上野 健爾:代数幾何

作成日:2013-03-05
最終更新日:

概要

代数幾何学は、代数方程式で定まる図形の幾何学である。同書では直観的な記述を用いて、 入門をはかる。

まえがきの感想

著者は、まえがきで「一つの秀れた例は百の証明にも勝る」と述べている。 証明だけではわからなかった私が、悪いわけではなさそうだ。 本文で掲げられている、いろいろな図をぼんやり眺めていると、何か面白そうな気がしてくるが、 私には図から先の理論が理解できずそこで終わりなのが残念だ。

第1章 射影空間と射影多様体

射影空間

射影空間は、グラフィクスでも出てきたので、3次元であればわかる。 さて、ユークリッド空間やアフィン空間での対比として射影空間が出てきた。 ユークリッド空間はわかるが、アフィン空間は何だったろう? Wikipedia を見て、原点を忘れてしまったベクトル空間、という説明があったので、 直観的にはこれに従うことにした。

Riemann 球

Riemann 球ということばが出てくる。いったいこれはなんだっけ、ということで索引を使ってみた。 複素関数論 I p.42 にあるらしい。

原点を特異点として持つ種々のアフィン曲線

ASCIIMathML でグラフも書けるので、ちょっと悪乗りしてみた。次の4枚の図がある。 名前があるものはそれを付した。 演習微分積分でグラフを描いてみたので、 そこでの経験をもとにしている。

名前は知らない。

` y^2 = x^2 (x + a), a != 0`

これを表示するために、パラメーター表示をしてみる。次のように表せるだろう。

`x = t^2 - a, y = t (t^2 - a) `

`a = 1` としたときの図である。

agraph TypeOfGraph=Polar; setViewport(300,300,30); setGraphArea(-3,3,-3,3); setGridandTicks(1,1/8,1,1); setLabelsandTitle(Automatic,"Im","Re","輪"); axes(); setPen("2","green"); plot(["t*t-1", "t*(t*t-1)"], -2, 2); axesBorder("1","light"+gridstroke); viewportBorder("3","black"); endagraph

尖点

名前は知らない。

` y^2 = x^3`

agraph TypeOfGraph=Polar; setViewport(300,300,30); setGraphArea(-3,3,-3,3); setGridandTicks(1,1/8,1,1); setLabelsandTitle(Automatic,"Im","Re","尖り点"); axes(); setPen("2","green"); plot(["t*t", "t*t*t"], -1.5, 1.5); axesBorder("1","light"+gridstroke); viewportBorder("3","black"); endagraph

蝶ネクタイのような曲線

名前は知らない。

` y^2 = x^4 (1-x^2)`

agraph TypeOfGraph=Polar; setViewport(300,300,30); setGraphArea(-3,3,-3,3); setGridandTicks(1,1/8,1,1); setLabelsandTitle(Automatic,"Im","Re","蝶ネクタイ"); axes(); setPen("2","green"); plot(["sin(t)", "sin(t)sin(t)cos(t)"],0,2*pi); axesBorder("1","light"+gridstroke); viewportBorder("3","black"); endagraph

葉形線

ストロフォイドとも呼ばれる

` y^2 = (x^2 (a-x) ) / (a + x), a != 0 `

agraph TypeOfGraph=Polar; setViewport(300,300,30); setGraphArea(-3,3,-3,3); setGridandTicks(1,1/8,1,1); setLabelsandTitle(Automatic,"Im","Re","ストロフォイド"); axes(); setPen("2","green"); plot(["-(t^2-1)/(1+t^2)","-t*(t^2-1)/(1+t^2)"], -10, 10); axesBorder("1","light"+gridstroke); viewportBorder("3","black"); endagraph

ある番号から先の自然数

p.23 に次の記述がある。

` N_(a, b) = {am + bn | m, n = 0, 1, 2, 3, ...} `

とおくと,`N_(a, b)` にはある番号から先の自然数はすべて現れる. たとえば `a = 3, b = 5` のとき,`N_(3, 5) = {0, 3, 5, 6, 8, 9, 10, 11, 12, 13, ...} ` である.

これを見て昔のことを思い出した。私が高校生になった時 Z 会からダイレクトメールが来た。 その案内誌にあった数学の添削問題で、こんな感じの問題があったのだ。設問は上記の例でいくと、 `am + bn` の形であらわされない最大の整数は何か証明せよ、というものだった。 これを見て、高校の数学は違うな、と思うと同時に、なぜこんな問題が見つかるのだろう、という疑問がわいた。

この記述は、平面曲線の交点理論を説明するときのものだ。交点には重複度というものがあり、 それを調べるときの公式の導出で使われている。その導出で、今度はイデアルも使われている。 高校でも、大学でも気になっているものごとはいつの時代でもじわじわと効いてきている。

ブローアップ

代数幾何では欠かせない操作がブローアップである。英語ではどんな意味なのだろう、 ととまどっていたら、この岩波講座の微分方程式 Iで、 解の爆発に blow up が当てられているではないか。ハハハハ。

数式の記述

数式はASCIIMathML を用いている。

書 名代数幾何
著 者上野 健爾
発行日 年 月 日
発行元岩波書店
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MARUYAMA Satosi