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トップページ> > 『死神の精度』
死神の精度
伊坂幸太郎
俺が仕事をすると、いつも雨が降るんだ
クールでちょっとズレてる死神が出会った6つの物語。

@CDショップに異常に入りびたる
A苗字に町や市の名前が使われている
B受け答えが微妙にずれている
C素手で人に触ろうとしない
Dいつも雨にたたられている

そんな人が近くにいたら死神かもしれません。
タイトルにもあるように、物語の主人公は「死神」。
人間の姿を借りてこの世に8日間だけ現れ、
死亡予定者リストに挙げられた人間が
ほんとに死んでもいいかどうかをチェックしに
やってくるのです。そして、死神のチェックをパスし、
審査で「可」が出た場合には、その人間が死ぬのを
見届けたあとで人間界をあとにする、と、
そんな死神が出会った「死にゆく人間たち」との物語。

この本も、最初から最後まで一気に読みましたけど、
読み終わったあとの、この爽快感って、なんなのーーー!!
ってぐらい、スッキリしちゃいましたね。
『死神の精度』なんていう重苦しいタイトルの本を
読んだあととはとても思えない、後味の良さ。

これだから、彼の物語は読まずにいられないわけです♪

伊坂くんしかり、金城くんもそうなんですけど、
(くん付けで呼んでごめんね)
だいたいオレたち世代なわけで、そのせいかもしれないけど
読んでても「感覚が近いなぁ」と思うわけです。なので
余計すんなりと物語の中に入っていけるんだと思うんです。
文章の柔らかさ加減、言葉の選び方みたいなものが
しっくりくるわけ。
そして、登場人物に対する視線が温かいところも共通点。
人に対しては温かくて、現実を見つめる目はシビア
だったりして、そのへんのバランス感覚も素晴らしいんです。
"哀愁を帯びた包容力"って感じ。

伊坂くんの本って、ミステリーとかサスペンスとかに
分類されることが多いようなんですけど、
(たしかにそんな要素も含まれてますけど)
そんな小さな枠にハメてしまうなんて、もったいない!

どうせ分類するなら
「傑作」というジャンルに置いてください!!
それなら誰もが誤解することなく、
本屋さんで探し当てることができると思いますので。
posted on 2005.08.03
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