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最終更新 00/1/10 |
小松一彦氏 右の写真は第54回定期プログラムより転載
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![]() 第54回定期演奏会プログラムより |
初めて金沢大学のオーケストラを振ると言うご縁になった。 私のモットーは「プロの技術・アマチュアの心」である。これはプロであっても、一生アマチュアのように音楽に対する純粋な情熱を持ちつづけたいという意味であり、レベルの高いアマチュアほど私をリフレッシュしてくれるものなのである。その意味で金沢大学にもそれを期待しているし、またその手ごたえもあるので、クラブ活動としての練習プロセスだけでなくその結果としての本日の演奏の健闘が私も楽しみになってきております。 さて、今回は結果的に音楽史の流れをたどるプログラミングになっていますので少々触れておきたいと存じます。 まずはハイドン・モーツァルト・ベートーヴェン等に代表される「古典派」の後を受けて登場した「初期ロマン派」を代表する1人、ウェーバーの序曲です。初期ロマン派は一口で言えば古典派の洋服を来たロマンチックな人間と言えましょう。音楽のかたちは楷書体でその中に清純なロマン性があり、それに加えてこの曲では妖精の国の物語を想起させる透明な音色が必要です。 次のスメタナは中期ロマン派にヨーロッパ周辺の国々に興った「国民学派」のチェコにおける父で、伝統の上に巧みに”土の香り”と民族意識を盛り込みました。 最後のラフマニノフは、国は違いますがスメタナと同時代のチャイコフスキーを最も敬愛した「後期(末期)ロマン派」の巨人でピアニストとしても名人でした。この交響曲に小刻みに管理される現代人が憧れる悠久さと無限の夢のひろがりがあり、最近急速に人気が出てきた曲ですが本日が「北陸初演」となるようです。最後までお楽しみ頂けたら幸いです。 音楽を通じて自分を豊かにする−−−たとえ完璧に演奏できなかったとしてもレベルの高いアマチュア音楽家にとってこれは最大の喜びと特権でないでしょうか。 |