ミニステージ

 

 トミーブースの一角には、ちょっとしたステージが設けられていた。もちろんトミーが出展している各種次世代ホビーのイベントがが行われるわけであるが、ゾイドについても30分ほどのミニステージが行われた。このステージ、1日に2回行われたというが、視察団が見たのは、この日午後のステージである。

 

 ナビゲーターからは、ちょっとしたゾイドの紹介があった後、各ゾイドの紹介ビデオの上映が行われた。各種ゾイドの紹介、という事で、新たなディオラマCM、ないし各ゾイドごとのディオラマ映像が流れることを期待したのであるが、流れてきたのは、アニメからコラージュされた映像を使っての各ゾイドの紹介であった。

 壁面を黒で統一されたステージに大きなトミーの文字、そこの真上にプロジェクター式の画面に上映されるという方法である。画像では、ちょうどムンベイ仕様のグスタフが薄く浮き上がっているのがわかるであろうか、少々小さい画像であったのが悔やまれるが、ナレーションと組み合わされた映像は、メディア面を排し、ゾイド本体中心に描こうという努力がされていることは、先のがっかり感を、少しは払拭してくれるモノがあった。この時点(2000/1)で既にアニメ登場済みのゾイドが全て紹介されることもあって、10分近い映像であったろうか、上手くゾイド本体の見応えを与えてくれた。

 

 ゾイド紹介の映像終了後は、トミーのゾイド担当者をステージに招いての、インタビューが行われた。まずは、この日朝から行われている、ゾイド改造コンテストの結果発表。既に午後のステージでは、コンテストで1位となったゾイドはユーザーの手元にいってしまってステージ上でのお披露目とは行かなかったが、優勝商品として、会場で販売しているゾイドのカレンダーが贈られたことが知らされた。そして、トミーが用意した改造例の改造方法の紹介である。やはり、ヤクルトの空き瓶を使って改造されたデスザウラーは、子供達にも入手しやすい素材を使っての改造例として、トミーも一押しの改造方法であったと思われる。そして、担当者の口からも、改造を推奨する各種発言があったのは、当惑星政府の施政方針としては、とても賛同できるモノであった。それにしても、いくらイベントのナビゲーターとはいえ、女性の口からゾイドの改造、という言葉が出てくるのは、今まで想像をしていなかったことであり、ゾイドイコール改造という方程式が、トミーでも今後のゾイドの方針として、しっかりと固められたと考えられる。

 更にゾイド担当者の口からは、今後海のゾイドの展開がある、との断言があった。海のゾイドといえば、まずはシンカーとウオディック。この担当者の言葉と、展示してあった真っ白いシンカーがリンクしてくるのは、当然の帰結であり、再販は決定されたも同然である。

 

 やはりステージの前を埋め尽くすのは小学生。ステージ終了後、彼らには、春に発売されるゾイドバトルカードゲームのカードが一枚ずつ配られた。その中に、たまたま車椅子に乗っている少年がいた。足をけがしたのか、それとも足が不自由なのであろうか、いずれにしろゾイドは主に手を使って出来る遊びであり、改造や机の上で動かす程度であれば、ゾイドで遊ぶ上で、車椅子などハンディにはならない。カードゲームやテレビゲームも確かに手だけで出来る遊びである。また、単なるグッズのコレクションでもない、作る楽しみを知ることの出来るゾイドに彼が興味を持ってくれたことに、多くのファンはゾイドの魅力を再認識してもらいたい。ゾイドは、

単なる組み立てられたおいておくだけの非可動のディスプレーモデルではない。買ってきただけの本体から、どうやって遊びを発展させていくかが、ゾイドの楽しみである。この発展のさせ方に、メーカーとユーザーの一致が見られれば、ゾイドに再び終焉が訪れることはないであろう。

 

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