全生 ―― 生を全うするの道を示すものである。生命力の強い現はれである。すなわち寒暑に冒さるゝことなく、粗衣粗食を厭(いと)ふことなく、労して疲るゝことなき積極的の意味を有してゐる。寒暑を避け、飲食に怖れを懐きて、その質を選びその量を測るが如き、着るに暖衣を以てし、労するを憂ひて生を守るが如き消極的の意味を含まぬ。所謂衛生なるものとは、その性質を異にする。
全生 ―― 生を全うするの道は、健体を創造し彊心を保持して、これを活用することである。
然るに現今行なはれつゝあるところの体育、衛生、医術などは、果してこの意義に副えるや否や。思ふに真の目的に逆行して、却って心身を虚弱ならしむるの現象を呈してゐるではないか。之何故なるか、その誤り何処にありや。
本誌『全生』は先づその欠点、欠陥を指摘して一般の誤りを正し、而して諸君の前に全生の大道を開示せんとする。