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2008年2月3日

村上春樹『走ることについて語るときに僕の語ること』(文藝春秋)

題名どおり、著者が走ってきたことについて語る本。文章が心地よい。

私は走ることが苦手だけれど(長距離を歩くのは割りと好き)、 ……にいいから走りなさいと押しつけてくる内容ではないので、 「自分自身の好きな、または長く続けていること」に引き寄せて、 楽しく読めた。

学校というのは入って、何かを身につけ、そして出ていくところなのだ。

(p.57)

仕事場もいずれは出ていくという点では学校と同じだと思うのだが、 入ってから出るまでの期間が長いと、 それを実感しづらいのかもしれない。

フルマラソンは35キロ過ぎてからが辛いのだそうだ。

「文学やつれ」の話が興味深かった。

中国で作られ、日本の会社が輸入していた冷凍食品に殺虫剤が混入していた事件

今回の件については、混入した食品のにおいや味に変化があったという。 それくらいなら、私にも、 不安な消費者のための情報 (食品安全情報blogの2008-02-02) を参考にして、ある程度まではチェック出来るかな、と思った。

以前、腐った食品が売られていたのを食べて当たった、という話を聞いた時、
「自分の目や舌で確認して、おかしいと思ったら食べないこと」
という意見をどこかで読んだけれど、それと同じことなのだろう。

中国出自のものは一切買いません食べませんというのは不可能だから (その点、外国産の獣肉を買わないというのとはわけが違う)、 自分でやれることはやる、しかない。

過去に似たような「食中毒」事件をおこした国ならば、 経験から学んできたことはあるだろう。 原因を探すのと同じくらい、被害をくい止めることも大切だと思う。

  • 2 水俣病事件の食中毒事件調査報告書はない−これ自体が法律違反
    • 食品衛生法を適用しようとした熊本県を阻止したのは国
    • 理由:「全ての原因食品が汚染されている証拠必要」
      • −このような証拠が示された食中毒事件はない
      • −森永ヒ素ミルク中毒事件
      • −浜松あさり貝事件(自家採取を禁じ、効果があった)
  • 鹿児島県では食中毒事件の届け出もあった
  • 適用されていれば患者は50人−三重大学・吉田名誉教授
兵庫・千葉・疫学、そして、水俣病(追記あり) (リヴァイアさん、日々のわざの2008.01.31)経由で、 水俣病問題が混乱した理由についてより

まさにこれは、 あたかも新潟柏崎原発で火災が起きたから 日本の水産品はすべて危ないというのと同じレベルの 「風評被害」としか言いようがない。