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トップページ> > 『野ブタ。をプロデュース』
野ブタ。をプロデュース
白岩玄
舞台は教室。プロデューサーは俺。
イジメられっ子が人気者に!?

第41回文藝賞受賞作。
数ヶ月前、テレビの情報番組で紹介されてたのを偶然見て
"読んでみたい!"と思ってずっと探していた本でした。

「『セカチュー』で泣いてる場合ではない、
 『野ブタ。』を読んで笑いなさい」と選考委員が絶賛!

どんなすごい賞なのかわかんないけど、なんかすごそう。
イメージだけがふくらみました。
店頭ではついに発見できず、最終的にはネットで購入、
満を持して読み始めました。

一読しての感想:

新鮮な文章(文体)が随所にあって面白いんだけど、
そんなに笑えなかったっす。
ギャグが笑えないとかそういうレベルではなくて、
オレの感情に訴えるだけの「熱意」が
文章全体から感じ取れなかったんっす。

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実際、物語は「現代の冷めた高校生」を主人公にしてるので
「熱意」が感じられたら逆におかしいという設定なんですね。
だから、熱くない青春小説として見ると、この本はすごく正しい。
でも。
「冷めてる」けど、
「冷めてる」ことに自覚的なんだけど、
心のどこかで「熱くなりたい」と思っている高校生を描いたこの本は、
主人公の気持ち同様に、どこか中途半端なんですよね。
作者までもが主人公を突き放して見てるような感じがしたんです。
アンタ!アンタぐらいは主人公の味方でいてやれよ!みたいな。
主人公たちの置かれている立場とか、心情とか
理解できるような気がするだけに、ちょっともったいなかったな…。

この本を読んでるときって、まるで
お笑いコンビ「よゐこ」のシュールなショートコントを見てる気分。
笑いたいんだけど笑えない感じ。
逆に笑っちゃいけないんじゃないかという感じ。
自虐的過ぎて、限度を踏み越してしまった感じ。
笑えそうな要素はたくさんあるのに、よゐこがやると笑えない。
同じネタを別の芸人さんがやったら、もっと笑えるんじゃないか。
そんな感じでした。

もうちょっと熱く笑いたかったなぁ〜。

とはいえ、この本は、そこらの本とは一味違うことも事実。
読書から遠ざかっている人が読んだら、
この斬新さにビリビリしびれるんじゃないかと思ったりもします。
21歳・まだ専門学生である作者の
今後の大ブレイクに期待したいと思います!
くれぐれもよゐこのような境遇にはならないように…。

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などとエラそうなことを書いている今日、
芥川賞候補作品の発表があり、この『野ブタ。』も
見事ノミネートされました!
めでたいんだけど、でも、なんかフクザツ…。

p.s.
わたくしが最近大好きなお笑い芸人といえば、レギュラーです。
来年までもつのかどうか怪しいですが、
今はアイツらの顔をテレビで見るだけで笑えます。
posted on 2005.01.06
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