労働問題
わたしたち司法書士が、いろいろな労働紛争の相談を受けたときに、とるべき道は大きく分けてふたつあります。ひとつは簡易裁判所での訴訟代理であり、もうひとつは本人訴訟の支援です。大まかな基準は、相手に請求する金額(訴額)が140万円以内であれば訴訟代理を、140万円を超えれば本人訴訟支援を選ぶことになります。ただ、訴額が140万円以内であっても、費用の問題や本人が自ら紛争を解決したいという強い意思がある場合には、訴状・準備書面作成などで本人の訴訟を支援することになります。
簡裁訴訟代理として適している事件としては、未払い賃金の請求、解雇予告手当の請求、時間外手当の請求、(140万円以下の)退職金の請求、職場でのいじめやセクハラによる損害賠償請求などが挙げられます。当事者間にそれほど争いがない場合には、示談交渉、民事調停、少額訴訟などの手段も選択することができます。
本人訴訟支援として適している事件としては、地方裁判所の管轄となる、不当解雇の場合の地位確認請求、地位保全賃金仮払の申立、労働審判申立などが挙げられます。
労働紛争の受任については、原則として、法テラスの法律扶助手続(費用立替制度)のご利用を勧めております。法律扶助の要件に合わない場合には、当事務所の料金で受任いたします。
〈 主な相談機関 〉
○労働局による相談・助言・指導
各都道府県労働局が、局内や労働基準監督署の中、駅周辺のビル内など全国約300箇所に総合労働相談コーナーを設け、労働紛争の相談などを行っています。
また紛争の解決のための援助を求めた場合には、労働局長が必要な助言や指導をしてくれることもあります。
○労働局の紛争調整委員会
各都道府県労働局に設置されている紛争調整委員会では、紛争の当事者から申請があった場合には、あっせん委員が当事者双方から事情を聴いたり、意見書を求めたりして、必要な場合にはあっせん案を提示します。
ただ、出席は強制できず、紛争解決の見込みがないと判断される場合には、この手続が打ち切られてしまうこともあります。
○労働基準監督署
労働基準法や関係法規違反がある場合には、労働基準監督署は、使用者に対する指導や是正勧告などを行い、それによって労働者の権利が救済されることがあります。
○ADR(裁判外紛争解決手続)
ADRとは、仲裁、調停、あっせんなどの、裁判によらない紛争解決方法のことです。
これらの機関としては、弁護士仲裁センターや司法書士会調停センターなどがあります。
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