ガイサック

-

Guysack

共和国

型式番号

RMZ-12

シリーズ

重装甲スペシャル

タイプ

<サソリ型>

発売

1984年2月(?)〜1987年9月

全長

10m

定価

780円

全高

4m

オペレーション

ゼンマイ

全幅

-

ライト点灯

-

重量

22t

使用電池

-

最大速度

120km/h

部品点数

-

乗員

1名

ゴムキャップ

M(青)16個

搭載ビークル

主成形色

ライトグレー・ブルーグレー

主要目的

格闘戦・偵察・探査

キャッチフレーズ

高度な探査機に変身する特別仕様。

ギミック

8本足を交互に動かしながら前進します。改造パーツがオプションとして付きます。(1984年4月現在のカタログ以降、「改造パーツがオプションとして付きます。」は省略されます。)

その他

パッケージの裏面に、本体の改造例の載る最後のゼンマイゾイドです。

装備

装備名

搭載数

特徴

ポイズンジェットスプレー

硫酸ジェットガン

尾の先端に装備

ロングレンジガン

グランチュラで言うマクサー20ミリ砲

特徴

もとは砂漠に住む体長80cmくらいの生きものだったが、バイオテクノロジーによって巨大化させ、毒液などによる奇襲のためのメカ生体に改造した。

掲載バトルストーリー

「ゾイドストーリー」

時代は地球人類が太陽系進出を果たして、恒星間飛行を目指す大航海時代に入った頃・・・・・太陽系の全く正反対の位置に、太陽系とそっくりなゾイドゾーンが発見された。惑星ゾイドは地球によく似た大気を持ち、金属鉱脈の露出が多い星だ。そのため、金属イオン濃度の高い海に誕生した生命は、色々な進化を経て、爬虫類型、昆虫型の金属細胞を持つ生物となった。金属生命体「ゾイド」の出現である。また一方では、進化の途中で枝分かれし、独自の発展の末、知的生命体である「ゾイド星人」も誕生した。

後にゾイド星人は、共和国側、帝国側に二分され勢力争いが始まった。そして両陣営は、ゾイドを主要武器である戦闘獣へと改造していった。そして今、飛来した地球人の手により、ゾイドは更に改良され戦闘能力も強化されて、注目の「メカ生体・ゾイド」となっていったのである。


 ゴドスとともに登場した初の重装甲スペシャルシリーズの一つ。

 サソリという特徴的な形態を持つ生物をモチーフにしており、その形態はかなり目を引くモノがある。

 グランチュラのメインフレームと足のマウントをそのまま使用しており、動きは変わることはない。「8本足を交互に〜」とギミック解説されているが、正確には4本ずつの2組の対が交互に前後することで前進する。一方の足の対が空中に浮かんでも残りの対が4本で支えるので転んでしまうことはない。グランチュラの時に考えられたことではあるが、うまく計算された歩行ギミックである。

 このグランチュラと変わらないメインフレームに、形の異なる足と、二つのハサミと、尻尾を加えることでクモからサソリに変えてしまっているのはアイディアの勝利といえる。しかし、ゾイドでは、グライドラーをペガサロスに応用したり、エレファンタスをハイドッカー、ゴルゴドスに応用したり、B/Oゾイドでもビガザウロをマンモス、ゴルドス、ゴジュラスに応用したり、珍しいことではないことを指摘しなければならない。もともと、ゾイドはユーザーが改造して遊ぶことを目的としていた。場合によっては、グランチュラをガイサックにアップグレードするキットをして売り出しても良かったのではないかとも思われる。その意味では、ガイサックは、トミー自身でグランチュラを改造してしまったモノ、という、メーカー自身が遊び方を実戦してしまったモノなのかも知れない。

 

 前述の通り、ガイサックはメインフレームと足のマウント部品は、グランチュラと全く同じである。装備部品が同じランナー部品に付いているため、同じモノが装備されることになる。だが、その装備位置が異なっているため、印象を違ったモノに感じさせることに役立っている。グランチュラで言う、ワイヤー射出機は、オフィシャルによるとガイサックではポイズンジェットスプレーに設定されている。また、パイクラーエレショットは、装備位置の関係から、パイクラーエレショットとしては設定されていない。マクサー20ミリ砲は、ガイサックではロングレンジガンになっている。部品を余らせることなく装備しているので、ガイサック自体は、適度に重装備に見える。重装甲スペシャルは、このガイサックとゴドスからはじまっている。もともとのグランチュラと比較すれば、ガイサックがより重装備になっているのは明らかであり、冠せられている言葉の意味も理解されるはずである。

 

 ガイサックの目立たない隠れた長所は、その大きさである。おもちゃとしてのガイサックは、実際のサソリを連想しやすい大きさになっていることである。ゾイドは、リアルな動きが一つの売りになっている。大型動物をその大きさのままおもちゃにすることは不可能であるが、この時代のゾイドは、手のひらサイズの生物は、おもちゃ的にできるだけモチーフの生物の大きさを逸脱しないようなデザインの選択がされていたといえる。グランチュラ、スパイカー、後のダブルソーダ、サイカーチス、シーパンツァーなどにも同じ事が言えると思われる。このことは、ゾイドの当初のコンセプトが、キャラクターおもちゃではなく、自分で組み立て動かし改造するという、キャラクターの持つソフト的な魅力に頼ることのない本体そのもののハード自体の魅力で楽しむおもちゃであるということが理由としてあげられると思われる。

 しかし、この法則が破られるときが来る。後に登場する、デスピオンやドントレスは、おもちゃ的にモチーフの生物よりも大きなモノになってしまっている。これらの登場は、ゾイドバトルストーリーとの連携がはじまった後、つまり、ゾイドのキャラクター化がはじまった後と言うことである。もちろん、デスピオン、ドントレス自体は、それぞれ良いところのあるゾイドであることは否定するつもりはないが、ゾイドのキャラクター化に伴い当初のゾイドらしさが失われ始めたのは、ゾイドバトルストーリーがはじまってすぐであったことは指摘しておかなければならない。

 

ガイサックパッケージ、同梱カタログより転載