電話でのご予約・お問い合わせはTEL.090 1850 0528
〒181-0013 東京都三鷹市下連雀7-14-21-312
骨盤の説明
―目次―
骨盤の形成
骨盤の関節
骨盤の靭帯
骨盤の筋肉
骨盤の神経
仙腸関節の解剖学
仙腸関節の生力学
仙腸関節の組織学
仙腸関節の病理学
仙腸関節の臨床学
仙腸関節の研究発表1
仙腸関節の研究発表2
骨 盤 の 形 成
1. 一般的解釈(上半身&下半身)
人体は、上半身&下半身に分けられ「骨盤は境界帯」となっています。
・上半身裸になる(臍の位置→骨盤上縁)
・仰向けで寝た姿勢から上半身を起こす(股関節屈曲)」。
2. 解剖学的判断(軸骨格&下肢)
骨盤は「軸骨格最下部(仙骨尾骨)+下肢最上部(寛骨)」で構成されています。
・軸 骨格:頭蓋骨+脊柱(人体縦軸→頸椎胸椎腰椎仙骨尾骨)+肋骨+胸骨」
・付属骨格:上肢骨(鎖骨+肩甲骨+上腕骨+前腕骨+手の骨)。
・付属骨格:下肢骨( 寛 骨+大腿骨+下肢骨+足の骨)。
・寛 骨:脊柱最下部、仙骨両側にある左右1対の耳型の骨。
・寛 骨:仙骨は骨盤中央、腸骨は左右に張り出している骨。
・寛 骨:腸骨&坐骨&恥骨という3つの骨が骨結合する骨。
・寛 骨:大腿骨を受ける股関節臼形成は腸骨+坐骨+恥骨。
・寛 骨:仙腸関節は左右1対、中心軸の仙骨+1対の腸骨。
・寛 骨:仰臥位から上半身起こし屈曲支点となるのは坐骨。
骨盤は「3つの関節(仙腸関節&腰仙関節&股関節)」
「1つの結合(恥骨結合)」
「1つの連結(仙尾連結)」があります。
骨盤の仙尾連結は、屡、真の関節を形成している事があります。
3. 思春期に骨化する骨盤(子供の骨盤→大人の骨盤)
子供時代骨盤は「軟骨結合(硝子軟骨組織)」
思春期に骨盤は「骨 化(硝子骨)」が生じ、骨盤の男女差は著しくなります。
この硬い骨組織は、人体の成長と共に大きさ&形状は変化し、骨再生は生涯を通して行われています。
骨 盤 の 関 節
1. 腰仙関節は「仙骨+第5腰椎」が「平面関節(1個)」を形成しています。
腰仙関節を形成する第5腰椎は、脊柱の一部ですが腸骨が仙骨を囲む事により骨盤内に凹んでいる。
腰仙関節を形成する第5腰椎は、上記理由の為に「骨盤に含むor含まない」の見解相異があります。
2. 仙腸関節は「仙骨+左右の腸骨」が「平面関節(1対)」を形成しています。
仙腸関節は「仙骨が左右の寛骨が形成するハート型」の間にクサビ状に入っています。
3. 股 関節は「左右の寛骨が形成する関節臼+大腿骨頭」が「球関節」を形成しています。
4. 恥骨結合は「左右の恥骨が形成する線維軟骨結合(椎間円板等)」
5. 恥骨結合は「様々な骨盤位置から計測される骨盤線の基準」となっています。
骨 盤 の 靭 帯
―骨盤を支える靭帯の位置―
腰仙関節の靭帯:6種類があります「腰椎⇔仙骨腸骨」
仙腸関節の靭帯:2種類があります「仙骨⇔腸骨」「仙骨⇔坐骨」
股 関節の靭帯:2種類があります「恥骨⇔坐骨」「大腿骨⇔寛骨」
恥骨結合の靭帯:1種類があります「恥骨⇔恥骨」
仙尾連結の靭帯:1種類があります「仙骨⇔尾骨」
―靭帯名―
1. 骨盤の3つの関節+1つの結合+1つの連結を支える靭帯
腰仙関節(腰椎⇔仙骨腸骨) :前縦靭帯、後縦靭帯、棘上靭帯、棘間靭帯、横突間靭帯、腸腰靭帯
仙腸関節(仙骨⇔腸骨の主靭帯):骨間仙腸靭帯、前仙腸靭帯、後仙腸靭帯
仙腸関節(仙骨⇔坐骨の副靭帯):仙結節靭帯、仙棘靭帯
股 関節(大腿骨頚 を包む):輪帯、
(大腿骨 ⇔寛 骨 ):大腿骨頭靭帯、腸骨大腿靭帯、坐骨大腿靭帯、恥骨大腿靭帯、
(恥 骨 ⇔坐 骨 ):寛骨臼横靭帯、
(腸 骨 ⇔脛 骨 ):腸脛靭帯、
(腸 骨 ⇔恥 骨 ):鼠径靭帯、
(鼠径靭帯⇔恥 骨 ):裂孔靭帯、恥骨櫛靭帯、反転靭帯、
恥骨結合:上恥骨靭帯、恥骨弓靭帯
仙尾連結:浅後仙尾靭帯、深後仙尾靭帯、前仙尾靭帯、外側仙尾靭帯
(説明)黄色靭帯は腰仙関節には存在しないので記載していません。
(説明)大腿骨頭靭帯は股関節臼側から大腿骨側へ血管を導きます。
(説明)寛骨臼横靭帯は股関節臼前方の凹み部分を補強しています。
(説明)腸脛靭帯は大腿筋群を包む大腿筋膜を垂直方向補強線維束。
(説明)鼠径靭帯は外腹斜筋下端にあり腸腰筋経路&血管経路形成。
(説明)裂孔靭帯は恥骨際の小さな弓状靭帯で鼠径靭帯内側付着部。
(考察)存在しない走行『腰椎⇔坐骨恥骨』『仙骨⇔恥骨』『腸骨⇔腸骨』『坐骨⇔坐骨』
(考察)骨盤全体的走行『腰椎⇔骨盤⇔大腿』となり直接靭帯骨格筋が支持しています。
(考察)仙腸関節は『腸骨⇔仙骨⇔腸骨』となり「固定性運動性」を兼ね備えています。
(考察)骨盤固定は『骨盤上部が強く&骨盤下部は弱い』それが骨盤の機能性の様です。
(考察)仙腸関節は『骨盤上部にあり&上半身重量支持力+下半身運動性』を持ちます。
(考察)仙腸関節は『骨盤上部にあり&扇の要』と言われますが『構造的問題点を持つ』
(考察)仙腸関節は『仙骨は沈む傾向にある』と言われ『腸骨を押し下げる改善が必要』
(施術)中川整体治療院は骨盤療法に加え生理的問題を改善し自然治癒力活性致します。
骨盤の筋肉
胸腰筋膜:強靭な筋膜。腸骨稜~肋骨12番、深背筋群を前後から包む。
胸腰筋膜:腰背部&胸背部に分かれ、その延長に「項筋膜」があります。
胸腰筋膜:腰背部は腱膜様となり「広背筋」等の起始ともなっています。
胸腰筋膜:腰背部は「浅板&深板」に分かれ、両者は脊柱外縁で合する。
胸腰筋膜:浅板は脊柱起立筋を後側から包み、深板は前側から包みます。
胸腰筋膜:合した後「腹横筋膜」に移行「腹横筋&内腹斜筋」の付着部。
腰 三角:外腹斜筋&広背筋&腸骨稜で囲まれた筋肉層が薄く弱い部分。
腰 三角:ここで腰ヘルニアが生じますが腰三角が無い場合もあります。
腰 三角:外腹斜筋が無く、内腹斜筋&胸腰筋膜が隙間に露出する部分。
――背部の筋(人体後面)――
上半身⇔骨盤:胸腸肋筋(脊柱下部伸展側屈、起始は仙骨腸骨下部腰椎棘突起⇔停止は肋骨角5~12)
上半身⇔骨盤:胸最長筋(脊柱全体背屈側屈、起始は仙骨腸骨下部腰椎棘突起⇔停止は胸椎肋骨角腰椎)
上半身⇔骨盤:広背 筋(上腕後方移動、 起始は仙骨腸骨腰椎胸椎 7~12⇔停止は上腕骨小結節稜)
上半身⇔骨盤:腰方形筋(肋骨引き下げ、 起始は腸骨稜腰椎突起 ⇔停止は肋骨12&腰椎突起)
(説明)脊柱起立筋群は「腸肋筋(外側)」「最長筋(中部)」「棘筋(椎骨直上部)」に分かれます。
――腹部の筋(人体前面)――
上半身⇔骨盤:錐体 筋(腹直筋作用補助、起始は恥骨⇔白線)
上半身⇔骨盤:腹直 筋(体幹屈曲&胸部引下げ骨盤引上げ、起始は肋骨軟骨5~7⇔停止は恥骨)
上半身⇔骨盤:腹横 筋(体幹屈曲&肋骨引下げ腹圧亢進、起始は腸骨稜&下部肋骨内面&鼠径靭帯等⇔停止は腹直筋鞘)
上半身⇔骨盤:内腹斜筋(体幹屈曲側屈&肋骨引下げ、起始は腸骨稜&鼠径靭帯等⇔停止は肋骨10~12&腹直筋鞘)
上半身⇔骨盤:外腹斜筋(体幹屈曲側屈&体幹回旋&胸部引下げ、起始は肋骨外面5~12⇔停止は腹直筋鞘&白線)
(説明)白線は左右腹直筋の間にある白色腹筋腱膜。
(説明)腹直筋鞘は腹直筋を入れる扁平な鞘、白色腹直筋腱膜で形成されています。
――下肢の筋(人体前面&人体内部&人体後面)――
下肢の筋は「骨盤筋=寛骨筋(内骨盤筋)」「骨盤筋=寛骨筋(外骨盤筋)」「大腿筋」に分けられます。
[内骨盤筋=寛骨筋(人体内部)]
上半身⇔骨盤⇔下半身:腸腰 筋(上半身固定で股関節屈曲、腰椎腸骨内面⇔大腿基部内側)
(下半身固定で体幹部屈曲、腰椎腸骨内面⇔大腿基部内側)
[外骨盤筋=寛骨筋(人体前面&人体後面)]
骨盤前面⇔下半身:大腿筋膜腸筋(股関節屈曲、腸骨外面⇔大腿外側下腿外側)
(膝関節屈曲、腸骨外面⇔大腿外側下腿外側)
骨盤後面⇔下半身:大臀筋(股関節伸展外転、仙骨尾骨腸骨坐骨外面⇔大腿外側)
骨盤後面⇔下半身:中臀筋(股関節外転内旋、腸骨外面⇔大腿外側大転子)
骨盤後面⇔下半身:小臀筋(股関節外転内旋、腸骨外面⇔大腿外側大転子)
骨盤後面⇔下半身:梨状筋(股関節外転伸展、仙骨前面⇔大腿外側大転子)
骨盤後面⇔下半身:上 双子 筋(股関節外旋内転、坐骨外面⇔大腿外側転子窩)
骨盤後面⇔下半身:下 双子 筋(股関節外旋内転、坐骨外面⇔大腿外側転子窩)
骨盤後面⇔下半身:内 閉鎖 筋(股関節外旋外転、坐骨内面⇔大腿外側転子窩)
骨盤後面⇔下半身:外 閉鎖 筋(股関節外旋内転、坐骨外面⇔大腿外側転子窩)
骨盤後面⇔下半身:大腿方形 筋(股関節外旋内転、坐骨外面⇔大腿外側転子間稜)
(説明)股関節内旋主作用筋は無いので、股関節内旋力は総合力となります。
[大腿筋(人体前面&人体後面)]
骨盤前面⇔下半身:大 腿 直 筋 (股関節屈曲、腸骨前面⇔大腿前面下腿前面)
(膝関節伸展、腸骨前面⇔大腿前面下腿前面)
骨盤前面⇔下半身:縫 工 筋 (股関節屈曲外転、腸骨前面⇔下腿内側)
(膝関節屈曲内旋、腸骨前面⇔下腿内側)
骨盤前面⇔下半身:恥 骨 筋 (股関節屈曲内転、恥骨前面⇔大腿内側)
骨盤前面⇔下半身:長 内 転 筋 (股関節内転屈曲、恥骨前面⇔大腿内側)
骨盤前面⇔下半身:薄 筋 (股関節内転屈曲、恥骨前面⇔下腿内側)
(膝関節屈曲内旋、恥骨前面⇔下腿内側)
骨盤前面⇔下半身:短 内転 筋 (股関節内転屈曲、恥骨前面⇔大腿内側)
骨盤前面⇔下半身:大 内転 筋 (股関節内転伸展、恥骨前面⇔大腿内側)
骨盤後面⇔下半身:大腿二頭筋長頭(股関節伸展内転、坐骨外面⇔大腿後側⇔下腿外側)
(膝関節屈曲外旋、坐骨外面⇔大腿後側⇔下腿外側)
骨盤後面⇔下半身:半 腱様 筋 (股関節伸展内旋、坐骨外面⇔大腿後側⇔下腿内側)
(膝関節屈曲内旋、坐骨外面⇔大腿後側⇔下腿内側)
骨盤後面⇔下半身:半 膜様 筋 (股関節伸展内転、坐骨外面⇔大腿後側⇔下腿内側)
(膝関節屈曲内旋、坐骨外面⇔大腿後側⇔下腿内側)
(説明)大腿直筋は「大腿四頭筋の一種」
(説明)股関節内旋筋=内股を主動作する筋はありませんので、股関節内旋は多数の筋による総合力。
(説明)人体は「上半身⇔骨盤⇔下半身」となっています。
(説明)上記の関係が「骨盤or全身」に対する直接的間接的施術の効果となっている様です。
――骨 盤 底 筋――
骨盤底は、2つの部位に大別出来ます。「会陰部」「坐骨直腸窩」
・会 陰 部:狭義の会陰部「肛門↔泌尿生殖器の間(男子は肛門陰嚢間5cm~6cm&女子は肛門↔膣前庭後縁)」
・会 陰 部:広義の会陰部「骨盤出口(恥骨結合下縁~尾骨先端~左右坐骨結節の菱形領域)」
・会 陰 部:上記範囲の皮下脂肪部。
・坐骨直腸窩:上記の深い陥凹を成す筋膜部。
・坐骨直腸窩:「肛門挙筋~内閉鎖筋~尿生殖壁膜の領域。
・ダグラス窩:女性特有の内臓陥凹部(直腸子宮窩)男性の場合は直腸膀胱窩を言います。
・ダグラス窩:腹膜腔最下部の為、膿or癌細胞等が溜まる重要所見部位。
(人体の最下部である足底は老廃物蓄積+浮腫+全体重支柱運動疲労が出現)
骨盤底は、2つの隔膜から成っています。「骨盤隔膜」「尿生殖隔膜」
・骨盤 隔膜:主に肛門挙筋で形成されています。
・骨盤 隔膜:恥骨&閉鎖筋膜から起こり、漏斗状に走る筋性膜(肛門&肛門尾骨靭帯)。
・骨盤 隔膜:「会陰筋」「骨盤筋膜」に大別されます
:会陰筋の形成は「肛門筋群(肛門挙筋等)」「尿生殖筋群」。
:会陰筋の肛門筋群は、漏斗状骨盤底形成。
:会陰筋の肛門筋群は、骨盤臓器支持装置。
:骨盤筋膜は、骨盤内臓↔骨盤壁の結合組織性被覆。横筋筋膜の続き。
・尿生殖隔膜:恥骨弓に張っている結合組織性&筋性の膜壁。
・尿生殖隔膜:中央は男性で尿道&女性で尿道膣が貫きます。
骨盤の神経
――神経系分類――
1. 形態的分類
中枢神経系は「脳~脊髄(腰椎1番~2番迄)」。
末梢神経系は「上記以外。脳脊髄神経&自律神経」。
2. 機能的分類(神経は混合する為厳密に分類する事は困難)
脳脊髄神経は「大脳小脳⇔受容器」を連絡します。
脳脊髄神経は2種類あります。
「脳 神経12対(脳幹より出る)」
「脊髄神経31対(脊髄より出る)」
自律神経系は「交感神経」「副交感神経」
自律神経系は「脳幹⇔自律神経(交感神経副交感神経)」
「脳幹は大脳小脳を除く、延髄&橋&中脳&間脳等」
自律神経系は、下記2種類の走行があります。
「血管、特に動脈に巻き付き並走する場合」
「脳脊髄神経に混在して並走する場合」
『脊髄神経は左右対称性』→頚神経8対&胸神経12対&腰神経5対&仙骨神経5対&尾骨神経1対
『脊髄神経は前枝&後枝』と大別出来ます。
『脊髄神経前枝』を大きく3種類に分類します。
① 頚腕神経叢(頚神経1番~4番を頚神経叢&頚神経4番~胸神経1番を腕神経叢)
② 肋間神経 (神経叢を形成しない&胸神経1番~12番)
③ 腰仙骨神経叢(胸神経12番~腰神経4番を腰神経叢&腰神経4番~仙骨神経5番を仙骨神経叢)
(説明)下半身へ豊富な神経を送る中枢神経膨大部は「胸椎9番~腰椎2番」
(説明)上記理由から上半身下半身の神経系的境界は「胸椎9番~腰椎2番」
(説明)上記理由から上半身下半身の骨格筋的境界は「小腰筋付着部の胸椎12番」
(説明)上記理由から上半身下半身の骨格系的境界は「腸骨稜&股関節(一般的)」
(説明)上記理由から上半身下半身の骨格系的境界は「仙腸関節(軸骨格⇔下肢)」
――背部の筋の神経支配――
『脊髄神経後枝』は、背中に分布し「運動+知覚」を支配しています。
上半身⇔骨盤:胸腸肋筋「脊髄神経後枝」
上半身⇔骨盤:胸最長筋「脊髄神経後枝」
上半身⇔骨盤:広背 筋「頚腕 神経叢→腕神経叢→鎖骨下神経→胸背神経」⇒上腕後方移動+上腕内旋
上半身⇔骨盤:腰方形筋「腰仙骨神経叢→腰神経叢」
――腹部の筋の神経支配――
上半身⇔骨盤:錐体 筋「肋間神経」「腰仙骨神経叢→腰神経叢→腸骨下腹神経」
上半身⇔骨盤:腹直 筋「肋間神経」
上半身⇔骨盤:腹横 筋「肋間神経」「腰仙骨神経叢→腰神経叢→腸骨下腹神経&腸骨鼠径神経&陰部大腿神経」
上半身⇔骨盤:内腹斜筋「肋間神経」「腰仙骨神経叢→腰神経叢→腸骨下腹神経&腸骨鼠径神経」
上半身⇔骨盤:外腹斜筋「肋間神経」「腰仙骨神経叢→腰神経叢→腸骨下腹神経」
――下肢の筋の神経支配――
[内骨盤筋]
上半身⇔骨盤⇔下半身:腸腰 筋「腰仙骨神経叢→腰神経叢→大腿神経」
[外骨盤筋]
骨盤前面⇔下半身:大腿筋膜腸筋「腰仙骨神経叢→仙骨神経叢→上殿神経」
骨盤後面⇔下半身:大臀筋「腰仙骨神経叢→仙骨神経叢→下殿神経」
骨盤後面⇔下半身:中臀筋「腰仙骨神経叢→仙骨神経叢→上殿神経」
骨盤後面⇔下半身:小臀筋「腰仙骨神経叢→仙骨神経叢→上臀神経」
骨盤後面⇔下半身:梨状筋「腰仙骨神経叢→仙骨神経叢」
骨盤後面⇔下半身:上 双子 筋「腰仙骨神経叢→仙骨神経叢」
骨盤後面⇔下半身:下 双子 筋「腰仙骨神経叢→仙骨神経叢」
骨盤後面⇔下半身:内 閉鎖 筋「腰仙骨神経叢→仙骨神経叢」
骨盤後面⇔下半身:外 閉鎖 筋「腰仙骨神経叢→腰神経叢→閉鎖神経」
骨盤後面⇔下半身:大腿方形 筋「腰仙骨神経叢→仙骨神経叢」
[大腿筋]
骨盤前面⇔下半身:大 腿 直 筋「腰仙骨神経叢→腰神経叢→大腿神経」
骨盤前面⇔下半身:縫 工 筋「腰仙骨神経叢→腰神経叢→大腿神経」
骨盤前面⇔下半身:恥 骨 筋「腰仙骨神経叢→腰神経叢→大腿神経&閉鎖神経」
骨盤前面⇔下半身:長 内 転 筋「腰仙骨神経叢→腰神経叢→閉鎖神経」
骨盤前面⇔下半身:薄 筋「腰仙骨神経叢→腰神経叢→閉鎖神経」
骨盤前面⇔下半身:短 内 転 筋「腰仙骨神経叢→腰神経叢→閉鎖神経」
骨盤前面⇔下半身:大 内 転 筋「腰仙骨神経叢→腰神経叢→閉鎖神経」「坐骨神経叢→坐骨神経」
骨盤後面⇔下半身:大腿二頭筋長頭「腰仙骨神経叢→仙骨神経叢→坐骨神経」
骨盤後面⇔下半身:半 腱様 筋「腰仙骨神経叢→仙骨神経叢→坐骨神経」
骨盤後面⇔下半身:半 膜様 筋「腰仙骨神経叢→仙骨神経叢→坐骨神経」
〔仙腸関節メモ〕
仙腸関節は「仙骨+腸骨(寛骨)」により形成されています。
仙腸関節は「耳状面(弓状で耳の形状)」と呼ばれています。
仙腸関節は「半関節(平面関節、関節運動は極僅か)」です。
仙腸関節は「多軸性&加重関節」という加重分散機能を持つ。
仙腸関節は、軸骨格⇔下肢の連結により骨盤全体運動となる。
仙腸関節は、男女差があり「男性は粗面的」「女性は平滑的」。
仙腸関節は、男性の方が老化は早い(60歳頃の男女比較)。
仙腸関節は「不動関節」と言われていましたが「関節構造(関節腔&関節軟骨&関節包&靭帯&滑膜&滑液)」がある為、恥骨結合の回転運動&仙骨寛骨のたわみ&股関節運動等が加わり骨盤全体運動として働き、軸骨格運動+上肢下肢連動が連動して全身運動となります。男性骨格の完成は、女性よりも遅く、骨盤に関しては男性の方が運動制限&化骨化&老化が早く、その為に60歳頃の男性では摩擦係数が大きくなります。また女性の場合、リラキシンというホルモンが子宮膜K細胞から分泌され、仙腸関節&恥骨結合を緩める作用を持ちます。月経開始から約1週~10日目迄&妊娠出産時に分泌され、妊娠4カ月~出産後5カ月までは骨盤が良く動く時期です。
・上半身の呼吸運動は、吸気で前方湾曲運動⇔呼気で後方湾曲運動の仙骨運動となります。
・上半身の呼吸運動である仙骨運動は、脳脊髄液循環にも関与するという報告もあります。
・脊髄神経は、前枝&後枝の他に「硬膜枝」という細い神経が再度脊柱管内に進入します。
・脊髄硬膜に分布し知覚を支配。更に「交通枝は脊髄神経&交感神経を連結」しています。
仙腸関節の解剖学
「仙腸関節の肉眼解剖学(一致しない関節面)」
仙腸関節の肉眼的解剖としては、上部より下部の方が大きく、仙骨側は凹面&腸骨側は凸面となりますが、仙骨側&腸骨側の形状は異なり、完全には一致しないが関節包に包まれているので問題はない。ある発表では、男女共に仙骨は上部が厚く、女性の腸骨は仙骨側と同様に上部が厚いが、男性の腸骨は上部が薄いという解剖結果もあります。仙腸関節の位置は、第2仙骨部が一番凹凸の大きな部分で、必ず関節構造となっている様です。仙腸関節は第1~3仙骨部にある事が多く(87%)次いで第1~2仙骨部(7%)第5腰椎~第2仙骨部(1.5%腰椎仙骨化)以下、第1~4仙骨部、第2~3仙骨部、第6腰椎~第2仙骨部(過剰腰椎)、第6腰椎~第3仙骨部(過剰腰椎)となっていました。
(考察)人体中心である軸骨格側仙骨面が凸面ではないのは、人体中心部が擦り減らない為?
「仙腸関節の比較解剖学(同一ではない関節面)」
ニホンザル&ヒヒ&オラウータンは、生活様式の違い&直立姿勢の度合いなどにより仙腸関節の形状&大きさに違いがあると言われます。
(考察)生活様式&直立姿勢により地面に対しても脊柱に対しても水平であった仙骨に骨盤傾斜変化&仙腸関節面変化という骨格系変化が現れたと解釈出来、また種族の違いによる仙腸関節の組織的成分の違いも関係すると思います。ヒトも含めて共通して言える事は、生活様式&直立姿勢の状態に合わせて仙腸関節はバランス変化の影響を受け形態変化しています。この仙腸関節と言う骨格系は「皮膚骨格筋⇔神経系」に対して受動的運動を行いながら「重力方向変化に対する姿勢バランス(人体の合理性)」が仙腸関節影響を与えています。それが人体の姿勢状態に応じた仙腸関節の形態変化を生じる事になり、良好な形態変化であるか?良好なバランスであるかどうかは別問題の様です。
(施術)足の長さの診断による施術(姿勢反射&骨盤療法)は、人体の姿勢反射に良好な指向性を与えます。
「仙腸関節の顕微解剖学=組織学(硝子軟骨&線維軟骨)」
仙腸関節は、「仙骨(5個の仙椎)」「寛骨(腸骨&坐骨&恥骨)」により構成され、思春期までは軟骨結合、以降は骨結合となり仙腸関節面に縞模様が現れます。
『骨の表面は緻密質&骨の内面は海綿質で、圧力を逃がす方向へ線維が走行しています』
仙腸関節の組織学的特徴として、仙骨側関節面は硝子軟骨、腸骨側関節面は線維軟骨で多量の膠原線維を含み丈夫に出来ていますが、仙腸関節は老化が早い関節で、早ければ20代に始まります。この仙腸関節の悪化は、男性は女性の2倍悪くなり易く、女性の場合出産回数と仙腸関節の組織学的悪化は関係ないとされています。
仙腸関節の生力学
「仙腸関節の生力学(ベアリング効果+ツインカム効果?)」
仙骨&左右の寛骨の関係は「腸骨は仙骨にぶらさがっている」「仙骨は腸骨に楔状に入り込んでいる」と表現される事があります。相反する表現ですが両者とも正しい表現と考えられ、前者は骨盤上部に強靭な靭帯があり軸骨格に付属骨格が付着しているという見方です。そして後者は、下半身の上部支柱である腸骨に「仙骨(上半身重量)」が食い込んでいるという見方となり「仙骨は沈む傾向にある」という現象を表現していると思います。また「仙骨側&腸骨側は相補的」であると言えます。それは右へ引っ張る歪みは、左側に補充作用を起こさせ、その引っ張る力が無くなれば補充作用も無くなるが右側に残った歪みが存在すれば左側にも違った作用が発生する現象で人体の歪み&バランスを表現していると思います。また女性よりも男性の方が重心は前方にある、という報告もあります。
(考察:骨盤のツインカム&カムシャフト効果)
仙腸関節面凹凸が一致しない事は、関節面は多数の点で支えられている事になり、仙腸関節内は複数のベアリングで運動性を維持している事になります。更に仙腸関節面全体像は、平面同士が連結し多軸性を持つ為にベアリング効果があると言われ、また仙腸関節は弓状をしている為に長軸方向への回転軸は仙腸関節の外側にあり、仙腸関節で連結している骨盤の重力線は寛骨臼後方にあり下肢からの重力線は寛骨臼の中央を通るので回転作用が発生しています(作用反作用に於ける仙腸関節⇔股関節の回転機能)。機械に例えるならば、ベアリング効果のある仙腸関節で軸骨格と連結している左右の寛骨は『ツインカム』、仙腸関節の外側にある回転軸が『見えないカムシャフト(左右の仙腸関節の横軸)』。このツインカムは、回転運動作用のある下肢骨と連結し、動力源である下半身の動きを骨盤と連動させ「仙腸関節のベアリング効果&骨盤全体の運動」を「軸骨格(仙骨脊柱→縦軸)」に連動していると思います。この脊柱は複数の椎間関節を持つ為に『脊柱はジョイントを持ったカムシャフト』となり、下半身の回転運動が多軸性を持ち脊柱へ上行する事になると思います。
(備考)『胴体は物理的機能的中心体』
この骨盤は、仙骨に付属骨格である寛骨が付着する事により下部胴体を形成し&肩甲骨が付着する事により上部胴体を形成し、両者の付着により「胴体は物理的機能的中心体」となります。胴体は、人体の中心部位にあり、立方体をした人体中最も重量がある「物理的中心体」となります。そして上肢骨下肢骨の接合部である寛骨&肩甲骨が付着する事により骨格筋との連結連動が可能となる為に頭&首&手&足という付属物を動かし遠心力として利用出来る「機能的構造を持った中心体」となり、両者を合わせて「物理的機能的中心体」と表現しました。更にこの「胴体」に頭蓋骨+頸椎を加えると中枢神経系の経路が完成して「体幹部」となり、上肢下肢が付着して「上半身下半身」を形成しますので、胴体には強力な固定部位が「胴体上部(肩甲骨部)&胴体下部(骨盤部)」の2か所に存在する事になります。
そして人体を形成する全系統は上半身にあり、上半身上部には生命維持に直結した脳&心臓&肺があり頭部の個性的活動&上肢との連携により創造を実現し様々な作業を行え、上半身下部には摂取物質産生吸収排泄+人体中最大の細菌叢を持ち「神経系⇔効果器(生命維持活動を中心とした皮膚+骨格筋+関節という腰部骨盤部下肢骨+脊柱を中心軸とした上半身とのバランス)」により脊柱直立二足歩行を行っていますので、骨盤療法は下半身の付着している為の悪影響が全身に及ぶ事を改善し、仙腸関節&下肢の連結連動を応用する事が骨盤療法の特殊な治療効果となっている様です。
仙腸関節の病理学&臨床学
「仙腸関節の病理学(副仙腸関節の形成)」
腸骨翼&第5腰椎横突起部の部分に副仙腸関節(本来人体には無い疑似関節)があった症例もあります。仙腸関節が動くから副仙腸関節は動き&仙腸関節が動かなければ副仙腸関節も動かない、という関係で、余分に出来てしまった副仙腸関節も関節炎を起こします。また右仙腸関節が老化し易く、仙腸関節&腰椎共に前屈時に非常に弱くなる角度があり、ギックリ腰は重い物を持った為ではなく前屈角度による事が大きいと言われます。
(考察)考古学的にも疑似関節を持った人骨が出土しており、遺伝的傾向&疾患&怪我&日常生活習慣の良不良などが考えられます。
「仙腸関節の臨床学(仙腸関節の痛む疾患)」
敗血症&椎間板感染症&淋疾&尿道感染&骨髄炎&虫垂炎&悪性腫瘍&後腹膜膿瘍&坐骨神経痛&関節円板ヘルニア&強直性脊椎症等。
仙腸関節の研究発表1
「研究発表1(仙腸関節発生から70歳代までの経過)」
妊娠7週~8週で「仙骨5個&腸骨」が出来ますが、腸骨は仙骨の後ろに隠れています。妊娠10週で関節腔が出来、関節腔&軟骨組織の間から滑膜が出来ます。滑膜が出来る時期は下肢の中で一番遅く、因みに顎関節は仙腸関節より遅い。妊娠4カ月で可動関節となる。妊娠5カ月で仙腸関節は成人と同様となるが、組織的には硝子軟骨&線維軟骨は混じり合っている状態です。生後~10歳までは線維が増加し関節は大きく発達し仙腸関節全体で運動可能。10歳~20歳代は仙骨側&腸骨側で関節形状が異なってくる。仙骨側耳状面中央部は陥凹し、腸骨側耳状面中央部は隆起し、それが運動制限となり、仙骨側が黄色を帯びてくる(胎児はクリーミーホワイト)。30歳~40歳代は、仙腸関節面のすべり回転が可能となるが、骨増殖体が出現し、結節が出来る。50歳~60歳代は、軟骨退化が起り、不純物が多くなる。腸骨側の青色が無くなり(胎児は青色)運動制限が起る。70歳代は、関節内骨性強直。(この発表には個体差があると考えられます)
(考察)仙腸関節の完成過程&組織の劣化は、様々な要素が重複進行していると思います。
(考察)座位開脚上半身前屈の柔軟体操は小学校入学頃より硬くなり始めます。
(考察)上記柔軟性を維持する事で仙腸関節の完成を良好にする事が出来るのでしょうか?
(考察)人体の良好な発達は様々な要因が関係していると思われます。
(考察)座位閉脚上半身前屈も含め様々な柔軟性維持はバランス改善&関節良好発達が望めるのでは?
仙腸関節の研究発表2
「研究発表2(仙腸関節の研究発表歴)」
西暦1750年、滑膜の発見
西暦1850年、滑液の発見
西暦1860年、可動関節である事を発表
西暦1900年、関節腔&関節包の発見
西暦1920年、男性は女性より強直し易い
西暦1924年、骨性癒着&線維性癒着の結節(男性に多い)
西暦1930年、加齢による関節変化が著しい(男性に多い)
西暦1937年、副仙腸関節の発見(卵円形で第2後仙骨孔に多く、加齢増加、男性に多い、人種や性別で出現率に違い)
西暦1938年、胎生2カ月で関節腔出現を発見(7か月以降関節全体に拡大、思春期以降に溝隆起出現)
西暦1952年、加齢と共に変化
西暦1953年、結核性仙腸関節炎の研究
西暦1954年、仙腸関節の形状&運動(形が運動規制)
西暦1961年、南アフリカ女性に副仙腸関節が多い
西暦1962年、仙骨の関節軟骨は腸骨の3倍厚い(新生児仙骨は硝子軟骨、徐々に線維軟骨化し膠原線維増加)
西暦1966年、脊椎強直症と仙腸関節癒着の関係
西暦1967年、リウマチ性仙腸関節炎(男性)
西暦1974年、骨盤の動き(2つの直行するレントゲンビームで立体的調査)
西暦1975年、腸骨軟骨の退化が著しい
西暦1976年、両側仙腸関節炎でも片側の訴えしかない事がある(亜脱臼では聴診器で聴診可能。最大の弱点は直立姿勢により水平構造が垂直になった事)
西暦1978年、女性50人仙腸関節シンチグラフィーで炎症22人(片側36%両側64%)仙骨は沈む傾向にある(GANT)座位で腸骨は接近する(COLACHIS ETEL)
西暦1979年、腰痛は仙腸関節も原因の一つ(`66初回ぎっくり腰の原因不明80%~90%,腰痛患者300人に仙腸関節局部麻酔効果あり)
西暦1980年、骨盤に掛る負荷は分散する。腰痛は仙腸関節が原因(GRIEVE)。
西暦1982年、仙腸関節はベアリング(ベアリングが狂うと遠隔部位にも影響)
西暦1983年、仙腸関節の機能は不明
〒181-0013
東京都三鷹市下連雀7-14-21-312
TEL 090 1850 0528
プライバシーポリシー