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last update 07/08/27

 

 

出力管

ホ−ム

5極・ビーム・電力増幅管

3極電力増幅管

TV用 偏向出力管

送信管

真空管 解体新書

   

現代管球の最終形・TVから送信機用途まで

3. TV用 偏向出力管

 

水平偏向
出力管


 水平出力管は管種が多いように見えますがメーカーの都合や、スニベッツ対策による改良で多品種が作られました。
 TVインチサイズ別と電源電圧でシリーズ化されており、規格が酷似していて大別すると4〜5系統しかないようです。この中でも25E5系は国産品でも多数の系列があり最大のヒット作。

水平出力管やレギュレーター管をオーディオ用に転用するようになると、もう完全に”病気”
テクニカルな設計を好み、良好なDFを多極管で実現し、大出力を搾り出そうと日夜励むわけです。 ^^!

B/Wダブラ220v用: xDQ6・xBQ6〜
300/600mA用: 25E5・xBB14・xGB7〜
初期カラ−用: xCL5〜
中期カラ−用: xDQ5〜
大型カラ−用: xJS6・xKD6

  B/WT用

6BG6

黎明期
220V
90°偏向

6BG6-G RCA

Ep=700V/20W、Sg2=350V/3.2W
gm=6000、rp=25K

6L6系の送信管807をオクタルベースに換え水平偏向出力管へ換装したもの。

6BG6-G 東芝 技術情報

無線と実験(昭和30年)

  6BQ6族
14インチ

220V
90°偏向

 

6BQ6GT(ZENITHとSYLVANIA)

Ep=550V/11W、Sg2=175V/2.5W
gm=5500、rp=20K

専用水平出力管の原点

6BQ6GTB(RCA)

Ep=600V/11W、Sg2=200V/2.5W
gm=5900、rp=14.5K


6BQ6の最終形 箱型プレート

6G-B6

 

左から6G-B6 6本/ 右25E5/12B-B14 (東芝製)

Ep=600V/11W、Sg2=200V/2.5W
gm=5900、rp=14.5K(6BQ6互換と公表)

左から
初期 6GB6  マツダブランド プレート厚 約7mm
2本目6GB6  東芝ブランド  プレート厚 約7mm
3本目6GB6  東芝ブランド  プレート厚 約9mm これ以降内部サブプレート付き
4本目以降   丸型ゲッタ−の採用でゲッター飛散防止兼用雲母板がなくなっている
5本目以降   東芝ブランドをベースへプリントしている
比較用25E5系東芝ブランド  プレート厚 約9mm 12BB14とはオクタルベースの違いのみ

3本目以降は多品種(12G−B3等)の量産化のために部材が共通化されている。従ってバービアンスなどの仕様は25E5に近いものgm=10000以上)と思われる。

xDQ6系
220V

 

6/12DQ6A(写真は日立製)

Ep=770V/18W、Sg2=220V/3.6W
gm=6600、rp=20K

12DQ6(頭頂部)


25E5系
220V

 

25E5 (英フィリプス)

Ep=250V/11W、Sg2=250V/5W
gm=14000、rp=5K

英フィリプス製。バルブ頭頂部にブリテンと書かれている。KT88などど同様に、頭頂部にゲッタ−飛散防止兼用雲母板がある。
 水平偏向管においての最大のヒット作。
 トッププレートでなければ、6CA7?

25E5 (SYLVANIA)

シルバニアブランドだが made in japan。
おそらくNEC製と思われる。頭頂部のゲッタ−飛散防止兼用雲母板の代わりにゲッター下側に放熱器兼用金属製の防止板を使用。
 
 内部サブプレート翼の採用で驚異的なゼロバイアス電流を誇る。12G-B3など亜種は10種ほどある。

カラーTV用

米国系


 

6CB5

Ep=700V/23W、Sg2=200V/3.6W
gm=8800、rp=5K

6550Cや6GB8の原型になった。

6CD6GA/6CB5

Ep=700V/20W、Sg2=175V/3W
gm=7700、rp=7.2K

6CD6は6CB5と6CL5の中間。
gmの違いで、選べるようにシリーズ化していたのか?各々G2フィン以外見分けがつかないほど。

 

6CL5 (GE後期)

Ep=700V/25W、Sg2=200V/4W
gm=6500、rp=6K

このタイプの見分け方はグリッドではなく、スクリーンに放熱器があるのが特徴。日本製にはないタイプ。 オクタルベース
6CB5A(gm=8800、rp=5K)より20%ほどgmが低め。6JS6Aより10〜20%程度小振り。

 マグノ−バル

 

6JS6A (東芝)

Ep=990V/28W、Sg2=190V/5.5W
gm=11300、rp=5.6K

写真は八重洲FT101Sの終段管のもの。
6KD6/6JS6A・CタイプはHF終段やリニアに多用された。この為在庫が払底している。 6JS6Cはプレートに放熱翼を追加して、プレート損失を高めたもの。

 

6JS6A (底面ステム)

雲母スリットや形状、電極材質は最終段階にきている。
6DQ5と特性がほぼ同じ、定格が少し大きい。
入れ物を変更した為のよう。

 

6KD6

Ep=990V/33W、Sg2=200V/5W
gm=14000、rp=6K

 
 八重洲FTDX40xの終段管につかわれたことで有名。25E5から見るとプレート損失を3倍にしたイメージ。

6JS6/6KD6

垂直偏向
出力管

 

9RA6/6RA6(6.3V 0.9A)

Ep=550V/10W gm=8500 rp=1.75k μ=15

9RA6(TOP)

電極構造から純3極管であることがわかる。
オーディオ用に使用するのには少し内部抵抗が高い。
60mA/100V(EC1=0V)

6GA4
100mA/100V(EC1=0V)

 

左 6BM8/50MBM/16A8/8B8
右 18GV8

Pen  Ep=550V/7W Sg=550V/1.8W
gm=6800 rp=15k

Tri Ep=550V/1W
μ=70 gm=2200 rp=32K*


オーディオ用にも繁用された。
古典的な設計の3極管部と内部抵抗の低い5極管部は小型アンプには絶好。
AB固定バイアスで10Wクラス。人気の高さに6GW8など類似管が次々作られたがいずれも6BM8を超えられなかった。  18GV8と3極管部との比較。18GV8の3極管部の大きさは6BM8の半分程度。

18GV8(18V 0.3A 松下)

Pen  Ep=250V/7W Sg=250V/2W
gm=7250 rp=25K

Tri Ep=250V/0.5W
μ=50 rp=9K gm=5500

 オーディオ用としても6BM8をさらに適正化している。仕様上は使ってみたくなる球である。 ただ外観的にみると3極管部が異常に小さくプレート損失は0.5Wしかない。

 中古球を見ると、入手したすべての管において3極管部で劣化が観察できるところから、TV用途に対し定格が不足していることが分かる。球の仕様とTV設計者の意図がずれたのであろう。 次期TVを設計する際、TV設計者は実績のある過去の回路と置き換えを計るのが普通だからである。定格においても過去の球と上位互換がないと市場クレームが発生する確率が高くなるということである。入手の際は必ず未使用球を求めること。

 

6LU8(GE)

Pen  Ep=400V/14W Sg=300V/2.5W
gm=9300 rp=12k

Tri Ep=400V/2.5W μ=58 rp=16K

USA トランスレスカラーTV用で6BM8を大型化した規格のよう。オーディオ用にはrp、μsgとも最適な値。5極PP、AB1固定バイアスで 20Wクラスか?

13EM7(ZENITH) 13V/0.45A

Tri1 Ep=330V/1.5W μ=64 gm=1600 rp=40K 
Tri2 Ep=330V/10W μ=5.4 gm=7200 rp=750


6BM8の5極管部を3結にして1まわり大型化した規格のよう。オーディオ用にはrp、μsgとも最適な値。3極PP、AB1固定バイアスで 10Wクラス?