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2005年4月16日

今週5日で20時間の残業。流石に疲れた。
それでも片付かなかったので、今日もこれから仕事。

株式会社 竹尾 編『FILING』(宣伝会議)

「株式会社竹尾が1965年より毎年開催している「TAKEO PAPER SHOW」の第39回目、 2004年4月の「HAPTIC」展の一部である「FILING」展が元」(p.174 EPILOGUE)となって作られた本。
カバーも本体も帯も様々な白の紙で、触ったときの感触が気持ちいい。

帯の「机の上を片づけてはいけない」にひかれて手に取った。
整理についていろいろな写真が載っていて楽しい。なかでも「銀閣寺の苔分類」(pp.26-27)には、笑ってしまった。

銀閣寺の庭の一隅には苔のファイルがある。 仕切られた升目のそれぞれには様々な苔の実物が生えており 「とても邪魔な苔」とか「ちょっと邪魔な苔」などという不思議な立て札に惹き付けられる。 庭の世話人が趣味で作ったものを、面白いと感じた住職が一般公開をすすめた。 まさに実物ファイルの好例。
これで苔の知識を得て庭を回遊すると庭がまた違った角度で楽しめる。(p.26)

写真を見ると、ひらたい木箱ひとつを縦3・横4に仕切ってあり、箱は作業台の上に四つ並べて置いてある。 箱ふたつに「銀閣寺の大事な苔」、 残りひとつずつに「ちょっと邪魔な苔」「とても邪魔な苔」が、おさめられている。

いまのところ、掲載された対談は、まだ読んでいない。 茂木健一郎氏の発言など、ざっと見て少し引っ掛かる箇所もあるのだが……さて、そろそろ出かけます。


2005年4月20日

福岡で地震(余震)

午前6時から7時のあいだに、震度4〜5強が3回ほど。
昼休み、知人と連絡をとるために公衆電話を探したが、いまの仕事場の近くには見当たらなかった。

帰宅して、メールで知人の無事を確認する。疲れた。


2005年4月24日

稲葉振一郎『オタクの遺伝子 長谷川裕一・SFまんがの世界』(太田出版)

まんが家・長谷川裕一の評論本にしてファンブック(「はじめに」より)。
この本は二部構成で、第一部が長谷川・稲葉両氏の対談(司会は太田出版の落合美砂氏)、 後半が稲葉氏による長谷川作品の評論となっている。
長谷川氏の作品は『マップス』を読んだことがあるだけだが、この本は面白かった。

私は、作品中に意味ありげなものが散りばめられてあっても、 その後ろにある謎を解こうという気にはならないのだが、 稲葉氏の解釈は、読んでいて楽しい。 対談の最初のほうの気負ったような喋りには、ちょっと驚いたけれど。
いっぽうの長谷川氏は「あまり考えていなかった」と、 自分の作品語りをしていないのが、いいなと思った。

『マップス』は、知人にすすめられて読んだ。 風通しのいい、気持ちのいい話だなと思ったのを覚えている。 深く読み込みたい人にも、驚くような面白い話を読みたい人にも、 どちらにも楽しめる楽しい話だと思う。

ということを、今更のように思い出した。 しかし稲葉氏の対談での喋りは、対する長谷川氏が大人に見える。 ざっと読み直してみると、長谷川氏も喋っているのだが……

こうした本というのは、つまりは私は食材であり稲葉氏が料理人なわけであるが 料理の仕方によって稲葉氏の"食"に対する考えまでうきぼりになってくるのが面白い、 と思うのであった
(p.349「あとがき 素材のつぶやき」より)

鋭い。

近況

忙しい。
毎日22時ごろに帰ってはいるが、疲れが抜けない。 (この時間で帰るのは、開発環境(オンライン)がこの時間で落ちるため。)
締め切りには明らかに間に合わない状態で仕事を続けているのが、疲れの原因だと思う。
「このままでは間に合わないから、この作業の半分を誰かに負担してもらいたい」
と上には言ったのだが、そこは設計者にやってほしい、でも締め切りには間に合わせてほしい、 と返答が返ってくるだけ。間に合わせる気があるとは思えない。
上も、出来のわるい部下に迷惑をかけられていると思っているかもしれないけれど。


2005年4月29日

暑い。久しぶりに真昼の外を歩いていると、ノゲシは元気、でもギシギシはぐったりしている。

恩田陸 『酩酊混乱紀行 『恐怖の報酬』日記 イギリス・アイルランド』(講談社)

本の見た目が「地球の歩き方」シリーズそっくり。

飛行機嫌いの作家による旅行記。
飛行機がそんなに怖いのかとか、 怖いのにあれこれ(映画とか本とかを)連想しているのは何故なのだろうとか、 飛行機のことがひたすら印象に残る。
風景から連想する本や映画の話も面白い。 著者が読んだ本、見た映画、その他いろいろなことが、風景や何かをきっかけにして、 ぽろぽろとこぼれ出てくるのが楽しい。 トリニティ・カレッジの図書館を訪れて、 そこで思い浮かべる「ロングルーム」と呼ばれる国の話は、続きを読んでみたいと思った。


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