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トップページ> > 『幸福な食卓』
幸福な食卓
瀬尾まいこ
姿勢のいい静かな文章なので
読んでいて気持ちが良いです。
物語全体にあたたかい
心地良い空気が満ちています。
こんなブンガクがいいな、と僕は思います。

-- ブックファースト梅田店店員さんのコメントより
この本を買うきっかけになったのは、
映画『サイドウェイ』です。

この映画の主人公マイルスは
学校で国語を教える教師をしながら、
長編小説を書いては出版社に売り込むという
日々を過ごしている。
(もちろん、出版社から出版OKの返事は来ていない)

という設定なんですね。
書いても書いても認められない…
中年男性の悲哀がひしひしと感じられる
マイルスの背中をながめながら、
「あ、これって、瀬尾まいこさんと同じシチュエーション!?」

と思い出したのがはじまり。
そして、いざ思いついてしまったら
すぐに本屋に走らなければ気が済まず、
その場で見つけたこの本を買ったわけです。

う〜む、すげぇ衝動的。

あ、ついでに瀬尾まいこさん自身のことを知ったきっかけも。
朝日新聞の関西web版の連載を読み始めたのが最初です。

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さて、この本は
あるフツーの4人家族について描かれた短編集。

暗い過去を持つ(でも明るい)父、
家を出てアパート住まいをしてるのに
かえってイキイキしてる母、
頭脳明晰、運動もできて
将来有望であるにもかかわらず、
大学には進まず肉体労働に励む兄、
マジメなんだけどマジメすぎず、
女の子っぽさとオトコっぽさを兼ね備えた現代風な妹。

妹の視点から見た、小学生から高校生に至るまでの
家族の風景が語られています。

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っつうかですね、わかるわぁ〜って感じです、全編。
オレは、この妹(佐和子ちゃん)の気持ちがわかる。
うん。わかるよ。
お兄ちゃん(直ちゃん)の気持ちもちょっとわかる。
わかるところも多々あった。

優秀な兄を持つ佐和子ちゃんの気持ちとか。
やりたくもないクラス委員をやるときの気持ちとか。
なぜか毎日に真剣になれない直ちゃんの気持ちとか。

そうだよなぁ。そうだよねぇ。そうなるよねぇ。

最後の一編に収められた衝撃的事件については
あまりよくわかってあげられないけど、
(っていうか、わかりたくないけど)
"あぁ〜、そうなっちゃう気持ちもわかるなぁ"
と思いましたね。
読みながら、全編を通して
"オレ、この本に全面的に感情移入してる!"
って感じではないんだけど、"すげぇわかるわぁ〜"と
そればかり考えていた一冊でした。
posted on 2005.03.31
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