法的手続>裁判手続
○ 貸金返還請求
お金の貸し借りはよくあることです。約束した期日に返してくれれば、何の問題もありません。ただ、時として、そうはいかない事もあります。いくら催促しても返してくれない。あなたが諦めれば、そこで話はおしまいです。ただ、そのお金があなたにとって大切なものであれば、きちんと返してもらうべきです。こんなときのために、わたしたち法律家がいるわけです。
ではどうやって貸したお金を取り戻すのか。
まずはあなたの代理人として、相手に内容証明郵便を送ります。それで相手が返してくれることになれば、後は話合いで決着します。
これでだめなら、相手に対して訴訟を起こします。ただ、今後も付き合いを続けたいというのなら、民事調停という裁判所での話し合いもできます。
あなたが裁判で勝ち、相手が素直に返してくれればいいのですが、残念ながらそういかない場合もあります。
こんなときにはどうするかといえば、最後の切り札、強制執行を行います。つまり、強制的に相手の財産を差押え、そこから貸したお金を返してもらうのです。
逆に言えば、相手に返す意思がなく財産もないとすれば、貸したお金を取り戻すのは難しいということになります。
○ 敷金返還請求
相談としてよく受けるのが、部屋を解約したのに敷金を返してくれない。それどころか、逆に金銭を請求されたというケースです。
ここでキーワードになるのが、「原状回復」です。貸主が部屋を原状回復するのにあなたの敷金では足りないなどと 言ってくるわけです。この場合の原状回復とは、あなたが入居する前の状態に戻すことを意味するわけです。
建物の損耗等には、大きく分けて次の三つに分類されます。
@建物・設備等の自然的な劣化・損耗等(経年変化)
A賃借人の通常の使用により生ずる損耗等(通常損耗)
B賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使
用による損耗等
貸主が原状回復という場合には、@からBまでのすべての損耗等を完全に補修・修繕することを意味しています。では、これが認められるかといえば、現在ではほとんど認められていません。判例の流れでは、Bの損耗等についてのみ原状回復を認めているようです。ただし、現実には、他のいろいろな要素が絡んでくることは言うまでもありません。
敷金返還の流れは貸金返還とほぼ同じですが、手段としては、ほかに少額訴訟があげられます。
○ その他の・・・
その他の法的なトラブルをあげるとしたら、きりがありません。また同じ貸金返還でも十人十色、まったく同じ事例はありません。
ただすべてに共通して言えることは、悩んでいるだけでは何の解決にもならないということです。身近に信頼できる方がいればその人に相談することです。もし今そうした人がいないなら、勇気を出して法律の専門家に相談してみてください。