ピアノ協奏曲ではないピアノ協奏曲 |
作成日:2008-04-12 最終更新日: |
古典派の作曲家は、ピアノとオーケストラのための作品を、 ほとんどは協奏曲(コンチェルト)という名称で生み出だした。 ロマン派以降は、 必ずしも協奏曲という名称になっていないことが多くなった。 そこで、協奏曲という名前を持たない、 ピアノとオーケストラのための協奏的作品を列挙しよう。
モーツァルトはピアノ協奏曲を数多く作った天才であるが、 ピアノ協奏曲以外にもピアノとオーケストラの作品を残している。 そのほとんどが、最初はピアノ協奏曲の楽章として作られたが、 後に別の曲に差し替えられたため、独立した楽曲として残ったものである。
ピアノと合唱を伴った「合唱幻想曲」Op.80 がある。まれに、交響曲第9番「合唱」の前座として取り上げられる。
これらの協奏的作品は、 ピアノ独奏曲のショパンとは異なる書法で書かれている、 と指摘されることがある。 私はそうは思わないが、ピアノ独奏曲よりは外面的な効果を狙っている、 言い替えればオーケストラに負けないという力が強いように思える。
シューマンについての項も参照してほしい。
ピアノ協奏曲は残していないフォーレだが、 ピアノとオーケストラのための作品は2曲残している。 バラードは若いころの、幻想曲は老年の作品で、 その作風の対照が印象的である。
フォーレを敵対視していたドビュッシーには、 奇しくもフォーレと同じ名のピアノとオーケストラの作品が存在する。 色彩豊かなオーケストラに乗ってピアノがダイナミックな転換するさまは、 ドビュッシーの才能をよく表している。
ラフマニノフの作品には、 ピアノ協奏曲と同じ程度に、 パガニーニの主題による狂詩曲は知られている。 名高い第18変奏のおかげであろう。
ガーシュウィンにはピアノ協奏曲(ヘ調)もあるが、 あまり知られていない。同一作曲家の作品を比べて、 協奏的作品のほうが有名なのは珍しいことだが、 それだけ、このラプソディー・イン・ブルーには魅力が溢れている、 ということだ。
2台ピアノのレパートリーとして定着した ルトスワフスキのこの曲には、管弦楽とピアノの版がある。
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