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トップページ> > 『サウスバウンド』
サウスバウンド
奥田英朗
父は元過激派だ。

型破りな父に翻弄される家族を、
少年の視点から描いた、奥田英朗2年ぶりの長編新作。
直木賞受賞後第一作!
元過激派の伝説的な人物・上原一郎を父にもつ
少年、上原二郎くん。
彼の目線を通して、ちょっと変わった(では済まされない?)
上原家の生き様が描かれているのが、この作品になります。

っつうか、まず、過激派とは一体何なんでしょう?
学生運動とは?全共闘とは?
おまけに右派とか左派の区別もつかないオレとしては
この際、こういう人たちをまとめて「頭のいい乱暴者」と
扱おうかと思うんですけど、いかがでしょう?

頭のいい乱暴者ですから、そんな人が父親だと
子供は苦労しますよね。わかるわかる。
うちの親もフツーのサラリーマンとは違った職業なので
フツーの生活リズムでは暮らしていません。
しかも一匹狼で働いているので、なんとなく協調性が
欠けているというか、勝手なことばっかり言ってる
イメージがあります。
そういうところが上原一郎と似ている…。

なーんて親近感が湧く親子設定でした。

この物語のテーマは
「親子」「家族」「友情」「自由」「信念」
「自立」「都会と田舎」「人が守るべきものはなにか」
みたいなことなのかなぁと思って読みましたけど、
おもしろおかしい物語の中に、そういうテーマが
スッと挿し込まれている感じで、全然説教臭くもありません。
主役から脇役まで、いい味出しまくりのキャラ揃いだし、
セリフ回しのテンポの良さはキレ味バツグンだし!
なにしろテンションが最後まで高いんだわ。

さすが直木賞作家!!

物語の前半は、陰湿な都会が舞台で
後半はものすごく開放的な田舎が舞台。
このギャップはすごいですね。
都会と田舎、どっちが住みやすいのか。
オレは田舎だと思うんですけど、
そう思わない人もたくさんいると思います。
(「都会派」のほうが断然多いんでしょうね)
いまや、どこへ行っても
コンビニチェーンやマクドナルドやスタバが
進出してきて、地方色がどんどんと薄れてしまう中、
この本を読んだあと、
みなさんはどっちがいいと感じますかね?

都会?田舎?それとも誰も知らない理想郷?

と、ここまで書いても
まだこの本の魅力が半分も伝わってないんじゃないかと
思っています。オレの表現力が足りないのと、
この本の魅力が大きすぎるのが原因であると断定します。
ぜひみなさんも読んでみてください!読み応え充分!
posted on 2005.10.25
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