![]() ![]() ・皇太子さま・雅子さまご結婚 ・ヒット曲 無言坂 ・話題の映画 ジュラシックパーク ・話題の本 マディソン郡の橋 ・流行語 Jリーグ ・プロ野球優勝チーム ヤクルトスワローズ ・細川非自民連立内閣成立、55年体制崩壊 バブル崩壊後ではあるが、まだ現在ほどの社会変化は起きていなかった。まだまだ、終身雇用が保証されていて、インターネットのかけらも無く、Windows3.1が生まれたてだった。女子高生は、公衆電話とポケベルでメッセージ交換していた。世は、まだバブル時代の余韻に浸っていた。 金大フィルは、団員数の面で、第2のピークを迎えていたようだ。マーラーの5番等の時期(90年)のプログラムを良く見てみると、意外にエキストラが多く居たりする。結構無理をしてのかもしれない。しかし、その後は角間への移転直前まで、パンパンに膨れ上がっていったようだ。ラフマニノフの前の「エロイカ」などは低弦がブンブン唸っており、多少大味でも、金沢唯一の超大編成オケの地位を誇っていた時代のように思える。同時期、オーケストラアンサンブル金沢が意欲的な活動により、全国区で注目され始めたのとも重なる。 有り余るほどの団員数と贅沢な練習環境に恵まれ、オーケストラの組織・運営は、成熟期を迎えていただろう。金沢大学が金沢大学たる所以は、街の中心にあるお城の中に大学があったこと。これについては、どのOBは誰に異論はないだろう。他に、ハイデルベルク大学と言う例があるらしいが・・。ラフマニノフはそのお城の中の大学時代の、最後の定期演奏会だった。 大学と、オーケストラがこの後、大きな変化を迎えたのは確かだ。そのうち、これについて書いてみよう。 ラフマニノフは、この頃からアマチュアオケで好んで取上げられる曲目だったように思う。ベルリン・フィルのようなオーケストラまで取上げるようになったせいもあるかもしれない。(マゼールの録音がある)。 1楽章などはちょっと捉えどころの無い幻想曲風なところに戸惑う向きもあるかもしれない。しかし、いったん慣れると不思議な魅力にとりつかれるというような曲だ。3楽章の果てしなく繰り返される心地よい旋律の魅力が、この曲の身上だろう。4楽章も親しみやすい活気に溢れており、最終部分へ向けての盛り上がりもホットなものだ。 この年のマエストロは、小松一彦氏だ。どんな指導をされたのであろうか。演奏は充実したものだと思う。観光会館の豊かな響きにも助けられて北陸風の味付けもちょっと入った、ロシア情緒を聴くことが出来る。弦楽器の音は分厚く、コンマスは、驚くほど上手い。 金大フィルが、お城の中の金沢大学だった時代の、最後の響きを堪能したい。
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お城の中から最後のコンサート 第54回 定期公演 94/01/22 観光会館 指揮:小松一彦 コンサートマスター:小路晋作、清水 研 ラフマニノフ 交響曲第2番 ホ短調 作品27 第1楽章より(1.6MB) 第3楽章より(1.8MB) 最終楽章より(2.2MB) |