ハムぐるモニタシステム98featuringハム電モニタ(1998)


当ギャラリーでは、昨年「ハムぐるモニタシステム」及び「ハムぐるモニタシステムG」によって、ハムスターの知られざる(ウソ)習性を 明らかにした。

ところで世の中は今、「リサイクル」が大きくクローブアップされている。
消費するだけの生活はやめて、限りある資源をもっと大切にしようという考えである。
エネルギーもムダに消費されるのでなく、有効利用したいところである。

そんなことを考えながら、「おはちどん」(ハムスターの名前)が回し車を回しているのを眺めていた。
「このエネルギーを役立てられないだろうか・・・・」

ねずみ等の回し車を動力源にしたシステムは、昔からマンガの世界ではありがちである。
しかし、現実問題としてハムスターにどれだけの発電能力があるのだろうか?
もしかしたら、電池を充電できるくらい能力があるかも・・・

そこで、この問題を解決するために当システムを開発した。
ハムスターが発電タービンを回すことにより、直流モータに電流が発生する。
この値を電流計で測定し、パソコンにデータ転送し、集計するしくみである。





これが発電タービンだ!  





<ブロック図>
とはいえ、「ハムぐるモニタシステムG」の結果からもわかるように、彼等は一日中回し車を回しているわけではない。
ある時間帯だけ集中的に回しているだけで、1日の間で見ればむしろ回していない時間の方が長い。

そこで、回転センサをモニタし、発電タービンの回転が検出されたら、ある一定時間電流の測定を行なうことにした。
電流の測定には、IWATSUのマルチメータSC−7413を使用した。パソコンとのI/FはGP−IBを使用した。

回転センサは、「ハムぐるモニタシステムG」のものを流用した。
どうせなら、回転数もモニタしたい。
しかしプログラムの方は、マルチメータのリモート制御処理もこなさなくてはならないためそのままでは処理が追従できない。
そこで、パソコン負荷率のより低い「ハムぐるモニタシステム」を改造することにして、回転センサを計測ユニットのマイクロスイッチと置き換えた。
また、回転数モニタに加えて、回転を検出したら「ハム電モニタ」を起動し、一定時間電流値を測定するようにした。

かくして、ソフトウェアの方は「ハムぐるモニタ98」として生まれ変わった。
ところで、発電量はどのように算出すればよいのだろうか。
1時間当たりの電力としてWh(ワットアワー)に換算してみる。
とりあえず、24時間の総電力を求めて、24で割ることにしよう。

では、電力はどう求めるのか。
電力P(W)は1秒間の仕事量であるから、1秒ごとに測定した電流値I(A)とモータの内部抵抗r(Ω)より、
   P= I^2 * r
この総和ΣPを求めれば、総電力が求められる。(ということにしよう。あまり深く追求しないこと。)



−結果報告−

「おはちどん」の場合。


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