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アルバム「MIDIAN」から

MIDIANアルバムからの余談

CRADLE OF FILTHの「MIDIAN」の歌詞は、小説を読んでも全て理解するのは困難。コンセプトはそうだろうけど、全編「ミディアン」ネタではないように思う。最小限の設定で構成された映画版のみでは難しいかもしれないけれど、ていねいに読んでいけば感じる所もある。

“Cthulhu Dawn”は、アルバム中では一番影響が濃い。小説版での、クライマックスのミディアン崩壊のシーンを思い出す。でも、新地も言ってたのだが、何故Cthulhu なのかは、よくわからない。小説にラヴクラフトなり、クトゥルー神話なりのオマージュが登場するわけでもない。

“Lord Abortion”は、どことなくデッカー博士の曲のような気がする。ちょっと単純すぎな気がするが、「後部座席には骨用のこぎり」というくだりがあったので。

アルバム1曲目のインスト“At The Gates Of Midian”とか、J.K.ポッターによるジャケットとか、凄く荘厳なイメージがあるが、映画のミディアンの門は、朽ち果てた廃虚の壊れかかった鉄の門。

MIDIANアルバムから想像すると、「夜の種族達の街」ミディアンが異次元の世界のように思えるけれど、ナルシスが「アサバスカ川の北西、ピース・リバーの東、シェア・ネックのそば、ドワイヤーの北」と説明して、ブーンはちゃんと辿り着いていた。

Daniは某誌のインタビューで、「ミディアンは社会のクズどもの為の安息の地になるはずだった」と言っていたが、その安息の地であるはずのミディアンは、ブーンが原因で結局崩壊してしまう。彼は夜の種族の救世主であるのだが、そのあたりの疑問や謎は持ち越しされた(※)。救世主を待ち望む所や、苦難や困難に耐え忍ぶ所、掟に縛られる所といい、ユダヤ人を連想させるが、バーカーはそのあたりを意識して描いているのだろうか?

そんな夜の種族達の天敵は、当然のごとくキリスト教徒。映画の方ではバベットが、キリスト教徒による夜の種族の虐殺の光景を、夢としてローリーに見せていた。

「MIDIAN」は、比較的色々なバンドがモチーフにしているらしく、英語版Wikipediadではいくつかのバンドが紹介されている。もちろんCRADLE OF FILTHもある。そこでは紹介されていないが、触発された人間はメタル物でもやはり多いらしく…

アメリカのバンドCABALが「MIDIAN」というアルバムを1990年にリリースしている。アルバムジャケットも、なんとなく映画に出て来たクリーチャーっぽいが、何故私がそれを知っているかというと購入したからで、何故購入したかというと、もちろんバンド名とタイトルに馬鹿ウケしたからである。音楽性はスラッシュ。悪くない出来だが、バンドはこの一枚だけで消滅した。中心人物はキルジョイで、彼はアントン・クロウリー(フィリップ・アンセルモ)&その妻君と共にVIKING CROWNを構成している。

蛇足だが「CABAL」を検索したら、他に6つも同名バンドがあったよ…そのほとんどはマトモに活動しないまま消えた模様であるが。CABALって案外、呪われた名前かもしれない。

(※)持ち越しされたどころか、調べてもこれの続編がでている形跡がない。どーなってるんだろう。