煎じ薬の飲み方
煎じ薬とは
煎じ薬とは,生薬(薬の成分を含んでいる植物・動物・鉱物の一部分)を水で煮て(煎じて),これらの煮出された薬効成分を薬として服用するものです.
たとえば,皆様がよくご存知の葛根湯を例に説明します.
葛根湯の1日分の処方は,葛根8.0g 麻黄4.0g 大棗4.0g 桂皮3.0g 芍薬3.0g 甘草2.0g 生姜1.0g 計26g となります.
1日分の1袋に写真の生薬が各々の分量分入っています. 5mm方眼紙上撮影
煎じ薬の飲み方
===== 煎じ薬(きぢや薬局製剤)の剤形について =====
煎じ薬の名称には**湯,**料,**散料,**飲,**丸料などがあります.
煎じ薬で**散と云う煎じ薬もあります.!!!
散剤は,生薬の原末のみの製剤です. 煎じないで,粉末のまま服用します.
===== 煎じ薬の煎じ方と飲み方について =====
容器:土びん(IH可)が一番です.又はアルマイトか耐熱ガラス(IH可),鉄びんはダメです.
煎じ方:煎じ薬は袋入りですが,袋のまま煎じると水が袋の中を通りにくく,また空気が入って水面に浮き上がり,薬効成分の抽出が十分出来ませんので,袋から取り出し,ばらして煎じると良いです.
水約500ml(コップ2.5杯)を水から入れ,弱火(ガス・電気・冬はストーブでも)で約30〜40分煎じます.(生薬のかさにより水の量を加減します).
強火だと水が早く蒸発するだけで、薬効成分の抽出が十分出来ません.ふきこぼれに注意しながら,ゆっくり煎じましょう.ふたを少しずらしておくとよいです.
水かさが約半量になったら,熱いうちに茶こしで濾しておきます.
飲み方:1日分を3回に分けて,あたたかくして食間に飲みます.ただし,嘔吐,喀血のときはつめたいものを少しずつ飲みます.