ショパンならではの、ソナタの秩序から破綻したピアノソナタ。 第1楽章のソナタ形式は忠実に守られているのだが、それぞれの楽章の個性があまりにも強いのだ。 有名な葬送行進曲はこのソナタ第3楽章にある。第4楽章はユニゾンだけで押しまくる驚きの楽章。
第2番とは対照的に、ソナタとしての秩序が際立つ作品。わたしはこちらのほうが好きだが、 ショパンのファンは第2番を好む人が多いだろう。
全4曲ある。
夜想曲(ノクチュルヌ、ノクターン)は、フィールドが祖であるが、ショパンが発展させ、完成させた。
舟歌のような軽さも併せ持つ。右手の重音はけっこうメカニックで、スカルラッティに先例がある。
劇的という形容が似合う作品。
3連音符が続の伴奏に緩急をつけて伸びる旋律との対比が美しい。
私は夜想曲の中での最高傑作がこの作品であると思っている。
落ち着いた冒頭主題とシンコペーションで切迫する中間部の対比が見事だ。
昔から有名だった第2番と対比して、最近有名になったのがこの第20番である。私の感覚では、 映画「戦場のピアニスト」で使われてから有名になったような気がする。ショパンのピアノ協奏曲などで使われている旋律がところどころ顔を出す。
「ミラシド」で始まる簡素な作品。