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和平復興関連No27


2003‐12‐29
危機説は虚構、大統領,討論番組で表明

 ラジオ討論番組に参加したチャンドリカ・B・クマーラトゥンガ大統領は、昨年11月に3閣僚を大統領が罷免したことに触れて、ラニル・ウィクラマシンハ首相は危機を装っていると述べた。
 大統領はまた、この罷免を誤りとラニル首相が指摘することで、首相は自らが犯した和平交渉の失敗を押し隠そうとしていると言い、和平交渉は閣僚罷免がなされる7ヶ月も前に膠着状態にあり、LTTEは当時すでに交渉の席になかった、と述べた。
 また、和平交渉は国防を視野に入れなければ前進させることが出来ないとし、1994年総選挙の後にLTTEとの和平交渉を進めた当時、国防の職務をD・B・ウィジェートゥンガ大臣が握っていた事を明らかにした。
 事態をそのように説明した後、大統領は首相との会談を行うことと首相の同意を得て和平交渉の再開を図る専門家チーム設置を求めた。
 大統領の提案は、和平交渉会議に大統領と首相の双方が出席すること、国家防衛大臣を首相が兼任するか首相の指名する者に委ねること、その中に停戦とモスリム問題を含めて処理するというものだったが、これらは首相に拒否されている。

 政治アナリストは、この提案に首相が非協力的な態度をとることが議会解散による国政選挙を導き、それが現状をより悪化させる見ており、現在の態勢ではどの政党も絶対多数を取ることが出来ず、手詰まりの現状を長引かせるだけだと指摘している。
 ラジオ番組の中で大統領は、困難の現状を交渉によって解決することを強調し、スリランカを戦争状態に再び戻らせるようなことはしないと保証し、「この問題を解決するにはコンセンサスを広く探りながら断固とした決意を持って作業を進めて行く必要があります。LTTEでさえもこの点に関しては二大政党間のコンセンサスが必要だと認識しているのです」と語った。


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