少女革命ウテナ 決闘の歌 注釈:鳳暁生編+黙示録編

制作者:KrK (Knuth for Kludge)

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※すべて「一解釈」です。


E-23 バーチャルスター発生学

ウテナ用録り下ろし。

バーチャル

虚像。実際には存在しないのに存在するように見える像。

発生学

受精卵から個体が分化成長する過程の研究。

太古 完全 砂漠に孤独

太古

世界の始まり。

完全

完全なる一者の分裂から世界が始まる。

砂漠

生物の存在できないところ。
宇宙の広さや時の永さを砂漠の砂粒の数に例えることがある。

孤独

初めの一者は孤独である。

空気 原子 因果律星

空気

単なる空間になんかしらのエネルギーが生まれた。

原子

ギリシア以来否定されてきたが、入れ子説に対抗して再登場。
入れ子説を許すと無限に小さい存在をも許してしまう。

因果律

全原因は神である。

そう、土地の子 受胎

土地の子

魂は大いなる霊から分離して地上に降り、大地から作られた実体に宿る。
鉱物、植物、動物、全ては土地の子である。

哲学の胎児

哲学

錬金術。

卵 完全 入れ子に起源

哲学の子供を得る為には哲学の卵が必要である。
金の材料、操作手順、原理に関する完全な知識などをも含む概念。
狭義では錬金術で材料を入れて熱する容器、たいていは丸い坩堝(るつぼ)。

完全

卵はそれだけで生命体を発生させるので、完全とされる。
完全なる哲学の卵からは、何でも発生するとされる。
特に完全なる金属である金を発生させることが哲学の卵を得た証明になる。

入れ子に起源

「卵が先か鶏が先か」に対する答え。

雄蘂 雌蘂 一粒の種子

種子

インド系での宗教では世界は一粒の種子(しゅうじ)から発生したとされる。
創造以前の一者=全者の中に存在する、外界へ現れる可能性を持つ力。

そう、土地の子 成長 哲学の子供

哲学の子供

錬金術によりできた物質や人造人間。

月天 水星天 金星天 太陽天 火星天 木星天 土星天 恒星天 原動天

月天~原動天

この世界の入れ子構造。
地球を中心に月が乗っかっている球が存在し、その一回り大きい球に水星が乗っかっている。
そのように地球は9個の球に囲まれた存在である。
原動天はこの世と神の世界を分ける一番外側の球。

円環無限に果てなき

円環無限に果てなき

円運動は始まりも終わりもなく、永遠に続く。

一つの有機的な機関 一つの永久運動装置

有機的な機関

天の動きは、人間の動きと同等。

永久運動装置

天はエネルギーを必要とせずに運動し続ける。

ああ、空動なり そは空動なり

空動

ただ動いているだけで、意味や目的を見出せない動き。

私的解釈

物事は核となる意味的存在と、それが動かす虚構の外観とで成る。


E-24 平俗宇宙に不滅の皇帝

ウテナ用録り下ろし。

この世にあって不死なる存在。

平俗宇宙

一者であ高貴宇宙に対する存在。

不滅の皇帝

死んで再び蘇る存在についての記述は錬金術書によく見られ、皇帝や王の名で呼ばれることが多い。

皇帝

タロットカードでは世俗的な権力。
すなわち富、名誉、地位、政治力、軍事力などを象徴。

生存・驚異・錬金術 卑金属・貴金属

生存・驚異

無から有を作れない人間にとっては、存在は驚異そのもの。

卑金属・貴金属

錬金術の一つの目標に、卑金属を貴金属にすることがある。

右から左 始まり終わり

右から左

遺伝子の情報は方向が決まっている。

破壊・狩猟・乱舞・祝宴

破壊~

人間が時に必要とするハレの行為。ディオニソスの性質。

生誕・不可視・錬金術 人工的・組み替え装置

生誕・不可視

無から有を作れない人間にとっては、生誕は見ることのできない奇跡。

組み替え装置

遺伝子操作は一種の錬金術と言える。

上から下へ 変形異形

変形

内容はそのままで形だけを変えること。

異形

得体の知れない生き物で、接する人に不気味だという印象を与えるもの。
不滅の皇帝は外観だけを変え生き続ける。

書物・匿名・放縦・狂態

放縦

だらしがない様子、きままな様子。

狂態

気違いじみた言動。

世界かわらず わたし わたしかわらず かわら わらず らずか ずかわ かわらず

世界かわらず

一者の世界が多者の世界に変化しただけなので本質的には同じもの。
冷静な私と興奮状態の私は別のものではなく、同じ存在である。

止まって 鳥と魚がからわまり 止まって 卵とベッドのだましあい 止まって 船と馬車から古代舞い 止まって 海と瀑布に先まわり

Max Ernst『百頭女』より。

鳥と魚

鳥は、中近東の鳥葬文化圏では最高神かそれと同等の存在。
アラビアの不死鳥フェニックスが代表的。
魚は、キリストの象徴の一つ。
つまり、鳥も魚も死と再生、永遠の命を意味する。

卵とベッド

卵生と胎生。発生・誕生の象徴。

船と馬車

水上の交通手段と陸上の交通手段。

海と瀑布

海水と陸水(滝)。

キラキラ 夢想 ユラユラ 想像 カラカラ 空想 セラセラ 発想 サラサラ 妄想 チラチラ 思考 ヒラヒラ 創意 ハラハラ 仮想

夢想~

人間の精神状態、人の想像により頭に生まれる産物。

誕生・不滅・錬金術

不滅

有を作り出す行為は神のものであるので、その結果は不滅である。

時間・空間・宇宙卵

宇宙卵

最初の一者と同義。時間と空間が閉じ込められている。

哲学・水晶・薔薇十字

水晶

その神秘的な姿から、秘術によく使われる。

薔薇十字

キリスト教神秘主義の錬金術で重視される、神の力の象徴。
十字架の上に薔薇の花が咲いている。

純潔・調和・遠近法

純潔・調和

神に近づく条件で、偉人や聖職者は基本的に純潔を要求された。
禁欲により神との一体化感覚を体験する。
天国に行けるのは純潔を守り通したものだけだと言われた時代すらある。

遠近法

万物の収束する点が一者である。

キラキラ 起源 ユラユラ 孤独 カラカラ 迷宮 セラセラ 時空 サラサラ 回想 チラチラ 記憶 ヒラヒラ 蒸発 ハラハラ 不滅

起源~

物事の変化の様子。

私的解釈

不完全な「わたし」と完全なる一者の関係。


E-25 天然同胞宮殿 遠近法の書

ウテナ用録り下ろし。

プラトン『ティマイオス(Timaeus)』より。

天然

人工の反対。ここでは神による創造。

同胞

同じ母親の腹から生まれた兄弟姉妹。

宮殿

王、あるいは神が住む宮殿。

遠近法

万物の収束する点が創造者である。

球体膨張 面体凝縮 万物世界

球体膨張

球体である一者が多者に分かれようとする行為。

面体凝縮

多面体である宇宙すなわち創造物。
多者は一者に合一しようとして凝縮する。

魔術 美学 天文学 ワタシアナタ天然学(イエイ)

天然学

天然すなわち神の創造物を研究して神を知ろうとする学問。
魔術も美学も天文学も結局は天然学。

現実仮想 形態模像 天然空想

現実仮想 形態模像

現実に「見える」ものは、「本質」を人間なりにとらえた虚像でしかない。

土星の軌道 プラトン 外接球 木星の軌道 プラトン 内接球 地球の軌道 プラトン 外接球 金星の軌道 プラトン 内接球 わたしの軌道 プラトン 外接球 あなたの軌道 プラトン 内接球

プラトン

正多面体が5つしかないことを証明。

ケプラーの入れ子構造モデル
水星 -正8面体- 金星
金星 -正20面体- 地球
地球 -正12面体- 火星
火星 -正4面体- 木星
木星 -正6面体- 土星

プラトンによる元素説との対応
正6面体:土
正4面体:火
正8面体:空気
正20面体:水
正12面体:エーテル
土~水は『ティマイオス』にて。この段階ではエーテルは特殊な空気扱い。
エーテルを元素扱いするのは『エピノミス』にて。

わたし遊星天文童子

遊星

惑星に同じ。

童子

幼い子供。

わたし遊星天文童子

私は、天=神に作られし子。

五つの立体 わたしの子孫

五つの立体

プラトンの立体。

わたしの子孫

立体はこの世の仕組みであるので、神が作りしもの。
それと同時に、立体は思考の賜物であるので、私の作りしもの。

あなた謎のナスカ童子

ナスカ

天からしか見えない地上絵で有名。

空想立体 あなたの子孫

あなたの子孫

地上絵を描いたのが地球人であれ宇宙人であれ、神の創造物には違いがない。

わたし…あなた…天然…天然…天然…自在…自在… わたし…あなた…天然…天然…天然…自在…自在…

自在

自分自身で独立して存在していること。
私もあなたも神に造られし天然物であるので、自在している。

私的解釈

中心たる一者と、その周りをまわる「わたし」の歌。


E-26 寓意・寓話・寓エスト

ウテナ用録り下ろし。

澁澤龍彦『夢の宇宙誌』の「世界の終わりについて」の章より

創造者の自己の認識の活用形。

寓意

他のことになぞらえて、ほのめかされる意味。アレゴリー。
この歌では、世界の終末を寓意していると思われる。

寓話

ある意味をこめた例え話。英語的に寓意の比較級。

寓エスト

英語的に寓意の最上級。

エレメント エレメント エレメント エレメント

Element

この世を構成する元素。

カタクリスモス カタクリスモス

Cataclysmos

ギリシア語の「大変動」。
音訳され英語の cataclysm (地殻の激変) に。
聖書にて洪水の意で使われる。

世界の終わり 空想をして 気まゝに遊ばせろ

空想

創造者の夢想が終わると世界は終わる。

北極レミング シベリア羚羊

Lemming

間引きの為に集団自殺をすると言う通説がある。
実際は先頭する個体の判断ミスとも言われている。

羚羊

かもしか。絶壁に向かい集団で突き進む習性を持つ。

最後の自然審判

最後の審判

終末に行われる選定。

恐奇の運命 絶滅予言 哲学革命 楽園失楽園 偶然叙事詩 宇宙破局 千年恐怖 寂滅思想

絶滅予言

多くの「教え」の存在意義。

哲学革命

哲学すなわちこの世の法則が一新される行為。

偶然叙事詩

Titus Lucretius Carusの壮大な叙事詩『物の本性について』。

宇宙破局

Mircea Eliadeによるキリスト教が克服した苦悩として
「宇宙的破局、侵略、社会的不正」というのがある。

千年恐怖

西暦1000年に関する終末論。

寂滅思想

解脱して、この世の煩悩から離れ、涅槃に至ることを善しとする思想。
寂滅は涅槃、ニルヴァーナに同じ。
東洋、日本の禁欲主義につながる。

人間誕生 人間知恵 人間知識 人間快楽 人間意識 人間経験 人間啓示 人間解放

知恵~

人間が、世界が終わる恐怖から逃れる為の手段。

ダンテ ラヴレェー スウィフト サド

時代の苦悩の証人たち。

ダンテ

Alighieri Dante。
『神曲』の著者。

ラヴレェー

Francois Rabelais。
当時の政治や宗教を大胆な筆致で批判。

スウィフト

Jonathan Swift。
『ガリヴァー旅行記』 にて痛烈に人間社会・政治を批判。

サド

Donatien De Sade。
人間の性の本能のすべてを肯定し、それをも含めた全体的自由を追求。
「サディズム」の由来。

「アパカリプス!」 「ブック オブ レヴェレィション!」 「黙示録!」

アパカリプス

the Apocalypse。
黙示録。

ブック オブ レヴェレィション

the Book of Revelation。
ヨハネの黙示録。

宇宙開闢すなわち運命開眼 天地想像すなわち運命誕生 創世神話すなわち創物運命 自然淘汰すなわち運命淘汰

すなわち

この世の移り変わりと人のなりゆきが同一視されている。

われよく知るべし 自分の鏡 なにとてその姿 我我肉体か なにとて永遠不在 我はただの寓然なり

われよく知るべし

一者は自己の存在を認識する為に多者を造る。
人間もまた一者を観測するように造られているので、世界の終わりについて考えるようにできている。

自分の鏡

自己を外部化して観測する行為。

我我肉体か

人間は物体でしかない。

永遠不在

肉体を詳しく調べても、どこにも魂は「存在」しない。

寓然

一者の創造物が天然なら、一者は寓意によって創造された寓然なのかもしれない。

我はただの寓然

一者が自己を認識すれば、多者の存在意義は消え失せる。

私的解釈

神の審判に翻弄される人間の存在を描いた歌。


E-27 天使アンドロギュヌス

ウテナ用録り下ろし。

アンドロギュヌス

Androgynous。
両性具有。完全な性質を持つ。

五芒星形 快楽・曼陀羅・生殖軸

五芒星

西洋では人体として描かれる。
上方に角が来ると天の力の象徴。5つの頂点が4大元素と光の属性を持つ。
下方に角が来ると悪の力の象徴。5つの頂点が4大元素と闇の属性を持つ。

快楽

苦痛がすべて取りさられた状態。
精神が安らかで雑念のない状態で、一種の解脱。
エピクロス学派では、快楽を生の原動力であり目的であるとした。

曼荼羅

宇宙の原理を表す形、音、言葉など。
通常絵図を指し、宇宙の設計図と言われる。
曼荼羅は宇宙の姿、世界の縮小図で、これを見て瞑想をすることにより
精神は上昇し、真理と近づき、宇宙と一体化する。
つまり曼荼羅は解脱する為の法具の一種である。

生殖軸

動物の生殖器は体の中心軸上に存在する。

理想と実在 男と女

理想と実在

理想的存在でいある一者と、現実的存在である他者=我々。

男と女

一者から別れた多者の状態。

威厳 純潔 双供欲 艶瀾

純潔

神に近づく条件で、偉人や聖職者は基本的に純潔を要求された。
禁欲により神との一体化感覚を体験する。
天国に行けるのは純潔を守り通したものだけだと言われた時代すらある。

双供欲

2つに分かれた不完全な存在は、一者になりたいと願う。

艶エン

なまめかしい、つや、うらやむ。

瀾ラン

波。

艶瀾

Chaos Charm。

古代原型とつながるワタシ セラフィトゥス 両性具有の二人 セラフィータ

古代原型とつながるワタシ

一者から生じた私には、なにかしら一者の痕跡がある。

セラフィトゥス/セラフィータ

Seraphitus/Seraphita。
Balzac『セラフィタ』より。
天使九階級の最高位が熾天使セラフィム。
セラフィムには男のセラフィトゥスと女のセラフィータが同居する。

天堂機構[からくり]

天堂機構

天の動きは、エネルギーのいらない完全なる運動。

造形・モザイコ・二なり夢

造形

古代原型には形がないので、一者から多者になること。

モザイコ

多者になっている状態。

二なり

男女の特性を持つ、すなわち完全な状態。

一者か多者か 言葉か物か

言葉・物

一者と多者の例え。
一者が発声した言葉により、多者たる物が造られた。

かかる疑問が象徴となり ディオスクロイ 万物両性混沌[カオス] アニマ・アニムス

ディオスクロイ

Dioskuroi。
ゼウスの子ら、の意。
カストルとポリュデウケスの双子神。
双子は物事の二面性・完全性の象徴。

混沌

物事=特性が混じり合った状態。すなわち完全なる一者につながる。

アニマ・アニムス

anima-animus。
ユングの概念。
アニマは男性の心の中にある抑圧された無意識の女性的要素。
アニムスはその逆。
人間の中にも男女両方が含まれている。

霊的完成を急ごう すなわち自己の内部の再発見

霊的完成

我々が霊的に完成するには古代原型と一体化する必要がある。
その為には五芒星、快楽、曼荼羅などを用いて、自己の内部が古代原型と繋がっていることを発見しなければいけない。

わたし世界に二人ぼち わたし世界に二人きり わたし世界に二人だけ ふたり たりふ りふた ふたり わたし世界にアンドロギュヌス

アンドロギュヌス

Androgynous。
両性具有。完全な性質を持つ。

ヘルマフロディズム

ヘルマフロディズム

Hermaphrodism。
両性具有主義、両性具有を善きものとして目指す傾向。
ギリシア神話のヘルマフロディトスに由来。
ヘルマフロディトスは、ヘルメスとアフロディーテ二神の子供。
男性であったが泉の精霊に惚れられ、精霊が彼と一つになることを
願ったので、合一して両性具有となった。

私的解釈

人間は絶対存在から隔離した不完全な存在であるが、その内部には対となる性質が内在し、それにより完全に戻る可能性を秘めている。


E-28 わたし万物百不思議

ウテナ用録り下ろし。

澁澤龍彦『ヨーロッパの乳房』より。

顔の賦 首の賦 髪の賦 爪の賦 胴の賦 両手の賦 両足の賦 全身の賦

与えられたもの、わりあて。

つまり紋章 人体紋章学

人体紋章学

人体という紋章に何からの意味があると想定し、それを探る学問。
フランス語の「blason (ブラゾン)」=紋章。
16世紀に流行した詩の呼び方、褒貶詩(ほうへんし)。
人体の一部を誉め称えたり、比喩を使って人物や事物を誉めたりする詩。

鏡の中のその姿

鏡の中のその姿

人間の事。

複雑微妙な有職[ゆうそく]文様

有職文様

日本の家紋の意匠。

黒字白斑 宮廷作法 白地黒斑 楯形模様

黒字白斑/白地黒斑

黒白の組み合わせは二面性の合一の象徴、双子・両性具有の暗喩。
錬金術の両性具有術の象徴にチェスのキングとクイーンが使われるのは、その舞台が白黒模様のチェス盤空間である為。

楯形模様

西洋の紋章の意匠。

人が着かざる難解象徴

人が着かざる

神やそれと同等のものが作ったものを人間が利用する。

バロック技巧の歴史の芸術

バロック

the Baroque。
16世紀末~18世紀中頃に、ヨーロッパ全土に盛行した芸術様式。
プロテスタントに押され気味だったカトリックが政策として
作製するようになった、「人をひきつける」ことを目的とした絵画。
複雑華麗で動的、ルネサンス様式の均整と調和からの脱却。

火蜥蜴[サラマンドラ] ドラゴン 豪猪[やまあらし]

サラマンドラ, ドラゴン, やまあらし

西洋の紋章の意匠。

聖体・秘蹟 信仰・美徳

聖体

パンとぶどう酒。
キリストが信者に与えた、信仰の証。

秘蹟

キリスト教の儀式、通過儀礼のこと。
洗礼、聖餐、結婚式など。

閉じ込められた 薔薇の奇蹟

閉じ込められた薔薇

聖母マリアの処女性の象徴。

人獣花

人獣花

西洋の紋章の意匠。マンドラゴラの類。

真珠・宝石 人間・年齢

真珠

海の底にありながら天の光の様に素晴らしい輝きを放つところから、天の力が貝に働きかけたとされた。
2つの属性が結びついて結合されたものの象徴。

花菱十字架

花菱十字架

日本の家紋の意匠。

金・銀・紫・緑・赤・青・黒 金・銀・紫・緑・赤・青・黒

金~

紋章を構成する色達

アルハンブラ イズパハン カセルタ リンダーホフ シュヴァル ボマルツォ フローラ マティアス ヴェルサイユ オベリスク ザーメック イゾラ・ベッラ アンフィテアトロ オルフェウスグロッタ ノイシュヴァ・シュタイン サンタ・マリア・デラ・コンチェツィオーネ

アルハンブラ

Alhambra。
宮殿。
西方イスラム世界の代表的建築物。

イズパハン

Esfahan。
イランの都市。
「世界の半分はイスファハン(Isphahan)」。

カセルタ

Caserta。
イタリアの王宮と庭園。
水道橋と絹織物工場。

リンダーホフ

Linderhof。
ドイツの城。
森の中にひっそりとある豪華絢爛な宮殿。

シュヴァル

Cheval。
フランス。
一人の男が石を積んで造りあげた「理想宮」。

ボマルツォ

Bomartzo。
ローマの庭園。
人ざる彫像が点在する「怪獣庭園」。

フローラ

Flora。
マカオ最大の庭園。
ポルトガル人の壮麗な邸宅が炎上した跡。
フランスの城。
ローマ神話で花と春の女神。

マティアス

Mathias。
マティアス帝が造ったプラハ城の門。

ヴェルサイユ

Versailles。
フランスの王宮。
絶対王政のシンボル。

オベリスク

obelisk。
「方尖塔」。

ザーメック

zamek。
「城」。

イゾラ・ベッラ

Isola Bella。
イタリアの島。
「美の島」の庭園。

アンフィテアトロ

Amphiteatro。
古代ローマの円形闘技場 (コロッセオ) を再開発。

オルフェウスグロッタ

The Grotto of Orpheus。
ギリシア神話「オルフェウスの洞窟」。
イタリアで流行した。

ノイシュヴァ・シュタイン

Neuschwanstein。
ドイツの城。
岩場に建つ「白鳥城」。

サンタ・マリア・デラ・コンチェツィオーネ

Santa Maria della Concezione。
ローマの聖母処女懐胎教会「骸骨寺」。

洞窟 彫像 噴水 庭園 宮殿 青銅 壁画 架空 古城 別荘

洞窟~

自然物と人工物を同一視している。

いたるところで生きる 生きている自分の姿

いたるところで生きる

この世に存在するすべては、一者の創造物であると同時に一者の様々な状態の現れ。
同様に、人間の造ったものは人間の別の状態、現れ方のひとつ。
いたるところにある人間の創造物、象徴も空想上の生き物も建造物も、みな人間の顕現。

万物ワタシ百不思議 世界ワタシ百不思議

「私」と「世界」を同一視している。

私的解釈

世界には造形物が溢れているが、それらは人間の現れ。


E-29 体内時計都市オルロイ

ウテナ用録り下ろし。

ラ・メトリ『人間機械論』より。

体内時計

人間の寿命も体内時計による仕組みだと考えられる。

オルロイ

Orrery。
天文時計。
太陽の運行や月の満ち欠けを記した時計。
十五世紀頃には、為政者が技術力や政治力を誇示する目的で、都市の中心に装飾的な時計塔を建築するのが流行った。
時計に合わせて自動仕掛けのカラクリ人形が動く。

死神の像 頭をフリフリ 綱を張って 鐘打ち鳴らし

死神

死の時を告げる神。

雄鶏羽ばたき 窓がひらくと 十二の使徒が まるで人形

雄鶏

夜明けの時を告げる鳥。

十二の使徒

キリストの直弟子の十二人。

黄道わたしの十二宮 ゾディアック

十二宮

天体による一年時計。

ゾディアック

zodiac。
黄道十二宮。
マニリウスの占星術。
獣帯神々部位
白羊宮ミネルヴァ頭部
金牛宮ウェヌス脛部
双子宮アポローン
巨蟹宮メルクリウス
獅子宮ユーピテル腹部
処女宮ケレース
天秤宮ウルカーヌス下腹部
天蝎宮マールス性器
人馬宮ヴィアーナ
磨羯宮ヴェスタ
宝瓶宮ユーノー
双魚宮ネプトゥーヌス足先

内臓景観 理想都市

内臓景観

内臓が建造物になぞらえられている。

理想都市

神の造形物たる人間の内臓には、無駄がない。

地球の眼球 運動標本 血的な石臓 動力星座

地球の眼球~

天体が人体になぞらえられている。

未完の胎児 死の秘密

死の秘密

やがて完成し、そして死ぬ。
すなわち時の流れが前提。

人工肉体 グロッタ 迷路 幻想建築 大理石 人工時計 重鎮 発条 くるくる廻る 個の時間

人工肉体

建造物を人工肉体として、体内の建造物について考えている。

グロッタ

grotta。
洞窟、主にマニエリスムの庭や森に造られた人工洞窟。
冥界を暗喩。

重鎮

時計の原動力となるもの。

発条

時の流れを調整する器具。

廻る

人間の造った時計の針は一箇所で回りつづけ、個の時間から脱出できない。

肉体都市と時計の神秘

肉体都市

臓器からできる人間の体を、建物からできる都市になぞらえている。

時計の神秘

正確無比に動く時計=肉体は神秘そのもの。

幾何学法則コチコチ建築

幾何学法則

建物は幾何学を用いて建築されている。

単調 永遠 現在 悠久

単調~

時は単調に、しかし確実に進んでいく。

万象真実 千篇一律 千変万化

万象真実

神の造りし肉体は、すべてが真である。

千篇一律 千変万化

人々は同じ「肉体」でありながら、いかなるようにも変化する。

わたし化ける 人体都市 わたし化けろ 欠刻時計

欠刻時計

わたしは時を刻まない時計を望み、滅びを避けたいと願っている。

都市時計発見 都市時計理解 都市時計消滅

発見、理解、消滅

体内時計を発見し、それが限りある命を意味していることを理解し、やがては消滅する運命にある。

私的解釈

人間も都市も造形物であり、機械的存在である。


E-30 ミッシング・リンク

初出『ダーウィン~時は幻想と仮説の舞台装置~』

ミッシング・リンク

連なる変化のうち、見つからない部分。
進化論でよく用いられる用語。
例えばキリンは最初首が短かく、進化の過程で長くなった。
しかし、その過程、すなわち首の長さが中程度のキリンの化石は見つかっていない。
この歌では、輪廻転生の「死んでから転生するまで」がそれにあたる。

生れたくなくても 生れてしまう

生れてしまう

死が避けられないように、生きることも避けられない。

私的解釈

輪廻転生をうたった歌。


最終更新:2024/02/24

主要参考文献

©J.A.シーザー:当ページでは引用の範囲内で歌詞を使用しています。

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