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和平復興関連 No101


2005‐9‐04
次期国連事務総長はアジアから
スリランカと中国、共同声明を発表

 8月30日から9月2日、中国に国賓として招かれたチャンドリカ大統領は胡錦涛主席と共に共同声明を発表し、両国は文化・経済・財政・観光の面において共に協力し合うとした。中国とスリランカの各報道機関はこれを詳細に報じている。

 両国はテロリズムの企て強く抗議し、国家の領土保全・主権維持のため、その打破に向けて戦うことを宣言した。また、スリランカは中国がひとつであると認識し台湾は中国に帰属するとの見解を表明した。中国は南アジアとの緊密な連携を取るためにそれらの諸国と更に関係を深めるとした。

 特に次期国連事務総長の選出に関して、両国は連携してアジアからの選任を国連加盟各国に主張し、歩調を共にして選任に対処するとの意見を共有した。国連改革に関しても両国は幅広い世界各国の意見を取り入れた上で行うべきだとの意見を声明に付している。台湾の帰属と一つの中国という中国の抱える国内問題が現在のスリランカが抱えるタミル・イーラムの独立という「一つのスリランカ」問題と重なる。
 両国は国内問題を共有することで「千年を視野とする開発計画、人々の権利の尊守、テロリズムへの対抗」を成就するための現実的な行動を起こすと共同声明の中で述べている。これは共に数千年の歴史を有するアジアの国であればこそ声明に書きこめるフレーズだ。歴史の浅い大国アメリカはこれをどう読んだのだろうか。

 両国間の経済開発協力に関してスリランカは中国からの優先的で有利な開発援助の申し入れに対し謝意を表した。スリランカでの開発事業は具体的に、ハンバントータ石油備蓄基地建設計画、プッタラム火力発電計画、カトゥナーヤカ-ラトゥマラナ高速鉄道とコロンボ-カトゥナーヤカ間の空港快速鉄道建設があげられ、スリランカは中国側の資金での着手を望んでいる。中国はこれに対して慎重に検討すると解答した。


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