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和平復興関連 No52


ワサビは効いても
和平交渉の先行き、見えず


 8月末までに、スリランカ政府とLTTEの和平交渉を進展させるために数々の外交交渉が水面下で行われたにもかかわらず、解決の道筋はまったく見えていないとアジア・トリビューンがネット配信している。
 ノルウェーのエリック・ソルヘイム和平使節はLTTEのバーラシンガムと8月31日、ロンドンで、また今日は東部バティッカロアのスリランカ軍指揮官とLTTEの代表が停戦に関して話し合いを持つがその結果は不透明である。
 プライベートでロンドンを訪問していたチャンドリカ・K・バンダーラナーヤカ大統領は昨日帰国し、今日、和平に関する声明を記者会見で述べると期待されているが、これもその内容はわかっていない。この7、8月、和平交渉には何の進展も見られなかった。

 一方で、日本の須田大使と明石特別平和使節はスリランカ政府に対して先の東京会議で取り交わされた援助資金の分配を早急に済ませたいとして、スリランカに対して迅速な対応を図るよう公の場で発言した。
 特に須田大使の発言はスリランカのマスコミを騒がせた。日本スリランカ協会発行の資料によれば、「ワサビ」と題されるその辛口のスピーチはスリランカの援助受け取りの態度に対する苦情であった。ドナーが与えてくれるドネーションを安易に享受しているという論旨が注目を集めた理由だったようだ。
 ワサビを効かした平和の分け前が旨いかどうかは横に置くとして、日本が東京会議で決まった援助金を分配できずに窮していることは確かだ。スリランカ政府とLTTEの和平が進まなければ「ドナー」各国は援助を留保するとしている。東京会議直後は在スリランカ日本大使館職員の尽力もあってLTTEへの働きかけも積極的だったのだが、現在に至っても東京会議の「約束された分配金」がスリランカの復興にどのように使われるのか確実さが揺らいでいる。

 韓国、スリランカ民生援助に150万ドルを貸与
 
 韓国政府は9月1日、スリランカ国民の生活水準向上に向けて1500万ドルの貸与を決定したとYONHAP NEWSが伝えている。 また韓国経済開発協力基金は支払猶予10年、30年ローンで金利2,5パーセントの資金を提供する用意があるとしている。


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