「はじめに」より引用する :
複素関数の基本的な性質をよく理解し,その微分・積分に習熟し,微分可能な複素関数(正則関数)
の特徴を十分に把握できるようにすることがこの本の目的である.
私は学生時代に複素関数論を学んだが、 覚えていることはいくつかの専門用語だけで、身についたことはほとんどない。 ただ、いくつかの定積分の値が魔法のように得られることだけが印象に残っている。
巻末の「さらに勉強するために」で、特殊関数については,[8],[9] を参考にされたい.
とある。
本文では、特殊関数について触れた箇所がない(見落としているかもしれない)。
あえていえば、この「さらに勉強するために」で、
(前略)また楕円函数などの多重周期関数について勉強したい人は,以下に挙げる数学書を参考にされたい.
とある程度だ。では、特殊関数と複素関数はどのような関係にあるのだろう。
少し調べると次のようなことがわかる。特殊関数は楕円函数を含めて、数学自身はもとより、 物理学などにも多くの応用がある。特殊関数の性質を探るには、実関数として調べるより 複素関数として調べるほうがより深い結果を得ることができる。
p.143 の Coffee Break はおもしろい。2 乗して零になる数、という表題で、このような数、
すなわちグラスマン数は実在するというのだ。さらに、グラスマン数に対しても,
微分・積分が定義されて,これらは最近の素粒子理論で重要な役割を果たしている
のだそうだ。
本書のうち、実積分の積分値を求める JavaScript を書いてみた。 複素関数のページにある。
今のところ見つかっていない。ただ、p.36 の [2]
でメーヴィウス(Möbius)変換
という表記は、
「メービウス」または「メビウス」がいいと思う。
このページの数式は MathJax で記述している。
書名 | 複素関数 |
著者 | 表 実 |
発行日 | 1988 年 12 月 8 日 第1刷 |
発行元 | 岩波書店 |
定価 | 2000 円(本体) |
サイズ | A5版 165 ページ |
ISBN | 4-00-007775-9 |
その他 | 理工系の数学入門コース 5、越谷市立図書館にて借りて読む |