Eric Clapton名演集(独自選考)1
スタジオ・ライブ・ゲストすべての中からわたしが独自に選考した名演100
(順不同)
未整理未校正(仮公開なので間違いがあるかもしれません)


001/1999年11月24日の日本横浜公演から「Gin House」
これはバンドメンバーのAndy Fairweather Lowがメインヴォーカルをとる曲でEric Claptonはバックに回っている。とは言え、いざソロになるとClaptonのギターが炸裂、素晴らしいソロが2分30秒にわたって繰り広げられている。一般に最高の演奏と言われているCream時代のあのCrossroads以降では最高のソロではないかとわたしは思う。
これはオフィシャル版としての発売はなく、TV放映されただけ。YouTubeなどに動画が上がっているが、ここではその動画を共有しない。YouTubeのことなので著作権等のことはクリアしていると思われ、それをダウンロードしてここにアップするのではなく共有する(埋め込みコードのHTMLをここにコピーして再生する)ことに問題はないと思うが念のため。ご覧になりたい方はYouTubeで「Gin House」と検索するとすぐにわかると思います。
座ってバックに徹した演奏していたClaptonが、やおら立ち上がってワウペダルを踏みながらボトルネックでのゆったりしたソロが始まる。ボトルネックを使っての演奏は最初だけで小指にスライドバーをはめたまま3本指(通常Claptonのリードは小指を使わず3本指でのみだが)での速弾きのリードと移る。その後ワウペダルをいっぱいまで踏み込んでoffとし、ボトルネックも外し、いよいよ名演が始まる。1音半チョーキングの多様、多彩なラン奏法など見せ場も多く、鳥肌が立ってくる。途中、部分的に美しいビブラートのややメロディアスな部分も挿入するところはメリハリもつき、さすがはClaptonと言ったところ。後半には2音チョーキング?も飛び出し、同ポジションでの1音半チョーキングに続いて1音チョーキングと連続さすところもセンスが光る。シメ部分は指癖だけで弾いている印象だが、全編に渡ってハイテンションの演奏が楽しめる。
「Gin House」は2013年のクロスロードギターフェスティバルでのバージョンがオフィシャル盤として音源、映像とも発売されており、そちらも素晴らしいソロなのだが、この1999年のバージョンには及ばないと感じる。また1999年のジャパンツーでの「Gin House」はすべての公演のバージョンを聴いたが11月24日の横浜公演が飛び抜けて素晴らしく感じる。テレビ収録を意識してなのかどうかはわからないが、なにせ素晴らしい。

002/2008年2月28日の「Double Trouble」
Steve Winwoodと一緒にニューヨークマジソンスクエアガーデンで3公演行われたコンサート最終日のこのバージョンが素晴らしい。この曲は1976年から1985年にかけてと1995年のブルースツアーでセットリストに入っており、いずれでも長めのいい演奏をしてはいるが、2008年のバージョンのリードは起承転結もあり非常に構成がしっかりしたものとなっている。
イントロはすぐにこの曲とわかるフレーズから入り、Claptonの頭の中では構築されているのではないかという安定したソロが続く。中間部のソロ、後半のソロとも素晴らしく、特に一発チョーキングがシビれる。1音半チョーキング止め、同じく1音半チョーキング入りフレーズが聴かれ、その正確さと切れの良さはカッコイイの一言。
後半ソロの入りはピッキングハーモニクスで、それから続く盛り上がりとエンディングに静かに移行していくスムーズな流れにはやはりセンスが光るところ。Steve Winwoodの出番がほぼないClaptonの独擅場。なお、ニューヨークマジソンスクエアガーデン3公演でのこの曲は、いずれも甲乙付けがたいいい演奏をしている。
この後もSteve Winwoodとツアーを組んで2011年には来日もしているがこの曲を演奏することはなかった。
このバージョンは「Eric Clapton and Steve Winwood / Live From Madison Square Garden」として音源、映像ともオフィシャルで発売されている。映像はYouTubeで「Eric Clapton Double Trouble」で検索するとヒットする。

003/1970年10月23日セカンドショーの「Why Does Love Got To Be So Sad?」
これは一般的にも名演と言われているもの。オフィシャル盤の「Live At The Fillmore」に収録されている。1970年10月23日にニューヨークフィルモアイーストで2ステージ行われたうちのセカンドショーでの演奏。
その改訂前版とも言える「Derek & The Dominos In Concert」には翌24日のセカンドショーでの演奏が収められている。いずれのコンサートもEric Claptonの歴史の中でも名コンサートとして評価の高いもの。
他にも24日のファーストショーの音源が流出して出回っており聴くことができる。それにしてもこんなにテンションの高いライヴを2日連続2ステージ計4ステージ続けられるものだと今さらながら感心する。
この曲は1曲の中で3種類のイメージの違うリードギターが聴ける。
一つ目はイントロで聴けるワウペダルを使ったファンキーでエネルギッシュなキーAのリード、二つ目は間奏部分のテクニカルで曲調に合わせた変化のあるキーAのリード、三つ目は後奏でのやはりテクニカルで強いイメージからしっとり流麗なイメージに変化していくキーF#のリード×2。お腹たっぷりに3種類4回のいろんなイメージのリードギターが聴けるわけだ。
ギター以外のパートも演奏能力は高く、特にJim Gordonのドラムが素晴らしい。
この曲はこの1970年のDerek & The Dominosのライブ以降は、73年のレインボーコンサート、1975年のツアー、2006年から2009年にかけてのライヴ、2013年のクロスロードギターフェスティバル(The Allman Brothers Band with EC)で演奏されている。

004/1989年12月19日にThe Rolling Stonesのライヴにゲスト参加したときの「Little Red Rooster」
The Rolling StonesのSteel Wheels American TourにEric Claptonは2度ゲスト参加している。1度目は1989年10月19日ロサンゼルスでの公演。Little Red RoosterでRon Woodのギター?を借りての演奏。プロショットの映像が残されておりオフィシャルとして見ることはできないが、借り物での演奏と言うことだろうかイマイチ精彩を欠くもの。
そのリベンジということではないだろうが、ちょうど2ヶ月後12月19日のアトランティックシティでのアメリカツアー最終日の公演にも参加。ここでは自身のギターを持ち込み同曲で素晴らしいソロを披露している。この模様はThe Rolling Stonesのライヴアルバム「Flash Point」に収録されているが、実はこれは編集され後奏の一部がカットされてしまっている。
Mick Jaggerに紹介されClaptonが登場、大歓声のなか静かに始まるLittle Red Roosterは、間奏までのオブリガードも控えめながら的を射ていて素晴らしいが、間奏に入ると水を得た魚のように自由にClapton節ソロを奏で始める。非常にノビがよくタメもきいたもので、ゲスト参加の域を超え、まるで自身のコンサートのように観客を酔わせる。一発キメのチョーキングも連発。
後奏ではピッキングハーモニクスも飛び出し、ここでもClaptonワールドが広がる。本人もすっかり酔いしれて自分の世界に入ってしまっており、途中Mick Jaggerがハーモニカで入ってくるところでようやく我に返るような感じである。この後奏は一部が「Flash Point」ではカットされているのが非常に残念。
さらにLittle Red Roosterが終了後、次のゲストJohn Lee Hooker登場でもステージに居残り「Boogie Chillen」を演奏。こちらはややおとなしめの曲に合わせたソロだがこれまた一聴の価値あり。しかし残念ながらこちらは「Flash Point」には収録されていない。この「Boogie Chillen」はその後、John Lee Hookerが1998年に再録した際にもClaptonはゲスト参加している(The Best Of Friends / John Lee Hooker)。
この模様もプロショットの映像が残されておりYouTube等で見ることができる。「Little Red Rooster Eric Clapton」で検索するとヒットする。なおThe Rolling Stonesのこの日のコンサートにはAxl Rose & Izzy Stradlinもゲスト参加している。

005/Jack Bruceの1987年に発表されたアルバム「Somethin’ Else」に収録されている「Ships In The Night」
このアルバムではEric Claptonは3曲でギターを弾いている。1曲目は「Waiting On A Friend」。2曲目の「Willpower」では重みのあるアグレッシブなオブリガードとソロを聴かせておりこちらも聴き応えは十分である。
そして「Ships In The Night」、このソロは非常にドラマチックであり、見事な構成とメロディーを奏でている。音数を抑えてじっくり聴かせるソロが2分近くも続くが、全く長さを感じさせず、もっと聴いていたいと思わせる、Claptonマジックと言っても良さそうな演奏である。
あるときはもの悲しくしっとりと、またあるときは感情をはき出すかのように激しく、そしてあるときはあまーく、この表現力は見事であり職人の技である。曲自体も美しく優れたもので、エンディングに向かう場面でのEric Claptonのソロがその美しさを一層引き立たせるものとなっている。
お互いのエゴがぶつかり合い分裂・解散したCreamであるが、そんな激しさとは全く真逆のこういった穏やかで美しい曲で2人が共演しているのは何とも不思議な感じがする。ケンカ別れした旧友のためにClaptonはこんな素晴らしい演奏をもって応える、それだけで泣けてきそうなのに、曲や演奏自体も感情たっぷりで泣けてくる。もう涙なしでは聴けない曲である。
この曲はClaptonの数多くあるスタジオゲスト参加の楽曲としてはThe Beatlesの「While My Guitar Gentry Weeps」に並ぶ最高レベルの演奏であると思っている。

006/1991年12月3日の「While My Guitar Gentry Weeps」
1991年George Harrison with Eric Claptonとして来日して全12回公演をした。そのうちの12月3日大阪公演での「While My Guitar Gentry Weeps」でのClaptonのソロが秀逸だ。もちろんこの曲のことである、Claptonの演奏が悪いわけはないのだが、中でも光っているのがこの日のソロ。
間奏のソロもよいが後奏でのClaptonのプレイが最高部類の演奏。とにかくチョーキングビブラート連発、ギターが泣きっぱなし。George Harrisonのソロを挟んで再びClaptonの演奏が始まってからは、申し訳ないがGeorge Harrisonの演奏が雑音に聞こえるくらい表現力に差が出ている。
チョーキングビブラートをこんなにも美しくさりげなく弾けるのはClaptonがやはり一番ではないだろうか。1音半チョーキングをビブラートかけながら徐々にチョークダウンしていく、そう簡単にできるものではない。
オフィシャル発売されている音源では、中間部のソロは素晴らしいが、後奏のGeorge Harrisonの後で入ってくるClaptonのプレイが単調であまりいいように思えない。George Harrisonのプレイがこのバージョンではよかったのかもしれないが、ここはやはりClaptonの演奏あっての曲、彼のプレイの出来を優先にしてもらいたかった。
このオフィシャルテイク、実は編集されたもの。前半は12月14日、後半は12月17日の最終日公演、いずれも東京ドームでのものが組み合わさった形となっている。いいところどり組み合わせはClaptonオフィシャルライヴ音源では「24Nights」の「Pretending」に続く2度目の暴挙。ライヴ音源では編集しないで欲しいですね。
なお12月3日大阪公演音源はオフィシャルではなくサウンドボードでもない。オーディエンス録音によるもので録音状態もあまり良いとは思えないレベル。それでも何度もこのバージョンを聞きたくなる。

007/1968年3月10日のサンフランシスコ・ウインターランドでの「Crossroads」
Eric Claptonの名演と言えはこれを外すわけにはいかないだろう。これには異論はないと思う。
12小節のシンプルなブルースナンバーを3人でこれだけ変化のある緊張した演奏にしているのは、さすがCream。Eric Claptonのギターばかりが取り上げられて名演と言われている節もあるが、Jack Bruceもリードベースと言われているように縦横無尽に弾きまくっているし、2人に主役を奪われてはたまったものじゃないとばかりに主張しまくるGinger Bakerのドラムもこれまたすごい。4分少々という時間内に3人の「これでもか」がギュッと詰め込まれている演奏となっている。
セーノードンではじまるオープニングがまずカッコイイ。Claptonのメインリフは一辺倒ではなく変化がついているし、ファーストソロ、セカンドソロとも文句なく素晴らしい。
ファーストソロはまずメジャーペンタトニックスケールで始まり、すぐにマイナーペンタトニックに移行する。途中はマイナーペンタトニックにメジャーペンタトニックの音を一部織り交ぜながらプレイし、最後にはまたメジャーに戻るという構成。
セカンドソロは概ねマイナーペンタトニックにやはりメジャーペンタトニックの音を一部織り交ぜ、ほぼ17フレットから20フレットまでのポジションのみで弾いている。ポジションを変えずにこれだけ演奏に変化がつけられるのは神業。この1分少々のソロを聴くだけでも値打ちもの。
これはもちろん途中カットなどの編集はなく、一発演奏がなされていることも驚愕。
Cream以降もClaptonはこの曲を多くコンサートで演奏していて彼のテーマ曲のようになっている。その時々でテンポも調子も違うアレンジになっており、プレイスタイルにも年代により変化が見られ、Claptonの歴史を振り返ってみるときに、この曲は彼の演奏スタイルの変化と音楽思考などを知る上での目安となる。
もちろんこのバージョンはオフィシャルで発売されており、Cream3枚目のアルバム「Wheeles Of Fire」に収録されている。
ちなみにスタジオ録音は、Cream結成以前の1966年にSteve WinwoodやJack Bruceらと共にThe Powerhouse名義で行っていて、「What’s Shakin’」という企画アルバムで聴くことができる。

008/1990年4月2日のニューヨーク・マジソンスクエアガーデンでの「Layla」
Laylaの名演も数々ある中、ほとんど知られていないこのジャーニーマン前期アメリカンツアー、マジソンスクエアガーデンのでのLaylaがなかなかの名演だと思う。
この時期のLaylaはイントロがやたら長くて全体で13分を超える演奏となっている。ソロプレイも1980年代後半からこの1990年にかけてが最もエキサイティングで演奏時間も長く聴き応えがある。そんな中でもこの日のプレイは秀逸。
ファーストソロのはじまりは非常にゆったりしたもの。それが途中から急に激しくなる。15フレットから18フレットの間でのラン奏法を含むテクニカルな演奏が続く場面での盛り上がりはすごい。またエキサイティングに弾いていたかと思うと次の瞬間急にメロディアスな演奏に変わる箇所もありセンスが光る。
しかしこのバージョンでの聞き所は後半部分の非常にノビのいいメロディアスな部分のソロプレイ。ゆっくり徐々にチョーキングを強めていってからのビブラート、同ポジションでの連続する音程の違うチョーキングなどをサラッとプレイするところなど、アドリブとは思えないプレイだ。
なお、この4月2日のライヴは気持ちがのっていたのか、Claptonの調子がよく名演目白押し。わたしが一番好きなライヴである。「Old Love」のソロは気迫伝わる非常にエキサイティングなものだし、Daryl Hallが飛び入りする「No Alibis」でのソロも短いが良いし何より楽しそうに演奏している。「I Shot The Sheriff」も「Tearing Us Apart」も最高。
この模様はオフィシャル発売されているものではなく、サウンドボード音源でもないので、音こそよくないがその分反対に非常に臨場感が伝わるもので、YouTubeで「Eric Clapton 1990 madison」で検索すると白いアルマーニのスーツで身を固めたClaptonの動画がヒットする。

009/1992年9月4日にサンフランシスコ・マウンテンビューでの「Before You Accuse Me」
この日のClaptonは非常に調子がいい。次々と溢れるように自然と出てくるフレーズの数々、のびのびとリラックス気味に弾く姿もカッコイイ。その中でも特筆すべきは「Old Love」とこの「Before You Accuse Me」。
「Before You Accuse Me」は単純な12小節のブルースナンバー。それを延々10分を超えて演奏する。後半ソロではリズムを数パターン変えながら、それにあわせた素晴らしいプレイが展開される。
映像を見るとイントロからリラックスしながらも調子がいいことがうかがえる。その通りスタジオ盤とは違った歌い方と、よりリズムを強調した演奏で進んでいく。
中間ソロではポジションを縦横無尽に変えながらのプレイ。次のソロはAndy Fairweather Lowに讓るが、後半ソロになるとClaptonがもう暴走といってもよいくらい自由な演奏を繰り広げる。
完全に体とギターが一体となっている演奏だ。フレーズの繋ぎが絶品で展開も素晴らしい。息つぐ間もない早引きソロも飛びだし、もうClaptonを止める術はないといった感じ。
音量落とした演奏に変わったところでギターの弦が切れるハプニング。ギターを取り替える間の急場しのぎのベースソロを挟んだ後は、ここまでで既にギタープレイを十分に聴かせてくれているのだが、実はここからが一番の聴きどころ。静かなプレイから始まり、音を探すように繊細に弾くかと思えば直感的に弾いたり、テクニック的に言えば、2音をハーモナイズさせて弾いたり、ピッキングの強弱を微妙に付けて弾いたり。
再び曲調が変わると流れるようなソロに変わり、キメのチョーキングも増えてくる。どんどんいろんなスタイルのプレイが出てきて単調さなど全くない。さらにエンディングに向かってプレイは冴え渡り圧巻のソロが楽しめる。
とても10分を超える演奏だとは思えない、内容の濃い素晴らしい名演だ。
このパターンでの演奏は1990年後半からできあがってきたもので、この1992年のツアーまでがこのアレンジでの演奏。その中でもこの日のプレイが一番冴え渡っているように思える。
これはオフィシャルでもないし、サウンドボード録音でもない。音は悪いが大音量で聴くと臨場感がすごく伝わってきてコンサート会場にいるかのような体験ができる。
やはりYouTubeで「eric clapton Before You Accuse Me mountain view」で検索をかけるとヒットする。

010/1999年6月30日にニューヨーク・マジソンスクエアガーデンで行われたクロスロードコンサートでの「Old Love」
Robert Crayとの共作で「Journeyman」に収録されているこの曲は、1989年以降頻繁に演奏され、コンサートのハイライトのひとつとして人気が高い曲。いずれでもEric Clapton十八番の演奏が聴かれ、名演も数々残されている。
今回はその中から、名演として名高いこの1999年のライヴを選んでみた。ドラッグ治療施設「クロスロード・センター」のためのベネフィット・コンサートであるこのライヴには、Sheryl Crow, Bob Dylan, David Sanborn, Mary J. Bligeがゲスト参加、Claptonも気合いが入っていたらしく数々の名演を残している。
この「Old Love」は静かに始まるイントロが美しい。またオブリガードが非常に的を射ていて、その後に始まる間奏への期待が高まる。甘く、激しく、フィンガーピッキングもありバラエティに富むオブリガードである。
そしてソロが始まる。いきなりの一発決めチョーキング、それに続く切ないチョーキングビブラート、さらに非常にタメの聴いたプレイ、ハイポジションでの勢いのあるプレイへの移行……と素晴らしいソロが展開されていく。普通にAマイナーペンタトニックの音だけで弾いているのに何なのだろうこの音のバリエーションは。さらに高音域での張り裂けそうな緊張感と美しさのソロで観客は総立ちとなる。まさに聞き惚れるソロである。
Claptonのソロの後はTim Carmonのキーボードソロとなるわけだが、申し訳ないがわたしはこれが好きになれない。せっかくのClaptonの演奏を興ざめさせてしまっている気がする。人それぞれで好き嫌いがあるとは思うが、わたしはこれがなじめないので編集してキーボードソロをカットして聴いている。
この模様は「Eric Clapton and Friends In Concert」として映像がオフィシャル発売されており、YouTubeでも「Eric Clapton Old Love」と検索するとトップでヒットする。

011/1996年6月20日にイタリア・モデーナでの「Holy Mother」
異色な取り合わせのライヴ音源。オペラ歌手Luciano Pavarottiが主催する世界の戦争孤児救済のためのチャリティーコンサートにEric Claptonが参加してPavarottiと「Holy Mother」等で共演をしている。このコンサートにはElton JohnやSheryl Crowらも参加し、そこでもClaptonは演奏している。
さて、その「Holy Mother」では、最初はClapton、途中からキーを変えてPavarottiが歌い、最後はClaptonのソロプレイで締めるというもの。そのラストのソロプレイが美しい。
弾いているフレーズは今までに聞いたことのあるものばかりで目新しさや、この曲特有のというものはなく、非常にオーソドックスなものだが、その連続するフレーズの繋ぎ方やスムーズな演奏が格好良く美しい。
4フレットにカポを付けての演奏なので、ノンカポより弦の張りが強いのにチョーキングも正確で、このあたりの感覚もさすがだ。
Claptonはギタリストとして誇大評価がなされているとか、ClaptonのギタープレイはDerek & The Dimonosまでとかよく言われていることだが、確かにテクニシャンでもないし、独特の奏法を持ち合わせているわけでもない。
でもこの曲のようなソロを聴くと「上手い」と思う。自然と起承転結ができている。職人の技とでも言おうか。
非常に無駄のないスムーズな指使いや、ネックを握る手を浮かせて腕全体でビブラートをかける奏法など、ギターの弾き方の美しさも魅力のひとつだと思う。
このバージョンはCDだけでなく映像盤もオフィシャルで発売されており、映像盤の方がClaptonが演奏する曲が多く収録されている。もちろんYouTubeでもすぐにヒットする。

012/1986年7月15日のイギリス・バーミンガムでの「White Room」
1985年ツアーの6月から始まった後半ツアーでは前半の「Blues Power」にかわって「White Room」が演奏されるようになった。「White Room」のライヴ演奏は1968年Creamのフェアエルコンサート以来のことである。1985年の「White Room」はちょっと軽い感じがしてしっくりこなかったが、メンバーを総入れ替えで行った1986年のツアーでは重みが増してよくなったように思う。
さてこのバージョン、どうして名演に選んだのかというと、音数も多くて勢いのあるプレイなのはもちろんのこと、人差し指でのあり得ないチョーキングをいとも簡単にやってのけるところがその理由である。
ソロが始まって39秒、2弦10フレットの音を人差し指で1音チョーキングをかけている。5弦や6弦で人差し指を使って下方にクオーターチョーキングする事や、高音域でもちょっと変化が欲しいときに同じように人差し指で僅かなチョーキングをすることがあっても、なかなか1音のチョーキングは聴けるものではないし、できるものでもない。
このバージョンでの映像でそれは確かめられるのだが、これ以前また以降のClaptonの演奏映像を見る限り、このような奏法をしているのは他にないような気がする。映像で見る以外でのライヴではしているのかどうか、音声を聴くだけでは人差し指の1音チョーキングなのかどうか、なかなかわかるものではないが、滅多にこの奏法はしていないと思う。
この超チョーキングが飛び出した後も、ラン奏法や中指薬指での1音半チョーキングなどもあって素晴らしいソロが続く。1990年ロイヤルアルバートホールでの「White Room」(24Nights収録)もよい演奏だと言われてはおり、また1987年に発売されるはずだった幻のお蔵入りライヴアルバムでの収録予定バージョンは、同じ時期でも1987年1月のロイヤルアルバートホールでのものが採用されるはずだったが、わたしにはこちらのバージョンの方がはるかに魅力を感じるプレイだと思う。
このバージョンは「The Eric Clapton Concert」というタイトルで映像がオフィシャル発売されている。YouTubeでも「eric clapton white room」で一番にヒットする。

013/1967年10月15日のミシガン州デトロイトでの「N.S.U.」
1967年8月から10月にかけてCreamは初めてのアメリカツアーを行っている。その最終日デトロイトでのプレイがものすごい。Creamの最高の演奏が聴ける。名演だらけのこのライヴの中でも「N.S.U.」でのテンションの高さは強烈。あふれ出るフレーズの嵐をフルボリュームで弾きまくっている。それも10分以上にわたって。
Creamの名演と言えばオフィシャル発売もされているあの「Crossroads」が有名。この演奏に異を唱える者はいないだろう。しかしこれが特別上出来の演奏かといえば、この日のライヴ音源を聴いてみると、そうではないことがわかるだろう。もちろん日により出来不出来はあるが、この時期のCreamは常にハイクオリティーな演奏を続けている、そこがこのバンドまたClaptonが驚異的たる所以。
このバージョンはサウンドボード音源であるが、オフィシャル発売はされていないのは非常に残念。
しかしYouTubeで「n.s.u. cream detroit」で検索するとヒットして映像こそないが演奏は聴くことができる。

014/2001年8月18日ロサンゼルスでの「River Of Tears」
2001年Eric Claptonはこのツアーをもって、今後世界ツアーは行わないと宣言した。12月の日本公演では、これでClaptonの姿を見るのは最後かと、感慨にふけりながら聴いたものだ。
このツアーから8月18日のロサンゼルス公演を中心に、一部12月11日の東京公演の模様も収録されたライヴ盤「One More Car, One More Rider」がオフィシャル発売されている。「Tears In Heaven」「Sunshine Of Your Love」「Over The Rainbow」それに「Layla」の後奏が東京でのもの。「Layla」は2テイクの合成なんですね。ちなみにこの映像盤の方はロスでのものばかり。
でも映像は12月4日の東京公演のものが撮影されテレビ放映されている。この日本公演で特筆すべきことは「Layla」をアンプラグドバージョンとエレクトリックバージョンで2回演奏していること。1974年1975年のツアーでは酔っていて同じ曲を2回演奏したことが何度かあるとは聞いているが、しらふでは初めてのことではないだろうか。もちろんUnpluggedのように収録目的で行われたもの以外は。
えらく前置きが長くなったが、この8月18日のロスでのライヴはオフィシャル発売されるほどクオリティーの高いもの。その中でも「My Father’s Eyes」「River Of Tears」でのソロプレイが秀逸。
「River Of Tears」は「Pilgrim」に収録されている曲でスタジオ盤ではライヴで聴かれるような壮大なソロパートがない。平凡な曲だと思っていたがライヴ演奏でこうも化けるとは想像できなかった。
そのドラマチックなソロはエンディングで聴ける。特にこのバージョンはドラマチックさが群を抜いており、ハイポジションへの登り詰める部分のタメの効いた演奏など身震いするほどである。
YouTubeで「eric clapton river of tears」で検索すると12月4日の東京でのものが一番に、このバージョンが2番目にヒットする。

015/1985年に発表されたアルバム「Behind The Sun」に収録されている「Just Like A Prisoner」
「Behind The Sun」は、1984年3月-4月に、カリブ海に浮かぶモントセラト島(イギリス領)のエアースタジオにて、Phil Collinsをドラムスとプロデューサーに迎え、心機一転録音されたアルバム。
アルコールを断ち、積極的に曲を書き、Eric ClaptonもPhil Collinsも納得のいくアルバムが仕上がった。ところがワーナーがヒットしそうな曲がないのでという理由で却下。何曲か差し替えろと言ってきたという。
仕方なく再び12月にロスでスタジオ入りし、ワーナーが用意した「Forever Man」など3曲を、これまたワーナーの手配でJeff Porcaro, Steve Lukather, Lindsey Backinghamなどといったミュージシャンを迎えて新たに録音し、これらに差し替えて発売に至ったという経緯のあるアルバム。
「Just Like A Prisoner」は前半に録音されたもので、「Same Old Blues」とともにギタープレイが光る曲。
「Forever Man」はプロモーションビデオも制作されシングルヒットし、シャープなギターソロも聴ける名曲ではあるが、このアルバムでのハイライトはやっぱりギターが大きくフューチャーされた、この2曲に尽きると思っている。
とにかくこの曲でのClaptonは全編でこれでもかとギターを弾きまくっている。スタジオ盤でこれだけ弾きまくっているのはいつぶりだろう。「Slowhand」収録の「The Core」以上だし、Derek The Dominos以来じゃないだろうか。
イントロから好演だと予感させるシャープなプレイで、オブリガードもひとつひとつ力強い。
ファーストソロではソフトでビブラートをよく効かせたハートに響く切ないプレイを、セカンドソロではファーストよりもハードにそれでも切なさを残しつつ、そしてアウトロの長いソロ。
キンキンに張り詰めたハードで息の抜けないプレイが展開される。ライヴ演奏のように弾き、観衆を感動させるプレイである。このソロはClapton自身もPhil Collinsも非常に気に入ったようで、フェイドアウトさせることなくしっかり最後まで編集なしでCDに収録している。
ライヴ映えする曲のように思うが、Behind The Sunツアーではごく初期にのみ演奏されただけで、その後は「Lay Down Sally」に置き換えられてしまったのは残念。

016/1968年3月9日サンフランシスコ・ウインターランドでの「Sunshine Of Your Love」
Creamは1968年2月からアメリカツアーを行っており、始まって間無しの3月7日8日9日10日の公演の模様が録音されている。この中から数々の曲がオフィシャル発売されており、どれもが素晴らしい演奏で、この時期のCreamは脂がのっていたことを証明している。
「Live Cream Volume 」に収録されているこの「Sunshine Of Your Love」は、そのうち9日のセカンドショーでのもの。
Eric Claptonも気分がいつも以上に乗っていたのか、通常ライヴでは2コーラスとっている中間部のソロを3コーラスというロングプレイしている。ちなみに1986年のライヴから復活して演奏されたこの曲のソロは通常1コーラス(2005年のCream復活コンサートでは2コーラス)。
ここでのソロは縦横無尽に弾きまくるというより丁寧に弾いている印象を受ける。フレーズも洗練されたもので、勢い任せで自然とわき出てくる直感的プレイではなく、頭でフレーズを組み立てからそれを指に伝達して冷静にプレイしているかのようなイメージとでも言おうか、中期以降のClaptonのソロに似ているような気がする。
Creamでの「Sunshine Of Your Love」ライヴは、他のCreamの曲に比べてたくさんのバージョンをオフィシャルで聴くことができるが、このバージョンが間違いなくベストテイクだろう。

017/恒例ロイヤルアルバートホール公演、1990年2月10日の「Layla」
恒例化してきた新春ロンドン・ロイヤルアルバートホール連続公演。この年はシンプルな4ピースバンドで6夜、ツアーメンバー9人にホーンセッション4人を加えた13ピースバンドで6夜、Robert CrayとBuddy Guyを迎えてのブルースバンドで3夜、Michael KamenをコンダクターにNational Philharmonic Orchestraとの共演で3夜、計18回のコンサートを行っている。
そのうちラジオオンエアされた2月10日のオーケストラとの共演バージョンでの「Layla」が、中間ソロが非常に美しい流れをもつ滑らかでかつテンション高い演奏で、名演と言えると思う。
この時期の「Layla」は長めのソロで、この日はそれらと比べれば少し短めだが、アドリブと言うには予め構成できていたかのような完成度で、無駄がなく、聞き惚れるソロだ。ソロ後半で徐々に高音域のポジションに上がっていくところの流れが特に美しい。
後半はオーケストラ主体で始まりClaptonは控えめ、でも中間のソロだけでも十分満足いくバージョンだ。
なお前日の2月9日は撮影されて英国ではTV放映があった。18公演すべてで正式に録音され、4つのバンド形態1公演ずつは録画され、これらの抜粋編集で新しいライヴ盤の発売が企画されていた。
ところが13ピースの出来がしっくりこなかったと言う理由で企画は持ち越された。そして翌1991年の新春ロンドン・ロイヤルアルバートホール公演も同じように録画録音され、1990年のものと併せて2年越しでライヴアルバムの完成を見たのだった。ただ1991年は13ピースバンドの代わりにホーンセッションを抜いた9ピースバンド(ジャーニーマンツアーの基本バンド)となった。
そのアルバム「24Nights」にはオーケストラバージョンとしては「Bell Bottom Blues」「Hard Times」「Edge Of Darkness」の3曲が収録されているが、「Edge Of Darkness」のみCDとDVDではバージョンが違う。DVDでは他の2曲と同じこの「Layla」の演奏された前日1990年2月9日のもの、CDは1991年3月8日のものだ。
この「Layla」は素晴らしい演奏だったにもかかわらず日の目を見なかったが、コンサートオープニングのオーケストラのみの演奏の「Layla」は、「24Nights」からシングルカットされた「Wonderful Tonight(9ピースバージョン)」のカップリングで収録されている。
この2月9日の映像版と10日の映像無し版はいずれもYoutubeで「Eric Clapton with the National Orchestra」と検索するとヒットする。9日と10日を聞き比べるのも面白い。

018/1970年10月16日フィラデルフィアでの「Why Does Love Got To Be So Sad?」
Derek & The Dominos は10月11日にUKツアーを終えるやいなや、15日からUSAツアーを始めている。それも休養日をあまり設けず1日2回公演もこなしている。
そのUSAツアー2日目のフィラデルフィアでの「Why Does Love Got To Be So Sad?」が凄まじい。特に中間部のソロがこれでもかとグイグイ押してくる。非常にテンション高く、息つぐ間もないソロが4分弱続く。
Jim Gordonのドラムも聴き応えあり、このテイク自体が「Why Does Love Got To Be So Sad?」最強であると思う。
前にこの数日後に行われて、オフィシャルライヴアルバムにも収録された「Why Does Love Got To Be So Sad?」を紹介した。これも一般に名演といわれているものだが、中間部のソロだけで言うとこちらはそれを凌ぐもの。
Youtubeで「Why Does Love Got To Be So Sad Philadelphia」と検索するとヒットする。

019/1988年11月2日、東京武道館での「I Shot The Sheriff」
1988年Eric ClaptonはバンドメンバーにMark Knopfler、ゲストにElton Johnと共に日本にやってきた。
この時の東京武道館での模様がTV放映された。この中では「Crossroads」と「I Shot The Sheriff」の出来が良い。
Mark KnopflerのギターがClaptonミュージックに合っているのかどうか多少疑問はあり、「White Room」「Tearing Us Apart」「Layla」といった曲では弱さが目立つ。
「I Shot The Sheriff」の演奏は毎回ハイライトとなるもので好演は多く、名演をひとつ選べと言われても決めかねる。
この日の「I Shot The Sheriff」は際だった名演とか、すごい演奏をしているとかではなく、非常にまとまって完結し、いわゆるよくできたソロになっている。リフとリフの組み合わせとタイミングが見事で流れが美しい。最近ほどの強弱はつけていないが変にピョンピョンした箇所もなく・・・ピョンピョンした、って軽い跳ねた感じのリフで構成されたラン奏法箇所で、2000年代に入ってClaptonがよく使うものでわたしはあまり好きでない・・・わかるだろうか?
YouTubeで「eric clapton i shot the sheriff 1988」検索するとヒットする。

020/1994年11月8日、サンフランシスコ・フィルモアでの「Groaning The Blues」
1994年から95年にかけてはブルースオンリーでのツアーを行った。全編ブルースソング、代表曲と言えば「Crossroads」くらいのもので「Have You Ever Loved A Woman」「Before You Accuse Me」くらいは馴染みがあるだろうが、一貫してのブルース、コンサート後半に行くに従って徐々に盛り上がる構成もよく、圧巻のライヴだった。
その中でもハイライトの一つでもあったのが「Groaning The Blues」。しかし1994年のツアーでは必ずセットリストに入っていたものの、1995年からは「Early In The Morning」になったり、その後日本ツアーでは「Double Trouble」「Early In The Morning」「Groaning The Blues」が日替わりとなった。
この曲はアルバム「From The Cradle」のラストを飾るもので、スタジオ版としてはかなりの入魂ソロが聴ける(一発録り)が、それをも上回るソロを展開しているのがこのライヴバージョン。とにかく弾きまくり、1音半チョーキングもばっちり決まっていてこの上なくカッコイイ。
このサンフランシスコ・フィルモアでの11月7日8日9日の3日間は正式に録音・撮影されている。
Claptonの数々あるオフィシャルライヴアルバムには、この頃のものはなく、人気の高かったブルースツアーだっただけに是非とも正式にライヴ盤を発売して欲しいものだ。(※のちに2022年「nohing but the blues」としてオフィシャル発売された)
YouTubeで「eric clapton groaning the blues」検索するとヒットする。Tシャツがグレー?の方です。


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