソロを展開している。速弾きがピタッと止まるタイミング、やや振幅の大きなビブラートなど聴き所が多い。 この日の演奏では「I’m So Glad」も名演と呼べるものなので、また改めて紹介しようと思う。 |
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032/1970年に発表されたアルバム「Layla and Other Assorted Love Songs」に収録されている「Have You Ever Loved A Woman」 これも一般的にもEric Claptonの名演と呼ばれているもの。 このアルバムは「Layla」はじめ名曲名演目白押しだが、演奏だけで言うなら「Have You Ever Loved A Woman」をあげたいと思う。 言わずもがな、Duane Allman が参加していて、2人のプレイとも聴き惚れる名演。イントロから非常にメリハリのついたシャープなソロ、オブリガートのバリエーションも豊か、絞り出すように歌うClaptonの声もいい。 間奏のソロは前半がDuane、口ずさめるようなメロディアスな流麗なソロだ。後半がClapton、タメと止めがよく効いた素晴らしいプレイで聴かせる。 スタジオ盤としては、この後1980年代中盤までの間では、Claptonのギターを大きくフーチャーしたプレイを堪能できるナンバーが影を潜めてしまう。「Double Trouble」「The Core」などといった一部の曲ではよく弾いてはいるが堪能するほどでもなく、アルバム「Behind The Sun」が出るまでは、Claptonはスタジオ盤ではこの先はもうあんまり弾かないのだろうと思っていた。 この曲は1974年以降2004年まで、ライヴでは頻繁に演奏され、「Ramblin’ on My Mind」などといった曲とメドレー(1985年以降は単独)でプレイされることも多く、コンサートのひとつのハイライトともなった曲だ。因みに2004年後半からこの曲に変わって「Little Queen of Spade」がセットリストに入るようになった。 |
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033/1983年7月10日の「The Shape You’re In」 1983年アメリカンツアーのミルウォーキーでの公演でのテイクで、Albert Leeとのバトル演奏がすごくアグレッシブでカッコいい。 Eric Claptonの1980年代前半のオフィシャルライヴ音源は、シークレットポリスマンズコンサートと、ARMSコンサートというチャリティーコンサート以外は日の目を見ておらず、ライヴ活動が地味に思われがちな時期である。 たしかに1980年から82年にかけては潰瘍で入院、交通事故、アルコール依存症治療などが重なり停滞時期ではあったが、1983年に入ってからは再び精力的にライヴ活動を行っている。 1983年のツアーでは、この時期より後半も演奏するようになった「Layla」もよいが、なんと言ってもAlbert Leeとの掛け合いを聴くことができる「The Shape You’re In」が素晴らしい。 ここではClaptonのギターが素晴らしい出来というよりも、Albert Leeのリードプレイやバンド全体の疾走感がカッコいい。Eric Clapton名演ではなくEric Clapton & His Band名演といったところか。 この曲に関してはツアーのどの日もいい演奏をしており、この7月10日が特別よいというわけではないが、代表してこのバージョンを名演としてあげてみた。 中間ソロ、後半ソロ共がClaptonとAlbert Leeとのバトルで気が抜けない。お互いのこれでもかという応酬は非常に熱がこもっており、見事なまでの盛り上がりをみせる。この曲は「Money And Cigarettes」発表後のこのツアーでしか聴くことのできないもので貴重。 YouTubeで「Eric Clapton 1983 07 10 The Shape You're In」検索。 |
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034/Roger Waters、1984年発売のアルバム「The Pros And Cons Of Hitch Hiking」のタイトル曲 最初はなぜRoger WatersのアルバムにEric Claptonが参加しているの?と不思議に感じた。音楽の方向性が一致していないことに加えて、この2人に交友があったと思えなかったからだ。 Pink Floydでは確かにDavid Gilmourはブルージーなギターを弾いていた。でもRoger Watersの音楽にClaptonのトーンが合うのか、効果音とギターがどのように絡むのか、などなど想像ができなかった。 で、いざ聴いてみるとそれがまんざらでもない。最初はややClaptonのギターが軽めに聞こえたが、聞き込むごとにRoger Watersの感情表現にClaptonのギターが応えている、これはミスマッチでもなさそうだと感じた。 アルバム全面に参加しているのでClaptonのギターとしての聴き所は多いが、あえて1曲選ぶとなるとやはりタイトル曲の「The Pros And Cons Of Hitch Hiking」。 イントロからいきなりクラプトン節で始まる。オブリガートもよく、クリアで乾いた音であるがやや軽めのトーン。よくギターが歌っている。そして間奏のソロ、ここはトーンを変えて快活にプレイ。このソロがカッコイイ!主役を完全に食った存在感がある。 なお、この曲は12インチシングルバージョンというのがあって、こちらのソロはアルバムのものとは違うテイク。またギターソロの後にDavid Sanbornのサックスソロも入っている。エンディングも長くその分Claptonのオブリガートも多く聴くことができる。 ちなみにこのセッションでClaptonは、David Sanborn、Michael Kamen、Katie Kissoonと知り合ったという。 |
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035/1994年発売のアルバム「From The Cradle」より「Someday After A While」 ブルースアルバム「From The Cradle」は名演がぎっしり詰まった、Clapton史上、最もギターを弾きまくっているアルバム。 その数ある名演の中から「Someday After A While」。Freddie Kingの16小節で1コーラスという変則的な進行のスローブルースナンバーで、このソロが凄まじいことになっている。 なんといってもビシッと決まったチョーキングの数々。2音チョーキング、同じ2音チョーキングでも徐々にゆっくり音程をあげるポルタメントチョーキング、1音半チョーキングの3連発、22フレットでの1音半チョーキングなどなど、中でも2音チョーキングしてそのままチョークダウン、さらにそのままもう一度2音チョーキングといった技にはびっくり。 このアルバムでは、他にも「Five Long Years」「Groaning The Blues」でのプレイが特に素晴らしい。 |
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036/Phil Collins、1989年発売のアルバム「…But Seriously」より「I Wish It Would Rain Down」 「Behind The Sun」「August」のプロデューサーでもあり、1986年のツアーではメンバーだったPhil Collinsのソロ3作目のハイライトといってもいいこの曲で、Eric Claptonは親友のために惜しげもなく素晴らしいギタープレイをプレゼントしている。 長いソロこそないが、イントロ、オブリガートとも素晴らしく流麗なギターを弾いている。オブリガートはもはやヴォーカルパートを食ってしまっていて、ギターがメインになっている。こういったバラードでのClaptonのソロはヴォーカル以上に唄う。 多くでゲスト参加しているEric Claptonのセッションの中でも、The Beatlesの「While My Guitar Gentry Weeps」などとともに人気も高く、クオリティーも非常に高いもの。 ちなみにこの曲の長いプロモーションビデオにもEric Claptonは参加している。 |
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037/1998年5月29日、カリフォルニア州アナハイムでの「She’s Gone」 「She’s Gone」は2001年のツアーを収録したライヴアルバム「One More Car, One More Rider」でも十分に激しいプレイが聴けるが、1998年ツアーでの演奏に比べるとおとなしく聞こえる。それほどこのツアーでの「She’s Gone」はエキサイティングでヘヴィーな演奏を聴かせてくれる。 1998年のツアーはファンの中でもその評価は賛否分かれるところで、その理由として一番大きいのはAsiaのツアーメンバーなどで活躍している凄腕ギタリスト、Alan Darbyがツアーに同行していることだ。果たしてこの人のギターがClaptonミュージックに合っているのか。 わたしは曲によると思っている。バラードやブルースにはどうかと思うところはある、しかしハードな曲ではいい味が出ている。今までのClaptonミュージックにはなかった味で少々戸惑うが、ロックでハードな曲では2人のギターが絡み合ってお互いが昇華していっているようで聴き応えがある。 そのよい例がこの「She’s Gone」。もしかしたらClaptonはこの曲のために彼を呼んだのではないだろうかとさえ思える。このツアーでは「Layla」はアンプラグドバージョンだったが、エレクトリックバージョンでのこの2人のギターの絡みを聴いてみたかった。 さてこの「She’s Gone」では、Eric Claptonはギターを弾きまくっている。とにかく弾きまくっている。がむしゃらとも思えるほど弾きまくっている。 フレーズ自体はClaptonお得意のよく聴くものだが、それを継ぎ目なくグイグイ押しまくるのは痛快である。 Alan Darbyが素晴らしいオブリガートで攻めてくるので、それに触発されて意地のようにさえ思えるプレイだ。 残念ながらYouTubeには上がってないようだが、「Eric Clapton 1998」で検索すると1998年の別日のライヴがある。その中の「She’s Gone」もこの日のものには及ばないがそこそこ弾いている。 |
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038/The Whoの名盤ロックオペラ「Tommy」のサントラ盤より「Eyesight To The Blind」 The Whoのアルバム参加とはいえ、Eric Claptonオリジナルと言ってもいいほどで、全編でヴォーカルとギターを担当している。 Claptonはこの曲を気に入ったようで、1975年のツアーでは「Why Does Love…」とメドレー形式でセットリスト入りさせ、20分以上にわたりプレイしている。 ここでは非常にシャープでタメの効いた素晴らしいプレイを披露しており、数あるセッションでの名演との呼び声も高いもの。 さらに驚くのは1971年から2年間ほどのドラッグ中毒で活動を休止していたClaptonの復帰後すぐの演奏だということ。この時期にはGeorge Harrisonのバングラデシュコンサートとレインボーコンサートにしか表に顔を出さなかったが、いずれのプレイも精彩を欠くもので痛々しさをも感じるものだった。 それがこのセッションでのこの切れ味抜群のプレイ。さすがとしか言いようがない。 Eric Claptonは映画にも伝道師役で出演し、レスポールを弾き唄っている。これもまたカッコイイ。 サウンドトラックCDでは短いバージョンだが、映画で使われているものは2分以上長く、存分にClaptonのギターが聴ける。 |
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039/1992年9月4日にサンフランシスコ・マウンテンビューでの「Old Love」 この日のEric Claptonは絶好調で名演が多い。前に「Before You Accuse Me」の変化あるソロが名演だと紹介したが、この「Old Love」も同じく素晴らしいものだ。 しかも、この2曲は連続で演奏されたもの。すなわち2曲続きの名演。まさにミラクル。この日のEric Claptonの調子の良さがうかがえる。 「Old Love」は1999年クロスロードコンサートのもの、1990年ニューヨーク・マジソンスクエアガーデンでのもの、そして今回、3度目だがこの3つが甲乙つけがたいClaptonの名演だと思う。 バンド全体で言うと1990年のものは平凡、1999年のものは後半部のTim Carmonのキーボードソロがどうだか、に対してこちらはChuck Leavellのキーボードソロもテンション高いし、なによりNathan Eastのベースソロの表現力が素晴らしい。そういう意味ではこのバージョンが最高。 中間部のソロの始まりが特の素晴らしく、最初の2弦12フレットチョーキング4音だけでノックアウトされる。バリエーションの違うこの4音が本当に素晴らしい。同じポジションの同じ弦で奏でる音だけで、これだけの表現ができて人々を引きつける事ができる、まさにマジック。 もちろんその後のソロもよく、チョーキングビブラートも絶品だし、じっくり座って音を選んで弾きはじめる2度目のソロでの緩急のつけ方はClaptonならでは。ピッキングハーモニクス、ラン奏法のタイミングと回数、いずれをとってみても1級のギターソロ。 また、このソロはずっとAマイナーペンタトニックで弾いているが、ポジションの変化が多く、同じ音程でも違うポジションで弾くことにより音の幅を出している。ポジションが高音域へ移っていくスムーズさと指使いの美しさも素晴らしい。 Claptonの魅力を全部兼ね揃えたプレイだ。 YouTubeで「eric clapton old love mountain view」で検索をかけるとヒットする。 |
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040/Cream2枚目のアルバムから「Sunshine Of Your Love」 言わずもがな…の「Sunshine Of Your Love」。よくEric Claptonの名演として取り上げられる中にこの曲が入っていない事が多いのはなぜだろうか。 ウーマントーンのことばかり取り上げられるが、センスのいいソロを聴くことのできる素晴らしい曲で、もちろんあのリフは最高だし、ソロも名演に値すると思う。 ソロのプレイはClaptonにすればかなり独創的。前半はDマイナーペンタトニックとDメジャーペンタトニックが交互に現れ、いろんなタイプのチョーキングが使われ、タイミングも難しいソロだ。なかなかレコード通りには弾けず結構難易度は高いもの。 出だしの3弦4弦の12フレットを使ってのプレイと、8小節目くらいの3弦10フレットだけを使っての変化とタイミングの難しいプレイが独特。 後半はDマイナーペンタトニックで時にはタメを効かせ、時には流れるように弾き、簡単そうに思えるがポジション移動やチョーキングタイミングなど結構難しい。 演奏の難易度だけでなく、ソロの出だし部分でこの曲とわかる特有のフレーズをもっているのも特徴的。1986年のツアーから復活したこの曲のライヴ演奏時にも多くの場合でもこの部分は意識的に使っている。 |