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No.109 中央アルプス(3/4)
山に入って3日目です。今回の山行のハイライトで、空木岳、南駒ヶ岳、越百山と縦走しました。終日好天に恵まれ、素晴らしい景観を楽しめましたが、それに見合う体力も要求されました。

日時 2008年(平成20年)10月8日(水)〜11日(土) 10月8日の山行概要:中央アルプス(1/4)
天候 10月10日(金) 晴 10月9日の山行概要:中央アルプス(2/4)
同行 なし 10月11日の山行概要:中央アルプス(4/4)

10月10日 所要時間
木曽殿山荘(5.35) ←1時間10分→ (6.45)第一ピーク(6.45) ←35分→ (7.20)空木岳(7.30) ←1時間15分→ (8.45)赤椰岳(8.50) ←20分→ (9.10)擂鉢窪避難小屋分岐(9.10) ←40分→ (9.50)南駒ヶ岳で昼食(10.35) ←1時間30分→ (12.05)千涯嶺(12.15) ←1時間35分→ (13.50)越百山(14.00) ←40分→ (14.40)越百小屋(泊)

8月5日 山行概要

中央アルプス(2/4)より
夜中に何回か目が覚めましたが、
南駒ヶ岳
南駒ヶ岳
階下の物音で 午前4時過ぎに完全に目が覚めました。そのまま少し布団で寝ていると電気がついたので、布団から起き出しました。朝食は、5時からです。昨日の夕食はあまり食欲がありませんでしたが、朝食もやはり食欲がありません。しかし、食べないとバテてしまうので無理やりご飯1杯を口に詰め込みました。朝食を食べて、昨晩湯を詰めるよう依頼した魔法瓶と昼食用のアルファ米を受け取り、山小屋を出ました。山小屋を出てホッとした気持ちになりました。とにかく居心地の悪い山小屋でした。
山小屋を出ると、すぐ標高差300m以上の空木岳のきつい登りが始まります。昨日と違って今日は快晴です。昨日歩いた桧尾岳方向の斜面が朝日で赤く染まっています。きつい登りですが、高度はどんどん上がり、やがて第1ピークに着きました。一本調子の急な登りはここまでで、ここからは岩場の中を歩くようになります。登りは緩くなりますが、大きな段差が何箇所かあり、これを越えるのに結構手間取ります。やがて、行く手をふさぐようなピークが現れ、これを越えると左手に駒峰ヒュッテが見えるようになり、目の前に頂上が現れました。空木岳の頂上には沢山の人がおり、いずれも景観の素晴らしさに歓声を上げています。たしかに素晴らしい眺めで、私も周りに人がいなければ歓声を上げていたかもしれません。特に、頂上から伸びる緩やかな稜線上にある駒峰ヒュッテ付近のメルヘンチックな眺めが、私の目を惹きました。また、これから向かう南駒ヶ岳方向には白い稜線がずっと伸びており、この稜線も魅力的です。
ルートマップ今日はまだ先が長いので、ほどほどのところで空木岳の頂上を後にしました。頂上から続く花崗岩の白い砂利道が終わるとハイマツ帯の中を歩くようになります。今日はまだ周りに雲が湧いておらず、素晴らしい眺めが周りに広がっています。口笛を吹きたくなるような気分です。空木岳からダラダラと下って来た道が登りに変わり、赤椰岳の登りが始まりました。そう長い登りではありません。登り出したらなんとなく頂上に立ってしまった、という感じで、頂上に着きました。ここからの眺めも素晴らしいの一語つきます。赤椰岳の頂上で後から来た男一人、女二人の3人組のパーティーと一緒になりました。お互いに頂上で記念写真を写したり、お菓子を交換したりして、言葉を交わしましたが、結局このパーティーとはこの後越百小屋まで、ずっと相前後して歩くことになりました。
赤椰岳から一度どんと下ります。下りきった鞍部に擂鉢窪避難小屋方向を示す導標が立っていて、導標の示す方向に避難小屋が見えます。ここから、南駒ヶ岳の登りが始まります。登り始めるとすぐ、上から下ってくる登山者に会いました。宝剣山荘と木曽殿山荘で一緒だった登山者です。お互いに、「会うのはこれが最後ですね。気をつけて。」、と言って分かれました。やがて登りはどんどんきつくなります。最後の方は、きつくて吐き気がするほどでした。きつい登りが終わり、少し先に頂上が見えた時はヤレヤレと思いました。
南駒ヶ岳の頂上も見晴らしは抜群です。これまで見えなかった越百山やその先にある越百小屋もここからは眺められます。ここまで来れば、今日の行程の約半分、目立った登りはこの先の仙涯嶺だけです。昼食を取って大休止をすることにしました。素晴らしい景観に囲まれた楽しい昼食、と言いたかったのですが、食欲がありません。湯を沸かして作ったインスタントスープを飲むのがやっとで、それ以上食が進みません。昼食用に用意したアルファ米には手を出す気がしません。しかし、食べないわけには行かないので、もう一杯スープを作り、行動食のビスケットバーを食べました。しかし、これが精一杯でした。

昼食が終わり、一息入れたところで次の目標の仙涯嶺に向かいました。南駒ヶ岳の頂上を出ると登山道は稜線から一度左の方に外れ、潅木の中を歩きます。無風で日差しがあり、随分熱く感じました。一度見えなくなった仙涯嶺が見えるようになると、南駒ヶ岳と仙涯嶺の鞍部に着き、ここから仙涯嶺の登りが始まります。結構きつい登りでフーフー言いました。やがて大きな岸壁をトラバースする道が現れ、その先の岩の段差を乗り越えると、仙涯嶺の頂上が現れました。私が頂上に着くとまもなく、赤椰岳で一緒になった3人組のパーティーが登ってきました。更に間をおかずにソロの男性が登ってきました。この人と少し話をして、その健脚に驚かされました。今朝3時に私が明日下山する伊奈川ダムの登山口の駐車場を出発して、空木岳、南駒ヶ岳と歩き、今日中にまた駐車場に戻るそうで、年はナント70歳を越えているとのことでした。木曽殿山荘からここまででフーフー言っている私とは大違いです。
仙涯嶺の頂上を下ったところで素晴らしい紅葉が目に飛び込んできました。ここでもしばしこの紅葉に見とれていました。ここを過ぎると緩い下りがしばらく続きます。私が大好きなハイマツの中の見晴らしの良い道なのですが、ここまで来ると疲労がたまり、景色を楽しむ余裕がなくなってきます。25分歩いて5分休みを、機械的に繰り返して先へ進むことだけを考えて歩きました。やがて、少し登りがきつくなり、これを登りきって左へ進む越百山の頂上でした。途中で私を追い越した3人組のパーティーが待っていて、ここでもお互いに記念写真を写して、今日の登山の喜びを分かち合いました。
後は越百小屋まで下るだけです。頂上を下るとすぐ樹林帯に入り、ひとしきり歩いたところで、小さな佇まいの越百小屋の前に着きました。小屋に着いて受付を済ませ、ソフトドリンクを注文したらサイダーを出してくれました。そう冷えてはいませんでしたが、一息に飲み干しました。木曽殿山荘で注文したコーヒーよりはるかに旨い、そう思いました。
この日、木曽殿山荘から越百小屋まで来たのは、私と前述の3人組のパーティーだけでした。この日の越百小屋の泊り客は、下から登ってきた2人組の男性パーティー2組で、一方は明日木曽殿山荘まで、もう一方は、南駒ヶ岳を登って、伊奈川ダムの駐車場へ下ると言っていました。夕食は、この小屋の名物料理のてんぷらです。私は例によって食欲がなく、てんぷらと味噌汁が精一杯で、ご飯には手を出せませんでした。夕食後、泊り客8人と小屋番を交えて、7時ごろまで雑談をして過ごしました。うぬぼれ話は殆どなく、それぞれの失敗談や山以外の生活の話しが、控えめに語られ、久しぶりに山で会話を楽しむことが出来ました。雑談が終わると寝室に案内されましたが、布団ではなく寝袋が用意されていました。以下中央アルプス(4/4)

空木岳から先は空木岳までの人の多さと対照的で、歩く人は少ないようです。道はしっかりしていて、迷うようなところはありません。しかし、木曽殿山荘から歩くと、空木岳、赤椰岳、南駒ヶ岳、仙涯嶺と割合大きなピークが4つあり、前日の宝剣山荘〜木曽殿山荘より、体力を消耗するように思えます。

越百小屋
小さな山小屋ですが、小屋番は腰が低く、登山者を気持ちよくもてなしてくれます。小屋からは携帯電話が通じる(但しmova以外は不明)ので、私はここで、伊奈川ダムの先の登山口の駐車場まで来てくれるよう、タクシーの予約をしました。なお、タクシーは、小屋番に頼んでも予約をしてくれるとのことです。



空木岳の登り 空木岳の登り
頂上と思えるのは第1ピークで、ここから頂上は見えない
空木岳の頂上まで、人の姿が途切れることはなかった
桧尾岳から熊沢岳、東川岳へと続く稜線 空木岳の登りから見た桧尾岳、宝剣岳、木曽駒ケ岳
振り返ると昨日歩いたコースが目の前に広がっていた
紅葉に朝日が射して、山肌が赤く染まっていた
空木岳の登り 空木岳の登り
第1ピーク手前から見た木曽殿山荘
ここまでくると随分下の方に見える
第一ピーク付近 空木岳の登り
第1ピーク付近
木曽殿山荘から続いたきつい登りはここまで
ここから、頂上までは岩場の中を歩く
第二ピーク付近 空木岳の登り
多分この辺りが第2ピークと思われる
空木岳の登りで一番大きな段差がある
第三ピーク 木曽殿山荘の話では、頂上までに第1、第2、第3ピークがあるとのことで、これが多分第3ピーク
このピークの向こう側が空木岳の頂上
空木岳頂上 空木岳頂上
私がいる間は、人が絶えることがなかった
駒峰ヒュッテと稜線 駒峰ヒュッテ
地元の山岳会が管理している小屋で、シーズン中は管理人が入るとのこと
もしまたここに来るようなら、ここに泊めてもらうつもり
空木岳頂上から延びる白い稜線と南駒ヶ岳と赤椰岳 空木岳頂上から見た南駒ヶ岳
まだ、だいぶ遠くに見える
空木岳の頂上から伸びている手前の白い稜線が魅力的だった
赤椰岳と南駒ヶ岳 赤椰岳と南駒ヶ岳
写真手前のピークが赤椰岳で、右側のピークが南駒ヶ岳
快晴かつ暑くもなく、寒くもなく、空木岳からしばらくの間は、緩やかな下りが続いて、快適そのもの
赤椰岳への登山道 赤椰岳手前の登山道
右後方のピークが南駒ヶ岳で、その手前のピークが赤椰岳
赤椰岳への登り 赤椰岳の登り
この登りはたいしたことがなかったが、この後の南駒ヶ岳はつらい登りだった
赤椰岳頂上 赤椰岳頂上
赤椰岳の頂上は360度視界をさえぎるものがなく、眺望は抜群
赤椰岳頂上から空木岳 赤椰岳頂上から空木岳
振り返ると空木岳の向こうに桧尾岳や木曽駒ケ岳遠望できる
赤椰岳から南駒ヶ岳 赤椰岳頂上から南駒ヶ岳
前方には大きな山容の南駒ヶ岳がそびえている
頂上からは、この写真の左の下の方に擂鉢窪避難小屋が見える
擂鉢窪避難小屋分岐 擂鉢窪避難小屋分岐南駒ヶ岳を示す導標
ここの導標に、南駒ヶ岳20分と表示されていたが、私はここから頂上まで40分かかった
擂鉢窪避難小屋 擂鉢窪避難小屋
余裕があれば、行ってみるところだが、今回は眺めただけ
南駒ヶ岳山頂 南駒ヶ岳
白砂青松の気持ち良さそうな丘の上が頂上
ここまで来れば、頂上まではあと僅か
南駒ヶ岳頂上 南駒ヶ岳頂上
小さな祠が祀られている
ここからの見晴らしも言うことがない
南駒ヶ岳頂上から越百山 南駒ヶ岳から見た越百山
仙涯嶺から緩やかに下る長い尾根の先にある
ここからは、赤色の屋根の越百小屋も見える
南駒ヶ岳頂上から空木岳 南駒ヶ岳から見た空木岳
その向こうには木曽駒や宝剣岳も確認できる
今朝出てきた木曽殿山荘も見える
南駒ヶ岳頂上から仙涯嶺 南駒ヶ岳から見た仙涯嶺
ここからは、たいしたことがないように見えるが、実際はこの先で大きく下るので、結構きつい登りが待っている
仙涯嶺 仙涯嶺
ガイドブック等に登場する仙涯嶺
登りはきついが、岩場を登ったり、へつったりすることは、殆どない
仙涯嶺の頂上は左側の尖ったピークではなく、その右の低く見える方のピーク
仙涯嶺頂上近くの岩峰 仙涯嶺の登り
頂上近くなると岩峰や岸壁が目に付くようになる
紅葉が彩りを添えていた
崖のトラバース道 仙涯嶺頂上近くのトラバース道
すっぱり切れ落ちた岸壁の中腹を通るが、道幅が広く荒れていないので、危険や恐怖感は感じない
仙涯嶺頂上 仙涯嶺頂上
背景は南駒ヶ岳
思ったより広く、頂上を示す標識がぽつんと立っている
仙涯嶺から越百山 仙涯嶺から越百山
緩やかな気持ち良さそうな稜線沿いの道が越百山まで続いている
実際は小さな上り下りがあり、見た目ほど楽ではなかった
仙涯嶺頂上から南駒ヶ岳 仙涯嶺から見た南駒ヶ岳
ここから見る南駒ヶ岳の頂上は随分高いところにある
仙涯嶺付近の紅葉 仙涯嶺付近の紅葉
仙涯嶺の頂上を下るとすぐ、見事な紅葉が目に飛び込んできた
写真は仙涯嶺から越百山へ続く稜線で、稜線の東側
この後はずっと稜線の西側を歩くようになるので、この紅葉は眺められない
越百山への道 越百山へ続く登山道
このような感じのハイマツ帯の道が延々と続く
南駒ヶ岳と仙涯嶺 越百山近くから見た南駒ヶ岳と仙涯嶺
仙涯嶺は南駒ヶ岳側から見た時と似ても似つかぬ姿をしていた
越百山山頂 越百山への登り
越百山の頂上は、写真のピークの向こうにあるが、ここまで来ると、登りは終わったのも同然
越百山頂上 越百山頂上
今回の縦走の最後のピーク
途中で一緒になった3人連れのパーティーと喜びを分かち合った
静かな感じの山頂だった
背景は南駒ヶ岳
越百山頂上から南越百山 南越百山
越百山からは南越百山がすぐ目の先に見える
この先に、駒ヶ根へ下るルートがあるが、越百小屋の小屋番は荒れているので利用するなと言っていた
越百小屋付近の道 越百小屋への下り
越百山の頂上を下るとすぐ樹林帯に入り、しばらくすると樹間から越百小屋が見えるようになる
越百小屋の赤い屋根が見えたときは、なんとなくホッとした気持ちになった
越百小屋 越百小屋
小さな小屋で写真右の棟に食堂と寝室があり、左の棟はザックなどを置く荷物室
近くに水場はなく、水はミネラルウォーターを売っている
小屋は貧弱だったが、小屋番は昨日泊まった木曽殿山荘と月とすっぽん以上の違いがあった

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