かしゃぐら通信・表紙へ  索引index  シンハラ語 スリランカ自由自在
南の島のカレーライス  mail to かしゃぐら通信

訪問者カウンター和平復興関連 No33 


2004−01−30
45億ドルの援助は嘘


 スリランカの内政事情で東京会議の成果が生かせない状態が続いている。
 明石康特使は先月末、45億ドルに上る援助金の円滑な履行を進めるため、コロンボでドナー各国・各国際機関との協議をおこなった。
 1月25日、コロンボで記者説明を行った明石特使は「ノルウエーはファンタスティックな仕事をこなしている。スリランカの内政問題に外から口を挟むのもではない」と述べた。
 例によって口が滑ったのだろうか。ファンタスティックは「すばらしい」だが「途方もない/馬鹿げた」の意味もある。後者の意味でファンタスティックを使ったのであればその言葉には苛立ちと焦りを感じる。
 スリランカに現在の混乱が続くならば、東京会議でドナー各国・各国際機との間に関と取り交わされた復興援助金45億ドルをスリランカは失うことになると援助国・援助国際機関はそう言明している。援助がなければスリランカ政府が目標としている2004年度の経済成長率6パーセントは達成できない。諸外国からのスリランカへの投資も見送られ株価指数も2割以上落ち込んでいる。
 現在のところ、ドナーによる援助がどれほどスリランカに対して為されたのか、2月17日にワシントンで開かれるドナー会議を待たなければその金額は出てこない。
 こうした東京会議の約束の履行状況をN・カルナティラカ元中央銀行総裁がスリランカの新聞紙上で明らかにした。→援助金の性格を表する論評
 援助を受けるということは恐ろしい落とし穴を作る。東京会議で援助を受けると約束した以上は全額使わなければならない。ドナー国からの援助を使わなければ、それだけで年0.5%のペナルティー利子が発生するからだ。実質、支払われない援助金にも利子が発生するということである。援助金を使わなければスリランカは今の膨大な借金を更に膨らませることになる。まさにサラ金地獄だ。

 かつて大平首相の時、日本はスリランカへの投資を飛躍的に拡大した。
 日本の登場で貧困という闇が消え輝くサクラの花は陽の光のようにしてスリランカを照らし。この「さくらの花サクラ・マル」の輝きをナンダー・マーリニが「さくら」という歌にうたっている。これは今日本で流行っている二つの「さくら」の歌の心やさしさとは違う。さくらが咲いて天と地が入れ替わるような大騒ぎが始まった、という歌だった。
 現小泉首相の時、日本は新たにスリランカへの援助を飛躍的に(スリランカ政府がハリ・プドウマイと驚くほどに)拡大した。巨大なさくらの樹がまたランカーの島に移植された。
 そのさくら、咲くか、咲かぬか。
 2004年1月のスリランカは今、サクラの木の枝にこぼれる無数のつぼみを見つめたまま動けずにいる。

``More aid than what is committed can be given if the peace process continues and improves as an incentive, but that for the time being is out of the question,'' Akashi said.


かしゃぐら通信訪問者カウンター