また少し忙しくなったが、
隣に座っている人(今月の残業時間が100時間を超えたとか)よりは、
ずっと余裕がある。
比較対照としては正直どうかとちょっとだけ思った……が気にしないことにした。
面白かった。
燃えないし煮え切らないし、人類の明日もかかってないし、
英雄でもないし、凄腕のハッカーでもない。
家庭用ゲーム機と普通のネットワーク回線を使って、
普通のネットワークゲーム(接続料900円/月)を普通に遊んでいる大学生の話。
バーサス・タウンはMMO格闘と呼ばれるジャンルのゲームである。 MMOとは、Massive Multi - Player Online ──日本語で言うと大規模多人数参加型オンラインということになる。 コンピュータを相手にしたただの格闘ゲームではなく、 ネットワークに接続し、他のプレイヤーとやりとりをしながら遊ぶゲームだ。 プレイヤーは、自分の分身となるキャラクターを創造し、 ネット上につくられた架空世界に参加する。
(本書 pp.41-42)
内輪の言葉が少ないので、風通しよく読める。
内輪の言葉、というのは、ある程度の間続いている場所にいる、
固定化した人員が使う言葉のこと。
ゲームでもそうだし、「普通の」職場でもよくみられる。
固定化した側は意識してないんだろうけど、
新しく入った側には、意味不明の言葉やお約束の羅列は、なんとなく鬱陶しい。
ああ、これに馴染んだんだらお終いかな、とわけもなく思ったりする。
そういうのが少ない(全く無いわけではない)のが、いい。
作者のインタビューが、
今月号のSFマガジン((「SFマガジン」2005年7月)に掲載されている。
(いま手元に無いので、記憶に頼って書く)
プレイヤーのスキルが生きるという意味で、RPGではなく格闘にした、とあった。
確かに、MMORPGは、今のところ年功序列
(しかもその世界で遊んでいる時間が長ければ長いほど有利)になっている。
プレイヤーのスキルを競う遊びではない。
とは言え、本書に出てくるような、 コマンド入力の入力の速度が生きる作りのオンライン格闘ゲームも、 今のところ無いはず。 通信環境の差を均すような作りをしないと、 不公平だと言う客は必ず出てくるだろう。
MasterCardなどのカード情報4000万枚分が大量流出(スラッシュドット・ジャパン)
提携カードも含まれるようですね。また、 amazon.co.jpやibm.comでのクレジットカードによる決済も海外利用扱いになるそうです。
参考にしたページ:クレジットカードによる支払い (amazon.co.jp)、 クレジットカード番号について(通信用語の基礎知識)
おめでとうございます。
「古本的」と「ミステリは嫌いだが古本は好きだからミステリも読んでみた」 (長い)の二部構成。
明治大正昭和の、いわゆる純文学にはあまり興味がないのだけれど、
ここで取り上げられている、作家についての話はとても面白かった。
たとえば、杉山龍丸(夢野久作の長男)の語る、ガンジー主義へ至る経緯の話、
太宰治の、自分は随筆を書くのは苦手であるという告白、
学生時代の小林多喜二についての描写(素晴らしい)、
江見水蔭が語る尾崎紅葉についてのちょっとしたエピソード(笑えた)、など。
それと、古本についての著者の距離の取り方もいいなあと思う。
古本屋に通うのは好きだけど、私は、人が思うほど、 古本をたくさんは買わない。 私は棚を覗くのが好きなのだ。
そのくせ、お気に入りの本を見つけると、 特にそれが手軽な文庫本だったりすると、何冊も買ってしまう。 前にも書いたように中公文庫の『明治大正見聞史』や『銀座細見』なんか、 すでに四〜五冊持っている。 それを机の上に平積みしてみると、新刊本みたいで、楽しい。(p.57)
こういうところがいい。
ところで、「ミステリは……」の中の「蔵書整理中に読みふけってしまった一冊の古雑誌」 に出てくる『<OH!>の肖像』は、 『証言構成 OHの肖像』(飛鳥新社)のことだと思われる。 (この本の次に読んだ『現代SF1500冊』(p.110)に出てきました。)
博多山笠は「はかたやまかさ」と読みます。("か"は濁らない)
移動中に、少しずつ読んだ。昔の大森氏の書評は強烈で楽しかった。
『暗闇のスキャナー』は何時ハヤカワ文庫SFに入ったんだ?(p.33)とか、 「妻を愛している殺さないで暮れ」はタイトルに引っ掛けた洒落?(p.95)とか、 阿部毅氏だけは100点満点じゃ無かったんだな(p.95)とか、 一度読み終えた後は、表を「じっくり眺めて楽しんで」いる (私はマニアではないけど)。
黒き流れ三部作は、 以前、第一部の最初で放り投げたのだけれど、 第二部まで読んで止めると幸せになれそうだ(p.321)。読もうかな。