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名演2007年9月例会 劇団民藝公演 

作/小幡欣治 演出/丹野郁弓

銃口
9月26日(水)6時30分
  27日(木)1時30分
        6時30分
 
中京大学文化市民会館プルニエホール
(名古屋市民会館中ホール)          地図
あらすじ
解説
キャスト・スタッフ
関連サイトリンク
会費 月額一般 2600円 22歳以下 2000円  
   高校生以下 1300円
入会金  一般  2900円 22歳以下 2300円    
高校生以下 1600円
新入会の方は、会費と入会金が必要です。それ以外の入場料は必要ありません。  くわしい名演の入会方法はこちら
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あらすじ

 明石の女学校教師・直良 音(なおら おと)を、かっての教え子村中信夫が訪れる。が、思いがけない事態から、音は十一歳も年下の信夫を婿にとることになった。
 生計の方は音にまかせっきりの信夫は、化石を掘るのに夢中である。そして信夫は明石海岸で旧石器時代のものと思われる人骨を発見したのだ。
 しかし、世紀の大発見「明石原人」は日本に旧石器時代は無かったとする考古学会の権威たちによって否定され、信夫を考古学に導いてくれた恩師松宮東大助教授も学閥の壁に阻まれ、旧石器時代のものとは認めることはできなかった。「小学校しか出ていないから無視される。」と自暴自棄になる信夫を、音は叱咤激励しながら支える。
 おりしも世の中は太平洋戦争に向かっていく暗い時代、日本に旧石器時代があったという学説も、この神国日本は神武天皇から始まったとする皇国史観に抵触する。しかも信夫の発見した人骨は、東京大空襲で消失してしまう…。
 しかし長かった戦争が終わり新しい時代が始まった。考古学の分野でも皇国史観から開放され自由な研究ができるようになった。信夫のもとに東大から消失したはずの「明石原人」の骨がもたらされる、信夫を裏切ったと思われていた故松宮助教授が密かに骨の石膏型をとっておいてくれたのだった。さらに大きなニュースがもたらされた、群馬県岩宿で旧石器時代の遺跡がついに発見され、日本にも旧石器時代があったことが実証されたのだ。
 時は流れ信夫の業績も次第に評価され、東大京大からは依然無視されたが早稲田大学で文学博士を授与された。
 病体となった音の車椅子を押しながら語り合う信夫と音、そこには苦難の道を励ましあい支えあいながら生きてきた夫婦の物語があった。 


解 説

  ひたすら夢を追いかける夫とそれを必死に支える妻。時代の境遇に挑みつづけ夫婦の愛のかたちを、反骨精神あふれ、ユーモアみなぎる筆致で描き上げた小幡欽治の力作。(劇団民藝では『熊楠の家』『根岸庵律女』『かの子かんのん』『浅草物語』『喜劇の殿さん』を書き下ろしています)
 これまで翻訳劇で劇団の内外で活躍してきた丹野郁弓(名演では『アンネの日記』、『ドライビング・ミス・デイジー』を演出)が、初めて日本の創作劇に取り組みました。「2004年の演劇界の収穫」と絶賛を博し、第7回千田是也賞を受賞しました。
 主演の日色ともゑ、千葉茂則をはじめ、南風洋子、伊藤孝雄ほかの出演者は、劇団ならではのアンサンブルで、作家の言葉を借りれば、「大胆かつ繊細」な舞台をつくり上げることに成功しました。

『明石原人』への期待

 親殺し、子殺し、妻が夫を・・毎日ニュースや新聞で、家族間の殺人のニュースを聞かない日がない。痛ましい事件を耳にする度、どこでどう狂ってきたのだろうかと、考えずにはいられない。格差社会、熟年離婚、老老介護、家族や夫婦関係でこれほど深刻な闇を抱えるのは、戦後62年・幸せな時代に生きて自由に自分の気持ちや欲望を出してきた、私たちのつけなのだろうか?
 この芝居は「明石原人」そのものを描いているのではない。明石原人の骨を掘り当てた学歴もない一民間考古学者とその妻の物語。信夫・音夫婦は考古学界の不条理や、学閥の壁、政治体制の皇国史観と「明石腰骨」とともに、その人生も翻弄されていくのである。時代やその形成は違っても“夫婦の絆”や“家族愛”は変わらないものではなかろうか。この舞台を観たあと、是非名演の仲間とそれぞれの夫婦のあり方を語り合いたいと思っている。主人に「いつもわがままでごめんなさい」心の中で叫んでいる自分を想像しながら。 
                  (
9月運営サークルC50−20K・S)


<キャスト> 

直良信夫(考古学者)
直良音(その妻)
直良美恵子(その娘)
田近せき(田近家の隠居)
田近謙三(玉枝の夫)
玉枝(せきの娘)
細川ひさよ
夏子(せきの孫)
大谷史郎(夏子の夫)
高野  大
松宮雄一(東大助教授・考古学者)
倉本(民間研究者)
番場(民間研究者)
冬木(新聞記者)
竹内 照夫
弓川(教師)
仙北谷和子
天野(教師)
村木(編集者)
大場  泉
相沢忠洋(岩宿遺跡発見者)
田辺(東大大学院生)
千代(直良家の女中)
看護婦
カメラマン
北田 浩之

<スタッフ> 

演 出
丹野 郁弓
装 置
照 明
秤屋 和久
衣 裳
前田 文子
音 楽
武田弘一郎
効 果
岩田 直行
舞台監督
中島裕一郎
照明助手
尾藤 俊治
前田 照夫
効果助手
吉原  敦
演出助手
金田 正子
金子 直哉
小宮 和子
吉田 正朗
制 作
菅野 和子
金本 和明


関連サイト

劇団民藝ウェブサイト
http://www.gekidanmingei.co.jp/

おおいたの風 直良信夫さん紹介ページ
http://www.pref.oita.jp/10400/viento/vol12/007_senjin/senjin.html


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最終更新日 2007/08/09