防御が最大の攻撃ならば盾は最強の火器である-1

shield is the lethal weapon-1

 

 メカ生体時代、シールドライガーMk-2が店頭でデモンストレーションされている姿を見て、足の動きに引きつけられた事はよく覚えています。シールドライガーMk-2の頃と言えば、ゾイドシリーズが始まって数年経っているので、そこで初めてゾイドを知ったわけではないのですが、当時持っていなかったゾイドの動きを見る機会などそう無いので、店頭で動いている姿、その足の動きに目を奪われていました。それ以来、シールドライガーMk-2が好きなゾイドの筆頭に上がっていました。

 好きなゾイドの筆頭であるにも関わらず、改造をふまえた製作にはなかなか踏み切れずにいました。理由は、キャノンビーム砲の処理方法がまとまらなかったからです。既にシールドライガー、いわゆるMk-1の改造は、とりあえず成功しているので、Mk-2を作るとなると、当然キャノンビーム砲に動きを与えたくなるわけです。グレートサーベルだって、サーベルタイガーから追加した装備に動きを与えたのですから、シールドライガーにも追加した装備を動かしたいと思うのは、自然の成り行きです。ところが、説明書とランナーパーツとにらめっこしていっくら考えても良い方法が見つからないのです。

 そこで、ついに机上で考えても無理と判断し、実際に手を動かして、組立始めることにしました。組み立てながら、現物から方法を考え出す強硬手段に出ることにしました。

 とりあえず、各パーツの成形をしながら、良い方法を思いつくことを期待して、作業を始めます。

 まずは、パーティングラインの処理から。

 旧シリーズの機体は、金型のずれが激しいです。一応金型の上下で装飾が連続するようにはしてあるのですが、実際には大きくずれています。可能な限りこれを処理していきます。

 パーティングラインをそのまま削ったり、0.3mmのプラ板を瞬間接着剤で貼って、その後高さを合わせながら形を整えていきます。

 プラ板を貼るか貼らないかの違いは、成形しようと削ったときに、既存のモールドに影響を与えるか否かの違いです。左の画像で言えば、より内側(裏側)に近い側が段差の低い側だったので、プラ板を貼ってから既存のモールドの高さまでプラ板を削りました。逆に、より内側(裏側)に近い側が、段差の高い側である場合は、プラ板を貼らずにそのまま削って高さを合わせます。成形するときには、デザインナイフ、ヤスリ、サンドペーパーと場所によって道具を使い分けますし、同じ場所でも、作業の段階で道具を切り替えます。

 うなじ(?)部分の動力パイプ状のパーツです。

 前回、と言ってももう10数年前ですが、このときはスプリングで作った部品に置き換えましたが、今回は、そのままの部品を用いました。

 大きく開いている肉抜き穴には、この間に新たに売り出された田宮の曲がるプラ棒を用いました。曲がるプラ棒を肉抜き穴に押し込み、隙間に瞬間接着剤を流し込みます。その後、まずモールドに関係なく、断面が丸になるように、形状を整えます。そのうえで、既存のモールドに合わせて、押し込んだプラ棒に筋彫りを入れていきます。何本筋彫りを入れ直したのかわかりませんが、全てやります。この時、金型のずれによるモールドのずれもいっしょに直します。

 肉抜き穴をちゃんとふさぎますと、実は左右で同じ部品になってしまいます。肉抜き穴があるが故に、右部品左部品が決まりますが、肉抜き穴がなければ、左右でどっちでも使える形状なのです。ゾイドの、部品種類数を減らす、と言う方針からすると理にかなった構造です。ゾイドの部品の作り方の特性や方針、金型と成形の問題(太い部品はすが出来やすいとか、樹脂がきっちり回りにくいとか)を考慮して、部品の形状やランナーへの配置が決まるのであろう事が想像される、おもしろい事に気づいた作業結果でした。

 

 他にも、気づいたパーティングラインは全て処理していきます。 

 

続くnext

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