モーツァルト ピアノ名曲解説

作成日:2006-09-17
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ソナタ集

モーツァルトのピアノソナタは、ヴァイオリンソナタより数が少ない。 もっとも、モーツァルトのヴァイオリンソナタは実際には「ヴァイオリンのオブリガートつきピアノソナタ」 だということだ。それを考慮しても、ピアノ単独というのはモーツァルトにとっては結構作るのが大変だった、 ということなのだろう。

モーツァルトのソナタは、第○番という言い方がしづらい。少なくとも私にはわからない。 私はモーツァルトのピアノソナタ集を第1巻を音楽之友社で、第2巻を全音楽譜出版社で買ったのだが、 だいたい番号が年代順ではなかった。だからこれらの楽譜の番号にどれだけ意味があるのかわからない。 だから、ソナタを特定するときは調性とケッヘル番号を併記するのがよい。

前置きはともかく、有名なのはイ長調 K.331 だろう。なんといってもトルコ行進曲があるのが大きいが、 第1楽章の変奏曲もよいし、第2楽章のメヌエットも小粋だ。

K.331 と双璧をなすのはハ長調 K.545 だ。いわゆるソナチネアルバムに収録されている曲だ。 モーツァルトの代表曲「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」のケッヘル番号 K.525 とよく似ているところも見逃せない。 エドゥアルト・グリーグが2台ピアノ用の作品として、この曲のオブリガートをつけている。 2台ピアノが楽しめる人は、 ぜひ弾いてほしい。

イ短調 K.310 も人気が高い。私も好きだ。 特に第2楽章の短2度の悲痛な響きと第3楽章のさわやかな悲しみが私の心をとらえて離さない。

ヘ長調 K.332 はいかにもモーツァルトの典型である。この第3楽章が昔、 日立製作所のオーディオのコマーシャルで使われていた。FM でのエアチェックの思い出と分かちがたい。 もう一つのヘ長調 K.533/494 は第1楽章で対位法を駆使していて、思わず感心してしまう。

協奏曲

世間では第20番以降、第27番までの評価が高いが、 第19番以前にもいい曲がある。

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MARUYAMA Satosi